And when the samba played
The sun would set so high
Ring through my ears and sting my eyes
Your Spanish lullaby

出典: ラ・イスラ・ボニータ/作詞: Patrick Leonard Bruce Gaitsch Madonna Ciccone 作曲: Patrick Leonard Bruce Gaitsch Madonna Ciccone

中米の風景が目に浮かぶようなラインです。

「サンバが奏でられたとき

太陽はてっぺんまで昇りつめる

私の両耳を貫くリング

私の両目に射し込む光

スペイン語での子守唄」

一部意訳を交えました。

サンバはご存知のようにブラジルの音楽や踊りです。

この「美しい島」はカリブ海という設定なので現地に移植されたサンバでしょう。

ブラジルはポルトガル語が公用語ですので最後に現れるスペイン語での子守唄とも合致しません。

日本でもサンバは受け入れられてカーニバルが各地で行われているのと同じような状況なのでしょう。

「美しい島」は常夏の楽園のようです。

太陽が高く昇っても湿気が少ない土地でしょう。

快適に過ごせるのが日本の島々とは違うところ。

亜熱帯化が疑われる日本の気候ですとこうしたさっぱりとした暑さはうらやましいものです。

どこまでも「美しい島」の風光明媚な点を強調しますが、しかしこれは全部夢の中のお話

夢の中でも詩情が滲むのが素晴らしいです。

スペイン語での子守唄というのは、夢の中で聴くと二重に寝かしつけられるということでもあります。

こうした楽園ムードの夢に酔うのは、現実では日頃ストレスに悩まされているのかもしれません。

潜在意識が織りなす夢の物語。

「ラ・イスラ・ボニータ」の歌詞リアルなものが一切登場しない徹底ぶりなのです。

夢の中で恋をする

スペイン語で彼がいう

マドンナ【ラ・イスラ・ボニータ】歌詞を和訳&解説!美しい島でどんな日々を過ごした?異国情緒を楽しもうの画像

I fell in love with San Pedro
Warm wind carried on the sea, he called to me
Te diso te amo
I prayed that the days would last
They went so fast

出典: ラ・イスラ・ボニータ/作詞: Patrick Leonard Bruce Gaitsch Madonna Ciccone 作曲: Patrick Leonard Bruce Gaitsch Madonna Ciccone

夢の中での恋物語が展開されます。

スペイン語の歌詞を含みますのでご注意ください。

「サン・ペドロと恋に落ちたの

暖かい風が海に注がれる

あの人が私を呼んだ

彼はあなたを愛しているとスペイン語でいった

私はこの日々が終わらないことを祈る

そうした日々はすぐに消えいってしまうから」

恋に落ちた相手は人というよりは場所です。

カリブ海に浮かぶアンバーグリスキー島のサン・ペドロに恋をします。

行ったこともない夢に見ただけの土地ですが、その光景は「美しい島」そのものです。

歌い出しで登場するサン・ペドロの地名が出てくる歌は突き止められませんでした。

しかし語り手にとって大事なことは夢の中での疑似恋愛です。

スペイン語の愛の言葉を翻訳してみたのですが、英語を介した訳になります。

He said “I love you” to you

英語ですとこうした表現になります。

夢の中での恋愛とはいえ生々しい言葉を使われると覚醒めてからもどこか不思議な気分になるものです。

ずっと夢が続くといいのですが、夢の内容が確固とした形を帯びてくると人は自然に覚醒します。

語り手がいうように夢は砂の城のようにもろく崩れ去る運命です。

それでも砂の感触を忘れることができないように、生々しい記憶が覚醒めた彼女に訪れます。

夢で見た「美しい島」に行きたい。

そこには自分を愛してくれる人もいるのですからなおさらそう思い込んでしまうのです。

自由奔放な愛の土地

サン・ペドロへ行ってみたい

マドンナ【ラ・イスラ・ボニータ】歌詞を和訳&解説!美しい島でどんな日々を過ごした?異国情緒を楽しもうの画像

I want to be where the sun warms the sky
When it's time for siesta you can watch them go by
Beautiful faces, no cares in this world
Where a girl loves a boy
And a boy loves a girl

