大ヒット曲「ラ・イスラ・ボニータ」

緩いビートに酔う

マドンナ【ラ・イスラ・ボニータ】歌詞を和訳&解説!美しい島でどんな日々を過ごした?異国情緒を楽しもうの画像

1986年6月30日発表、マドンナの通算3作目のスタジオ・アルバムTrue Blue」。

このアルバムに収録された楽曲ラ・イスラ・ボニータ」について歌詞和訳し解説します。

スペイン語を随所にあしらった歌詞で中々訳しづらい側面があるもの。

この「美しい島」はカリブ海にあると想像されています。

碧い海に囲まれた楽園のような土地です。

「ラ・イスラ・ボニータ」は初期マドンナの傑作として讃えられます。

クラブ・ミュージック的なサウンドですが、南洋の島々の歌だからでしょうか少々緩いビートです。

暖かい土地での温かい交流を描くのですが、これはすべて夢の中のお話。

実際はアメリカ合衆国の都市の中で生活している主人公の願望が夢の話に昇華されました。

夢の中の物語らしい曖昧さを含む歌詞ですので直訳しただけでは事情が分からない箇所もあります。

この楽曲「ラ・イスラ・ボニータ」を和訳しながら「美しい島」の景色を解説しましょう。

それでは実際の歌詞を見ていきます。

ベリーズのサン・ペドロが舞台

全ては夢のお話

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Cómo puede ser verdad

Last night I dreamt of San Pedro
Just like I'd never gone, I knew the song
A young girl with eyes like the desert
It all seems like yesterday, not far away

出典: ラ・イスラ・ボニータ/作詞: Patrick Leonard Bruce Gaitsch Madonna Ciccone 作曲: Patrick Leonard Bruce Gaitsch Madonna Ciccone

冒頭のスペイン語のセリフが印象的ですが中々ダイレクトに意味が伝わりません。

聴き取ることも難しい箇所です。

ぜひ和訳を参考にしてください。

「どうして真実だといえるの

昨夜、私はサン・ペドロを夢に見た

これまで行ったこともないのに

その歌は知っていたの

砂漠のような瞳を携えた若い女の子

まるで昨日のことのように

遠い日じゃない」

冒頭のセリフでこれからの歌詞の種明かしをしています。

真実だとどうしていえるのということは、翻って真実ではないという意味になるでしょう。

実際に英語の歌詞は夢を見たという告白から始まります。

「ラ・イスラ・ボニータ」はすべて語り手の女性の夢の中の物語です。

彼女が夢に見たのはサン・ペドロという土地と「美しい島」。

スペイン語が使われていることを考えるとカリブ海の国、中米のベリーズの島でしょうか。

アンバーグリスキー島にある「サン・ペドロ」という地区のよう。

実はこのサン・ペドロという名前の土地は南北アメリカ大陸の至るところにあります。

アメリカ合衆国カリフォルニア州にもサン・ペドロという土地があるのです。

中米、南米にはさらにたくさんあります。

どうしてこんな事態になるかというと「サン・ペドロ」とはスペイン語で聖ペテロの意味だから。

聖なる土地に聖人の名前をつけることはごく当たり前のことでした。

先住民族は文字を持たなかったこともあり、こうした事態になったのでしょう。

いずれにしても「ラ・イスラ・ボニータ」の舞台はベリーズのサン・ペドロのようです。

歌の中で聴いた名前

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語り手はサン・ペドロに行ったことはないのですが、その島について歌の中で名前を知っていたようです。

逐語訳で硬いため意味が汲み取りづらいでしょう。

原詩を見ていただくと分かると思うのですがビートに合わせるために切れ切れの文章で紡いだ歌詞です。

和訳で至らない点は記事の中でご説明いたします。

瞳が砂漠のようという慣用表現は日本語にはないものです。

どこまでも奥に続いていくような瞳の底の姿を歌っているのでしょう。

こうしたすべての物事は夢の中の出来事ですが語り手はその生々しさを伝えています。

追憶の日々の出来事ではない。

もっと生きた体験のように感じると歌います。

「美しい島」の情景

マドンナ旋風の中での大ヒット曲

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Tropical the island breeze
All of nature, wild and free
This is where I long to be
La isla bonita

出典: ラ・イスラ・ボニータ/作詞: Patrick Leonard Bruce Gaitsch Madonna Ciccone 作曲: Patrick Leonard Bruce Gaitsch Madonna Ciccone

短いセンテンスで旅情を表現します。

「島を熱帯の風が吹き流す

自然まるごと、野性味あふれて自由な素振り

これこそ私が行ってみたい土地

美しい島」

タイトル回収がなされます。

行ったことがないのに鮮明な美しい自然の様相が描かれるのです。

くどくなりますが夢の中で見て感じたことしか書いていません。

「美しい島」と呼んで南国の島々を思い浮かべるのは世界共通なようです。

この土地は古代マヤ文明の支配下でもあります。

古代マヤ文明は自然の造形を損なわないように独自の文化を築きました。

ベリーズのサン・ペドロは手つかずの自然が残っているのでしょう。

誰しもが夢見るような「美しい島」です。

一方で「ラ・イスラ・ボニータ」は日本で長山洋子がカヴァーしてヒットしました。

マドンナのあらゆる作品や行動・言動が世界を揺るがしていた時代があったのです。

「ラ・イスラ・ボニータ」は誰しもが耳にするような特に人気のある曲でした。

リアルさはまるでない

中米の楽園に託す思い

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