異国の情景

Touched by sunset Santorini Oia
(サントリーニ島イア 夕日が胸に迫り来る)

Girl from Italia Bittersweet pain in my head
(イタリア人のあの娘 ほろ苦い頭痛)

出典: Kids/作詞:川上洋平 作曲:川上洋平

サントリーニ島はエーゲ海ギリシャ領に浮かぶ島です。イアはその島の街で、世界一の夕日が見れると言われています。どうやらかつての情景を思い出している様子。

混沌

Helter Skelter Lost the words to speak
(ヘルタースケルター 言葉を失う)

We don't really care Got nobody I swear
(でもあまり気にしない 誓う相手もいない)

出典: Kids/作詞:川上洋平 作曲:川上洋平

Helter Skelterは英語で「めちゃくちゃ」を意味します。でも頭が大文字になっているので、固有名詞ですね。

頭に浮かぶのはThe Beatlesのヒット曲「Helter Skelter」でしょうか。この曲は彼らが作った最も激しい曲として知られています。

カルト集団の教祖がこの曲は俺たちのことを歌っているんだ!と語ったことで、The Beatlesライブで演奏しなくなりました。

その教祖にとって、そして当時の人々にとっても「Helter Skelter」は白人と黒人の最終戦争を意味する単語となったのです。

そういった様々な意味を含む単語なので、混沌とした様子が伺えますね。あまりのカオスさに僕たちは言葉を失った、という意味なのでしょう。

洋楽への深いリスペクトがある、川上洋平らしい詞です。

【Kids/[ALEXANDROS]】歌詞に秘められた世界観を和訳して紹介!MVも観てね♪の画像

言葉にできないことを歌うサビ

Staring at the morning light
(朝日を睨みつける)

I’m gonna feel so great about all the sights
That makes me wanna scream
(目の前には最高の景色)

出典: Kids/作詞:川上洋平 作曲:川上洋平

「睨みつける」でにらみつけると読みます。

二行目は直訳すると「叫びたくなるくらい景色全部が凄かった」といったところで、短く意訳されています。

And I just don’t know what’s causing me
But I feel so right to cry
(理由はないけど叫びたくなる でもそれで良いんだ)

Smile and laugh I don’t know why
(泣く事 笑う事 理由はないけど)

出典: Kids/作詞:川上洋平 作曲:川上洋平

この早口のフレーズでは感覚的な、言葉に出来ないことを歌い続けています。

Sneaking outta bed
(ベッドから抜け出す)
Don’t you dare wake up all the people in the house
(だれも起こさないように)
Don’t be scared you are the one
(怖がる必要は無い 君は君以外の誰でもない)

出典: Kids/作詞:川上洋平 作曲:川上洋平

朝日の登場とともに、段々と明るい雰囲気になっていきます。

キーワードは「隠れた個性」、目立つことがストレスに直結する日本社会において、自分で有り続けることは難しいですよね。

だから君は君だ、と言いつつ誰も起こさないように行動するのです。このイメージはラストサビに繋がってきます。 

Just believe and catch the light
That’s shining above your head and soul
(己を信じて光を掴め 頭と魂を照らす光)
We ought to live and make mistakes
(過ちも犯すけど 僕らは生きるために存在するんだ)

出典: Kids/作詞:川上洋平 作曲:川上洋平

この曲ではすでに雷と夕日と朝日、3つの光が登場しています。面白いのは先述のoasis名曲「Champagne Supernova」にも、空に瞬く光が登場することです。

憧れのoasisやその他の洋楽バンドへとつながっていく光が、サビに登場しているのでしょう。

振り返ればこの曲では光がすでに4つの役割を担っています。「雷」「夕日」「朝日」「サビの光」が、「恐怖」「別れ、終わり」「始まり」「憧れ、目標」を示しているのです。

【Kids/[ALEXANDROS]】歌詞に秘められた世界観を和訳して紹介!MVも観てね♪の画像

虚無へ

All of the sudden Here comes the rain again
(ほら突然 雨がまた降る)
Scolded by the thunder
(雷に怒鳴られる)
But I’m as empty as a balloon
(でも僕等は風船の様に空っぽ)

出典: Kids/作詞:川上洋平 作曲:川上洋平

Aメロでは一転して虚無感あふれる歌詞に戻ります。歌い方も対照的ですよね!やはり雷は恐怖の対象として描かれています。この歌詞ではあらゆる困難が突然にやってくると主張しているようです。