ライヴで魅せるSIX LOUNGE


2017年の年の瀬、渋谷CLUBQUATTROを超満員にし、圧巻のライヴでその力量を見せつけたSIX LOUNGE

またまたすごいバンドがが出てきたものだと、ロック好きの心臓は高鳴るばかり、そんなライヴでした。

このSIX LOUNGEは大分県出身、最近は福岡県出身のポルカドットスティングレイや熊本県出身のWANIMAなど、とにかく九州勢が何かと若い世代の音楽シーンを熱くしてくれるようです。

SIX LOUNGEの音楽は、まさにTHE・ロック。

今の時代にこういう音楽をやる若い世代が出てきたということは、時代は巡り巡ってまたロックの時代がやってきたのでしょうか。

絶滅しかけて、息も絶え絶えだったロックに、少し黎明が見えてきたような、そんな気分にさえさせられました。

彼らの音楽から感じたのは、バンドブームを経験したものなら忘れもしない、あのTHE BLUE HEARTSの空気感です。

THE BLUE HEARTSは音楽界のみならず文学界などあらゆる世界に影響を与え、解散してから20年以上経つ現在でもその影響力はとどまるところを知りません。

彼らが名曲「リンダリンダ」でデビューしたのが1987年のこと。

流行は30年で繰り返す、なんていう言葉もありますが、まさに今「リンダリンダ」から約30年の時を経てTHE BLUE HEARTSを感じさせるバンドが出てきたのです。

思わず感慨深くなってしまいますが、SIX LOUNGEは、まだ始まったばかりです。その可能性は、無限大に広がっているといえるでしょう。

かっこいいと評判の「僕を撃て」のMVは……?

収録アルバムは『大人になってしまうなよ』

今回お届けする曲は「僕を撃て」。2017年に発売のミニアルバム『大人になってしまうなよ』に収録されています。

MVも公開されていますが、特筆すべきはそのシンプルさ。

奇をてらった、余計な演出は一切なく、バンドが一曲演奏する姿がそのまま映し出されています。

最近はストーリー性を持たせたものや、アニメ仕立てになっていたり、グラフィックが凝っていたりなどするもののほうが多いですが、直球ど真ん中で勝負しています。

この点でも、まさにロックといえるのではないでしょうか。

必要最低限のドラムセット、ウォームな音作り、まさにかっこいいの一言。

MVを見れば、納得していただけると思います。

MVをチェック!

「僕を撃て」歌詞を考察

ここからは、「僕を撃て」の歌詞を見ていきましょう。

夢で見た儚いものとは

夢の中 逃げていた
見せられた 儚さに

ふと目覚める朝 ベッド誰もいないのに
近くに君を探してしまうのさ
ダサい癖だって笑って

ねえ、もしも君が笑顔で
今もギターを弾いていたなら
そんな事考えてるよ
そんな事ばっか考えてる

出典: 僕を撃て/作詞:SIX LOUNGE 作曲:SIX LOUNGE

どうやら見る夢は、幸せなものではなさそうです。

あまりの儚さを思い知らされて、思わず逃げ出してしまうほどに。

その儚いものは、いったい何なのでしょう。

そして目覚めたら、いつものように君はいない。

まだ慣れなくて、つい手を伸ばしてしまうけど。

いつまでたっても、慣れることはきっとないのでしょう。

苦笑交じりに、”君”のことを思い起こします。

ベッドから二人、起き上がったなら、いつものようにギターを手にして。

あの頃と変わりなく、ギターを爪弾く君がここにいるような気がして、そのことしか考えられなくなってしまいます。

気付かないふりをして

遊んでた 逃げていた
呼んでいた 気づかない

ふと目覚める朝 ベッド隣にはなぜか
名も知らない白い天使が
裸で眠ってた

ねえ、もしも君が笑顔で
僕の今を見たとしたら
そんな事考えてるよ
そんな事ばっか考えてる

出典: 僕を撃て/作詞:SIX LOUNGE 作曲:SIX LOUNGE

”君”は何か信号を出していたのでしょうか。

苦しんでいることを、彼に伝えようとしていたのでしょうか。

でも彼は、一見いつもと変わらなく振舞っている”君”の姿を見て、何もないと、そう思おうとしていたのかもしれません。

心のどこかでは、何かが少しおかしいことに気付いていながらも。

そうして、何も変わらない毎日が訪れると信じて疑わなかったある朝。

”君”はいつの間にか天使になってしまっていたのでしょうか。

その命は、失われてしまったようです。

最初に見た、夢の中で逃げ出してしまった儚さとは、このことだったのでしょうか。

無意識のうちでは、”君”の信号をキャッチして、どこかで予感していたのかもしれません。

こういう日がいつか来てしまうことを。

その日が来てから、動揺してばっかりで、”君”の不在に慣れないままの”僕”を見て、きっと”君”は笑っているんだろう。

またそんな想いばかりが心を占めます。

今、ハッとして後悔した
あの日はもう遠い昔
神様僕を殺してくれ
マシンガンでブチ抜いてくれ
そして僕は地獄で笑う
この撃たれた頭押さえ笑う
そうさ君の銃で撃たれたのさ
僕はとても幸せさ

出典: 僕を撃て/作詞:SIX LOUNGE 作曲:SIX LOUNGE