未練を断ち切って歩んでいく姿を描いた「Kiss Me」

まだ好きだという思いが残っていたのに、別れてしまった人。

切り替えて、また新しい日々を歩み始められたらいいのですが、なかなかそうはいきません。

今回考察していくのはJanne Da Arcの「Kiss Me」です。

別れたにもかかわらず、まだ胸に残る元恋人への思い。

それでも未練を断ち切り、新しい日々を歩んでいこうとする主人公の姿が描かれています。

まだ心に忘れられぬ人がいる方へ。

「Kiss Me」があなたの背中を押してくれる楽曲となることを願っています。

ポップとロックを兼ね備えたサウンド

Janne Da Arc【Kiss Me】歌詞の意味を考察!「死んだ」と言い聞かせるほどに好き?の画像

「Kiss Me」(2004)は、Janne Da Arcの18枚目のシングルです。

Janne Da Arcは2007年から12年以上に及ぶ活動休止の末に、2019年4月1日に解散を発表。

遺した名曲の数々は今でも色褪せることなく、愛され続けています。

「Kiss Me」も愛され続ける名曲のひとつです。

キャッチーなメロディを、ポップに彩った疾走感に溢れるサウンド。

メタルを彷彿とさせるエレキギターや、骨太でエモーショナルなベース

そして流れるように刻まれる強靭なドラムとキーボードが爽やかさを演出しています。

ポップとロックを兼ね備え、シンプルなアレンジでありながら、ひとつひとつの音が存在感を放つ楽曲です。

各音楽配信サイトでは「Kiss Me」のPVも配信されているので、ぜひチェックしてみてください。

「Kiss Me」の歌詞を解説!

この曲の登場人物は2人。

主人公である僕と、恋人である君です。

「Kiss Me」はサビ始まりの楽曲となっており、君への純真な願いを告げるところから物語は始まっていきます。

“好き”の証としてキスをしてほしい

Kiss me Angel Falling Angel Sweet my Angel Fly away
Shining Angel May be Angel Please kiss Kiss me Say yes

出典: Kiss Me/作詞:yasu 作曲:yasu

和訳

“天使よキスして 天使が舞い降りたんだ 僕の甘い天使は飛び立っていった

輝く天使よ 天使だって信じてる 僕にキスしてよ キスをして欲しいんだ”

君と初めて出会った日のこと。

その姿はまるで天使のようで、主人公は一目惚れをしてしまいました。

キスは人間にとって愛情表現のひとつ。

主人公は自分からキスをしようとは考えていません。

君の方からキスをしてくれることを望んでいます。

片思いではなく、君にも僕を好きになってもらいたいのだという願望が垣間見える歌詞です。

「死んだ」と言い聞かせるほどに好きだった

恋が終わる度いつも「あの人はもう死んだ人」自分に言い聞かせる

出典: Kiss Me/作詞:yasu 作曲:yasu

天使のような君に一目惚れをした主人公。

2人は無事に付き合うことができました。

しかしそれはもう過去のこと。

ポップなサウンドや冒頭の甘い歌詞とは裏腹に、「Kiss Me」は失恋を歌った楽曲です。

“死”というワードを使うことで「どんなに思いを馳せても、君にはもう会えない」のだと、思い込ませています。

実際に君が亡くなったわけではありませんが、それほど主人公にとって大きな存在となっていたのでしょう。

別れたことの喪失感が滲み出ています。

天使と死

この歌詞で印象的なのはやはり“死”というワードです。

一般的な失恋ソングにおいて使われることはそれほど多くありません。

その分、聴き手の耳に突き刺さり「えっ」と惹き込むことができます。

また冒頭のサビでは君を天使のようだと表現していました。

天使は人が亡くなったときに迎えに来るものとしても表現されることがあります。

たとえば有名なアニメ『フランダースの犬』もそのひとつといえるでしょう。

“天使”のあとに“死”というワードを使うことで、惹き込まれながらも違和感なく聴くことができます。

君への思いはまだ消せずにいる

新たな季節は意地悪 中途半端に暑くて 君がよみがえる

出典: Kiss Me/作詞:yasu 作曲:yasu