Hasta Manana one day we’ll go back to sea
(ハスタマニャーナ 僕等はいつの日か海に帰るだろう)
We don’t really care ’bout going back to soil
(そしていつかの日か土に還るだろう でもあまり気にしない)

出典: Kids/作詞:川上洋平 作曲:川上洋平

どん底まで落ち込んだような虚しさあふれる歌詞です。人はいつか土に還るのに何のため生き、苦しみ、何かを残そうとするのか。それを「気にしない」って言っちゃうところがクールですよね。

ハスタマニャーナはスペイン語で「また明日」という意味です。ギリシャ・イタリア・スペインと、ついに3ヵ国目に突入しました。

あいまいな自分

Slip it back I don’t remember date and place
(思い出そうとする 日付と場所)
And sentimental feeling in the playground
(遊び場でのセンチな感情も覚えていない)
I could barely sing the song
But don’t remember any title or the singer
(タイトルも歌手の名前も覚えてない かろうじて歌える程度)

出典: Kids/作詞:川上洋平 作曲:川上洋平

先ほどは死後の世界に思いを馳せましたが、今度はこれまでのことへと焦点を当てていきます。

面白いリズムで語られるのは、全く何も覚えていない自分。子供のころの経験って薄まってあいまいになっていきますよね。

でもそんな経験が自分の基礎になっている、それってものすごく不思議な感覚じゃないですか?

特に作詞作曲をこなしてきた川上洋平からすれば、自分の原点ともいえる幼少期に聞いた歌が何なのかわからないという状態です。

幼き日々を振り返れば、自分という存在が途端にあいまいになりはじめます。

不思議な和訳

Come to Papa
Look into the mirror
You don’t have to know yourself
(今こそ挑め 鏡を見ろ 見た目はあまり関係ない)
Before you step into the future
Run as fast as you can Before the summer ends
(出来るだけ早く走れ 夏が終わる前に)

出典: Kids/作詞:川上洋平 作曲:川上洋平

ここは一見、不思議な和訳になっていますね。「Come to Papa」は「やってみろ!」みたいな意味ですから、「挑め」になります。

「You don't have to know yourself」が特に不思議で、「know yourself」だと「自分自身を知れ」という哲学者の格言みたいになるのですが、それが否定されているという。

なぜ「見た目」という訳になるのか、おそらく前のmirror(=鏡)との絡みで、「know yourself」を使っているからでしょう。

直訳せず文字の音に合うようわかりやすく訳した結果、こうなったのですね。

直接意味を伝えるよりも分かりやすさを重視した、良い訳なんじゃないでしょうか。

 

【Kids/[ALEXANDROS]】歌詞に秘められた世界観を和訳して紹介!MVも観てね♪の画像

最後の光

I want you to shine on
(君がどうか輝くように)
I want you to stand out
(君がどうか目立つように)
I want you to cast the light
That’s lurking underneath the grief in you
(哀しみに隠れる光が放たれることを願う)

出典: Kids/作詞:川上洋平 作曲:川上洋平

ここで5つ目の光が登場します。なんとそれはyou、つまり僕たち自身だったのです

哀しんでいるから、その光が放たれずに奥に閉じこもっているのです。

We ought to be brighter
(僕等は輝くために)
We ought to be higher
(僕等は高く飛ぶために)
We ought to believe in all our abilities and possibilities
(己の能力や可能性を信じるために)
Wear your hearts on sleeves
(あるがままに生きるべきなんだ)

出典: Kids/作詞:川上洋平 作曲:川上洋平

そして川上洋平は僕たちをWeの中へ入れてくれます。川上洋平と僕たちリスナー、みんな合わせてWeなのです。

タイトルの「Kids」は彼らだけでなく、僕らのことも指していたのでした。

そしてラストは川上洋平の人生を生きる哲学になっていきます。

おわりに

ここまで6年前の[ALEXANDROS]の姿を追いかけてみました。洋楽へのリスペクトあふれる川上洋平の歌詞MVから、当時の彼らの様子が感じられたかと思います。

またこの頃の彼らが持っていたクールな音楽性にも注目していただきたいです!洋楽に影響を受けたであろうシンプルな楽曲は、当時の邦ロックバンドを置き去りにしたといっても過言ではありません。

彼らの登場は衝撃的でしたが、それ以降も[ALEXANDROS]は伝説を作り続けています。

例えば昨年末にリリースされた「明日、また」はアメリカのチャートに影響を受けたようなエレクトロナンバーでした。

これは本当にすごいことで、英語を使わずとも洋楽っぽいと思わせれるようになったのです。ここまできて更に成長するのか[ALEXANDROS]…!と衝撃を受けました。

中堅バンドになっても成長を続ける彼ら、後を追いかけていてこんなに楽しいバンドはあるでしょうか。

たいていバンドが挑戦をすると、ファンは「変わってしまったな…」と離れてしまいますが、彼らの成長は応援できます!

5月23日に新しいシングルを発売する予定の彼ら、いったい今度は何が起こるのか!?今からワクワクが止まりません!

それでは!

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