ピアソラ/悪魔のロマンス
![](https://img.youtube.com/vi/6k_2Z4LLwnA/0.jpg)
アストル・ピアソラ(Astor Piazzolla)/悪魔のロマンス(Romance de diablo)
ただ日本語にしても悪魔はインパクトのある言葉ですので、それなりに意味があるはず……。
考えられるのは、タンゴの世界観としてよく用いられるモチーフなのでは?ということです。
そこで注目したのがアルゼンチンのバンドネオン奏者アストル・ピアソラ。
タンゴを世界的に広めたにもかかわらず、タンゴの破壊者とも呼ばれたタンゴの革命児です。
代表曲に「天使の組曲」と「悪魔の組曲」があり、「悪魔のロマンス」の美しさたるや……。
この辺りのイメージが明菜ちゃんの「TANGO NOIR」にも影響しているのかもしれません。
壊れるほど激しい愛!
のけぞる!
ふりむくだけであなた 罪なオトコ
命を燃やして踊れば
Tango Tango
愛しただけでわたし 壊れてゆく
のけぞる胸元 くちづけられ
Tango Noir
出典: TANGO NOIR/作詞:冬杜花代子 作曲:都志見隆
壊れるし、のけぞるし、大変なサビです。しかも「ノア~~~ル」の明菜ビブラート全開!
ちょいワル男はもう存在するだけで罪に決まっています!キッパリ!それほど激しい愛ですね。
タンゴという踊りは、命を燃やすほど情熱的なこと。そういう世界観が見事に体現されています。
ジェラシーの理由とは
恋の戦いなの?
ありったけのジェラシー
浴びながら
わたしとびきりのレディに変わる
恋という戦い きらびやかに
Pas de deux noir
シルクのヒュスチェのウエスト
ひき寄せ
ターンきめられたら 息も途切れ
出典: TANGO NOIR/作詞:冬杜花代子 作曲:都志見隆
2009年にユネスコの無形文化遺産に登録されたアルゼンチンタンゴ。
本場ブエノスアイレスのタンゴを踊る場所「ミロンガ」では、マナーがいろいろあるようです。
アプローチするときは「カベセオ」という身振り手振り&視線で誘うことになっているとか。
明菜ちゃんの「TANGO NOIR」で最初に手首をつかまれたのは「カベセオ」だったのでしょう。
そして「ミロンガ」での出来事だとすると、まわりには他にもたくさん人がいるはずです。
その中で魅力的なちょいワル男に誘われたら、女性たちのジェラシー(やきもち)も集まります。
こうした視線の中でよりキレイな女性になろう!という向上心も生まれるでしょう。
これがタンゴという踊りの醍醐味であり、ある意味「恋の戦い」ということになります。
ヒュスチェ?
ヒュスチェとはビスチェのこと。
言い方が違うだけで、ストラップ(肩ひも)のないブラ&ウエストニッパーを表しています。
タンゴの衣装に決まりはありませんが、パーティー「ミロンガ」ではドレスアップしたいもの。
シルクのように光沢のある素材や露出度の高いビスチェが好まれるということです。
美しい破滅とは?
どこまでゆく?
ゆくとこまでゆくわ
美しい破滅に
魅入られて愛して
流されてくままに
出典: TANGO NOIR/作詞:冬杜花代子 作曲:都志見隆
アルゼンチンタンゴを踊る場所のことも、パーティーのことも「ミロンガ」と表現します。
このミロンガで一緒に踊ったからといって、実際の恋愛に発展するわけでもないんだとか。
ミロンガでの踊りそのものが、出会いと別れを含めた情熱的な恋のようなものなんですね。
歌詞に出てくる「破滅」とか「ゆくとこ」というのは、踊りの終わりを意味しています。