”君”が去って、現実感のないまま、”君”がまだいるような気がしたまま過ごしてきたけれど。

やっと、今やっと、現実に引き戻されました。

そして今更ながらに後悔が襲ってきます。

”君”を失った辛さのあまり現実から逃げていた自分に、

”君”に何も手を差し伸べられなかった自分に、

”君”の苦しみにどこかで気付いていながらもそれを打ち消していたことに。

こんな自分は生きるに値しないと、救いを求めるはずの存在の神に、撃ってくれと願います。

神と、天使になった”君”のその手で。

そして地獄に落ちることが、自分が幸せになる道だと”僕”はいうのです。

風になって……

目覚める朝 ベッド誰もいないのに
懐かしい香りがしているよ
一緒にでかけよう

ねえ、疲れてお腹が空いたら
五番街のイイ店に行こうよ
声を掛けた 君は風の中
手を降ってる
じゃあね、バイバイ。

ねえ、もしも君が生きてて
僕の側で笑ってたら
そんな事考えてるよ
そんな事ばっか考えてる

出典: 僕を撃て/作詞:SIX LOUNGE 作曲:SIX LOUNGE

ベッドの中にはまるで今でも”君”がいるかのよう。

いつものように一緒に出かけて。

あの、”君”のお気に入りの店で、ちょっと豪華な食事をしよう。

心の中で声を掛けたけど、”君”はもういないんだ。

”僕”の隣には、ただ風が吹いている。

君はもうそばにはいない。

戻っても来ない。

やっとそのことを、”僕”が受け入れることができたのです。

それでも、生きて隣で笑っててくれたらって、思わない瞬間はないけれど。

SIX LOUNGEの見せてくれる世界


”君”がいなくなったことが受け入れられない、後悔ばかりを重ねて”君”の気配を感じ取ってしまう。

そんな”僕”の深い愛が哀しいですね。

ロックなサウンドと、この少し悲しみを含んだ歌詞の組み合わせの妙が、なんとも小憎らしい。

メンバーが20代前半とは思えない、バランス感覚の良さには脱帽ですね。

この先の彼らは、どんな音楽を私たちのに届けてくれるのでしょうか。

期待は膨らむばかりです。

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