出典: ラ・イスラ・ボニータ/作詞: Patrick Leonard Bruce Gaitsch Madonna Ciccone 作曲: Patrick Leonard Bruce Gaitsch Madonna Ciccone

間にあるリフレインの箇所は繰り返しになるため割愛いたしました。

「ラ・イスラ・ボニータ」が愛の歌であるとはっきり分かる瞬間です。

「私はその場所にいたい

太陽が空を暖める土地に

シエスタの時間になれば

太陽も空模様も過ぎ去るのを眺められる

美しい顔たち

この世界では気にすることなどない

少女が少年を愛する土地

少年が少女を愛する土地」

歌詞中の「シエスタ」とはスペイン語で昼食後の休憩を指します。

長いお昼寝のようなものでしょう。

相変わらず短いセンテンスで話が進みます。

しかしこれまで「美しい島」の情景が主役でしたが、この辺りで恋愛の豊かさに話題が変わるのです。

マドンナが歌ってきた愛は観念的なものではないでしょう。

もっと肉感的な愛を歌い続ける人です。

「ラ・イスラ・ボニータ」も同じく肉感的な愛の表現だとされています。

気になる方は色々な単語を組み合わせて検索してみてください。

この曲「ラ・イスラ・ボニータ」はマイケル・ジャクソンのアルバム「BAD」に収録予定でした。

マドンナよりももっと短いセンテンスでビートを大事にするマイケル・ジャクソンのための曲。

マドンナは歌詞を手直ししましたが、センテンスの短さまではどうしようもできなかったのでしょう。

私たちリスナーは短い言葉の連なりの中から物語を拾い上げます。

世界中で売れた曲ですが、やはりスペイン語圏では特別な曲になったようです。

自分の土地の近くにあるサン・ペドロが舞台ではないかと色々な憶測を生んだよう。

しかしやはりベリーズのサン・ペドロであるというのが定説です。

このベリーズのサン・ペドロでは臆することなく愛が育まれているのでしょうか。

調べてみましたがそうした風潮は見受けられませんでした。

現地に飛んで実際に調べたいものです。

しかし肝心のこの歌の語り手自身がサン・ペドロに行ったことがありません。

語り手自身の潜在意識が創り出した虚構の恋愛風景が並べられます。

この語り手は現実では自由奔放な愛に飢えていることの証かもしれません。

一方で少女が少年を、少年が少女を愛するのは自然の摂理に近いこと。

「美しい島」だけでなくどこの土地でも、自然な気持ちに抗うような社会的な足枷は取り払いたいものです。

夢の中のお話しと釘を打つ

生々しい愛の記憶

マドンナ【ラ・イスラ・ボニータ】歌詞を和訳&解説!美しい島でどんな日々を過ごした?異国情緒を楽しもうの画像

Last night I dreamt of San Pedro
It all seems like yesterday, not far away

出典: ラ・イスラ・ボニータ/作詞: Patrick Leonard Bruce Gaitsch Madonna Ciccone 作曲: Patrick Leonard Bruce Gaitsch Madonna Ciccone

歌い出しをコンパクトにまとめた箇所です。

「昨夜、私はサン・ペドロを夢に見たの

まるで昨日のことのようで、遠い日の話じゃないわ」

曲の最後の方で改めて夢の中のお話であることを強調します。

様々な理想的な空間や愛を交わすこともすべて夢であると断るのです。

しかしその生々しい記憶は忘れられないようであります。

愛にまつわる夢なのですから、覚醒めた後も余韻が尾を引くのでしょう。

歌で聴いただけの「美しい島」。

とはいえ完全に夢の中にしかない島ではありません。

きちんと歌でも謳われている南国にある実在する島のことです。

忘れられない「美しい島」への想いを紡ぎます。

この後はまたリフレインになるので割愛いたしましょう。

一挙にクライマックスへ飛びます。

「ラ・イスラ・ボニータ」とマドンナの黄金期

スペイン語で余韻を楽しもう