これがこの曲のサビになります。

冒頭でも歌われた英語歌詞の部分。

少し意訳になりますが、込められた思いを付加して和訳すると下記のようになります。

 

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親愛なる君へ......

私は空の風を感じています。

しかしそこに君の愛はありません。

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新たな世界で生きていく決意をした主人公。

これまで過去に囚われて流れが止まり、滞っていた想いが動き出したことを表しています。

自分の周りに流れる新しい風を感じて前進しようとしているのです。

そんな自分と同じように恋人も、新しい風を感じていますか?という問いかけになります。

綺麗な思い出として

I'm feelin' the wind in the sky
without your love
キレイなままで 今から二人の想い出をしまうよ

出典: feel the wind/作詞:yasu 作曲:yasu

英語詞部分は繰り返しになりますので割愛します。

色々なことがあって別れることになったものの、今はもう恨んだりしていない前向きさを感じる歌詞

いがみ合ったりしたことは水に流し、笑顔のままの恋人のイメージをそのまま想い出にしたいのです。

記憶も、付き合っていた過去も、願ったところで消えるものではありません。

それならいっそ美しいままで置いておきたい。

とても自然な発想だと思います。

ここまでの流れで、主人公は新たな一歩を踏み出せていることを感じさせてくれるのですが…。

ここから続く2コーラス目で少し流れが変わってきます

とはいえ無理をしている自分がいる

夢の中で微笑む「君」

無理に笑顔で過ごしても
夢の中まで嘘つけない

出典: feel the wind/作詞:yasu 作曲:yasu

日中、起きている間は新たな人生を目指して前向きに行動している主人公。

ですが、眠っている間はそうはいかないようです。

理性や自己暗示は効果を発揮しません。

本能の部分で、失った恋人を求めてしまっているのです。

主人公が笑顔の裏に隠した本心

それは、今も恋人のことが好きで戻って来て欲しいと願う素直な気持ちだったのです。

曲は思い出を蘇らせる

"さよなら"を描いた白い吐息
流れてた歌が悲しくて
思わず耳をふさいだ
君の好きな歌

出典: feel the wind/作詞:yasu 作曲:yasu

夢の中でリフレインする恋人との別れるときのやりとり。

このことから、この別れは主人公主導で行われたものではないことが伺えます。

別れるその時も、主人公は恋人のことが好きで別れたくなかったのです。

でも別れを切り出した恋人の提案を受け入れるしかなかったという苦しい状況。

この事実がいつまでも主人公を苦しめています。

そして夢の中ではその時の出来事がずっと繰り返されてしまっているのです。

そして現実においても、街中で別れ話の時流れていた音楽を耳にするだけでも思い出してしまう…。

このことから、別れ話は車の中だったことがわかります。

おそらく主人公の車で走りながら別れ話をするという苦痛な時間。

その時カーステレオで流していたのは、少しでも引き止められるように恋人の好きな曲でした。

その行為が後々尾を引くことになってしまっています。

まだまだ主人公は、恋人との関係にとらわれたままだったのです。

思い出の中の「君」は輝いていく

強がりながらもやっぱり逢いたい

for Dear......
I'm feelin' the wind in the sky
without your love
だけどこれ以上は悔しいから綺麗にならないで
I'm feelin' the wind in the sky
without your love
ただ逢いたくて、逢えなくて、君の幸せだけ願うよ

出典: feel the wind/作詞:yasu 作曲:yasu

2コーラス目のサビからラストに向けて、サビのフレーズが繰り返されます。

このことから、まだまだ恋人との関係に未練を感じている様子が伺えるのです。

上記は最後の繰り返しに入る前の2コーラス目のサビになります。

想い出は美化されるもの」というのは一般的なことかと思いますし、皆さん経験があるでしょう。

別れて時間が経てば経つほど、嫌な想い出は消え去り、美しい記憶だけが残っていく

そしてその記憶はさらに美化され、神格化にも近い様相を呈するのです。

そのことを理解している主人公は、記憶の中の恋人に最後のお願いをしています。

それが、上記4行目の歌詞です。

自分だけがいつまでも恋人のことを好きでいるのが辛く、悔しい…。

強がりといえばそうなのですが、実際もう恋人が戻ってくることはないのです。

そうなればその事実を受け入れること以外に、主人公ができることはありません。

今すぐにでも逢いたいと思っているけれど、それはもう二度と叶わない夢となってしまいました。

それなら強がりだってなんだって、恋人が新しい恋で花を咲かせてくれることを願うしかないのです。

まさに苦渋の選択といえるでしょう。

この曲に込められた感情は、とても苦しくて切ないものです。

しかし、そんな苦しい感情をロックで疾走感のある楽曲に乗せることで前向きさを感じさせてくれます。

ただ立ち止まっているだけではなく、強がりながらも前を向こうとしている主人公

そんな男心に胸が苦しくなる楽曲でした。

これでこの曲『feel the wind』の歌詞についての独自考察を終わります。

まとめ