1stミニアルバム『カントリーロード』に収録
【ナイトクロージング】は1stミニアルバム『カントリーロード』に収録されている楽曲です。
このアルバムはSaucy Dogにとって初の全国流通盤となります。
彼らの代表曲である【いつか】もこのアルバムの収録曲であり、人気に火がつくきっかけにもなりました。
3ピースバンドは人数が少ない分、どうしても音数が少なくなってしまいます。
迫力を求められるロックバンドとしては少し不利な弱点です。
しかし、Saucy Dogは抜群のメロディセンスでその弱点を補っており、聴く人の耳に印象強く残ります。
ダメ男の後悔がテーマ
今回紹介する【ナイトクロージング】のイントロは爽やかなギターサウンドから始まります。
青春の影を感じるような恋愛曲なのかと思いきや、歌われている歌詞はまさかの失恋について。
しかもダメ男が主人公です。
そして、歌詞の始まりから終わりまでずっと恋人にフラれた後悔について綴られています。
引きずり過ぎているくらいにです。
さらに、ボーカルの石原慎也さんの伸びある高音が、いい意味で女々しい男の姿を想像させます。
そんなダメ男の後悔を歌った【ナイトクロージング】の歌詞の内容を紐解いていきましょう。
歌詞を解説
いつもと違う朝
飲みかけの缶ビール 気が抜けた僕とよく似ている
布団に寝転び 少しだけ眠ろう
なにも考えないように 出来れば1人居ないように
君がいない朝迎える前に
出典: ナイトクロージング/作詞:石原慎也 作曲:Saucy Dog
いつもなら飲み切っているはずのビールさえ残してしまうほど気が滅入っているようです。
炭酸が抜けた様子を自分自身に重ね合わせています。
ふて寝をしたり、友人と遊んだりして現実逃避をしているのでしょう。
「僕」はなぜそんなことをしているのか。
その理由は「君」との別れにあります。
ダメ男の後悔
時間を形にするだけの恋だったとか 運命じゃないとか
って結局自分守る癖は全然変わっちゃいないよ
自分でも呆れる程にさ
出典: ナイトクロージング/作詞:石原慎也 作曲:Saucy Dog
ただの遊び相手だとか、もっといい人がいるだとか、都合のいい言い訳だけを自分にいい聞かせています。
主人公は別れた相手が悪いということにして保身に走る、いわゆる「ダメ男」なのです。
そんな自分の性格をわかっていながらも、「またやってしまった」という後悔が綴られています。
歪んでしまった世界がきっと
僕らを見兼ねて あの日連れ去ってしまった
奪われた時間はずっと退屈で
「どうすれば~」なんて頭巡らす日々です
出典: ナイトクロージング/作詞:石原慎也 作曲:Saucy Dog
ここでもまだ時間や世の中など、他の要因に責任を押し付けています。
本当は自分自身が奪った日常なのにもかかわらずにです。
非があることもわかっているのに、プライドが邪魔をしているのでしょう。
自分自身に責任を持たないダメ男っぷりは、歌詞を読んでいても少しイライラしてしまうほどです。
それでも復縁を願っているようですが、彼女のためにも叶ってほしくないと思ってしまいますね。
後悔から絶望へ
気がつけば僕の殆どを君が占めていた
それじゃあ残された僕の毎日の意味は知れていた
出典: ナイトクロージング/作詞:石原慎也 作曲:Saucy Dog