出来心で女性と関係を持ってしまった

ブレブレ幹の根 節操ねえ まるでそれ泥の船
見えない夕暮れ なんとなく抱いた

出典: 36.4/作詞:小池貞利 作曲:小池貞利

そんなことは絶対にしないと思いつつ、やってしまった主人公の意志は読んで字のごとくブレブレ。

その意志の弱さを簡単に沈んでしまう泥の船に例えていますね。

「見えない夕暮れ」という表現は、そのときの情景を覚えていないことを表すものでしょう。

そう、「なんとなく抱いた」とあるように、主人公は出来心で女性と関係を持ってしまったのです。

酔っぱらっていたから何も思い出せない

酔っ払って愛したって思い出せない頬のチークや目元の赤ライン
謝って確かだったのは割れたピーナッツと残り1/3の赤ワイン

出典: 36.4/作詞:小池貞利 作曲:小池貞利

主人公が女性と関係を持ってしまったのは、酔っぱらっていたからでした。

割れたピーナッツと、少しだけ残った赤ワインがその事実を物語ります。

酔っぱらっていたからそのときの情景も、女性の顔も思い出せないのです。

次の朝目覚めて隣に眠る彼女を見て青ざめた…なんて光景が目に浮かびますね。

打ちひしがれる主人公

敢え無く床に広がった湿った色褪せたライトグレーのジャケット
頭ん中軽く蝕んだ黄ばんだ36度4分の末路

出典: 36.4/作詞:小池貞利 作曲:小池貞利

ここで表現されるのは帰って来たものの、ジャケットも脱がずにその場に崩れ落ちる主人公の様子。

「36.4」というタイトルは36度4分という体温のことだったのですね。

このことが表しているのは、主人公は打ちひしがれているけど体温は平熱。病気ではないということではないでしょうか。

罪悪感と二日酔いが入り混じる

届かない遠吠え しょうもねえ間抜け手の鳴る方へ
聞こえない君の声 なんとなく吐いた

出典: 36.4/作詞:小池貞利 作曲:小池貞利

「届かない遠吠え」という表現は、今さら後悔しても遅いということ。

「間抜け手の鳴る方へ」というのは、結局自分もバカにしていたアイツらと同じだということでしょう。

そして君の声が聞こえないと言っているのは、罪悪感や後悔で頭がいっぱいになっている様子を表しています。

二日酔いも相まって気分は最悪といったところでしょうか。

酔っ払って愛し合って思いがけない程の心臓の痛みが朝方に
抗って確かだったのは割れたピーナッツと残り1/3の赤ワイン

出典: 36.4/作詞:小池貞利 作曲:小池貞利

酔っぱらってやってしまったこととは言っても、そうはならないと思っていた主人公には相当なダメージだったようです。

吐き気と罪悪感に抗うような描写がこの部分でもなされていますね。

休みだったから羽目を外したのに…

なんとなく買って半端なく頭痛を助長させる缶コーヒー
カウントなく訪れ甲斐性ない俺の休日を終わらす背徳心

出典: 36.4/作詞:小池貞利 作曲:小池貞利

主人公が予想外に酔っぱらってしまったのも、女性と関係を持ってしまったのも次の日が休みだという解放感からだったようです。

しかしそうやって前日に羽目を外したことで待っていたのは、背徳心と二日酔いの気分の悪さ。

そんな気分で飲む缶コーヒーも、美味しいはずがありません。

こうやってせっかくの休日も無駄にする形で終わっていくのです。