中森明菜「北ウイング」とは?

1984年の元旦、この「北ウイング」はリリースされました。

「北ウイング」のタイトルは、もとは、北ウイング以外に「ミッドナイトフライト」や、「夜間飛行」など候補がいくつも出されていたそうですが、明菜さんの提案で、タイトルが「北ウイング」と名づけられました。明菜さんはのちに、このタイトルを「北ウイング」にしたかった理由について、ユーミンこと松任谷由美さんの「中央フリーウェイ」に影響をされたことをインタビューで語っていたそうです。

ちなみに、北ウイングとはどのような場所を指すのでしょうか?ここからはこの曲のタイトルである「北ウイング」についてみていきましょう。

タイトル「北ウイング」の意味とは?

この曲のタイトル「北ウイング」の舞台となったのは、成田空港の北ウイングです。そもそも、この曲の歌詞成田空港を舞台にして、一度は別れたはずの男を追いかけて海外へと旅立つ女性の心境を歌っているのです。

そもそも、この成田空港には北ウイングという場所はありません。実は成田空港の第1ターミナルの北部分を当時「北ウイング」と呼んでおり、そこからこのタイトルはきていると言われています。

大ヒットした歌番組「ザ・ベストテン」で明らかになった女性が飛び乗った飛行機の便名とは?

そして、さらに当時大ヒットした歌番組「ザ・ベストテン」の番組スタッフが調べた結果、この「北ウイング」の歌詞の内容からこの曲に登場する成田空港の飛行機の便が、当時の夜間出発していた便のなかで実際に運航されていたことも分かっています。

この「北ウイング」で歌われている女性が飛び乗った飛行機は、当時、日本航空の成田発ロンドン・ヒースロー国際空港行きのJL401便ではないかとその番組内で推測されました。ですが、本当のところはまだ明らかにはなっていません。

北ウイングは高橋みなみがカバーしたことで若い世代にも認知されることに

「北ウイング」は、明菜さんの曲の中でも幅広い世代に広く知られています。

そして、さまざまな歌手がこの「北ウイング」をカバーしており、例えば、歌手の寺尾聡さんやAKBを卒業した高橋みなみさんもカバーしたことでも若い世代に広く認知され、時代を超えて愛される曲となっています。

それに加え、情緒的でストーリー性のある歌詞と素晴らしいメロディが合わさり、この曲にしかない魅力を醸し出しているのかもしれません。それが今の時代の若者には逆に新鮮に映り、当時の若者の心だけではなく現代の若者の心までわしづかみにしている明菜さんはやはりカリスマ歌手といえます。

「北ウイング」の歌詞は、別れを決めたはずの男性の後を追いかけて空港に向かう女性の心境が描かれている

タイトルの次は、この曲の歌詞について詳しく見ていきましょう。タイトルの成田空港「北ウイング」を舞台に女性は荷物を抱えやってきます。そして海外行きの飛行機に飛び乗るのです。

その姿はまるで映画のワンシーンのようだと、この曲の冒頭ではその時の女性の姿が描かれています。

 

映画のワンシーンの歌詞とは、どのようなものなのでしょうか?

映画のワンシーンと一言で言いますが、一体どのようなものなのでしょうか?そう、空港で別れた恋人を追って飛行機に乗り込む姿がそれは、長編映画か短編映画かどちらかのたった1つの重要なワンシーンそのものなのです。

これから、彼女の物語はいよいよ佳境へ入っていきます。飛び乗った飛行機で異国へ向かい、言葉も通じない外国で恋人のことを見つけられるのか、無事復縁することができるのかなど、映画ならそこから先がないと意味がありませんが、歌ならそのなかのワンシーンだけだって、こんなに人の心に刻み込まれるのです。

 

全てを投げ出してまでどうして彼女は男の後を追ったのか?