あいみょん【おいしいパスタがあると聞いて】アルバム全曲解説！「ハルノヒ」など12曲の聴きどころを紹介

NTV系ニュース番組「news zero」の2020年主題歌として制作された一曲。

23時台から日付を変わる頃、その日の映像と共に番組のエンディングを彩りました。

一日の終わりを締め括る一曲として多くの人の耳に届いたこの曲。

暗い情勢の中を生きる人々に寄り添い、ふっと心を軽くしてくれるようなナンバーです。

あいみょんの地に足のついた、どこか苦みを抱えたボーカル。

一日を振り返る映像と共に耳に届くその声は、きれいごとを口にしない人々の本音のようでした。

ニュース番組という性格、そして2020年という時期。

暗い情報に寄り添う「さよならの今日に」は、決して明るい雰囲気のものではありません。

けれど一日の終わりにこの曲を聴くと、明日に向かう気持ちが湧いてくる。

それは戻らない日々をそのまま見つめながら、理想も忘れない想いが込められていたからです。

先の見えない毎日に迷い、進む道が分からなくなったとき。

かつて理想とした憧れの人はどう生きただろうか。

そう歌う言葉を聴くと、前を向く気持ちが湧いてきます。

決して励ますわけでも、理想を語るわけでもない。

ただ難しい人生を共に生きていこうとする眼差しが込められたナンバーです。

アコギから始まるイントロが鮮やかに広がっていく一曲。

アルバム曲の中でも話題を呼んだ一曲は、複雑な恋心を歌ったものでした。

思い通りに伝わらない恋心、うまくいかない恋。

「愛されてみたい」という言葉からは、どこかやけになって諦めている印象を受けます。

どうせうまくいかない、運命の恋にはならない。

そんな自虐的な想いを吐き出しながら、それでも想いが通じてほしいと願う。

後ろ向きでヤケクソで、けれどどこか前向きな恋。

うまくいかない恋をわかってくれるような、難しい恋も挑んでみたくなるような。

そんな不思議な勇気をくれるナンバーです。

TBS系火曜ドラマ「私の家政夫ナギサさん」主題歌。

キャリアウーマンながら家事はまるで出来ない主人公と、そこに派遣されたオジサン家政夫。

ふたりを巡る人間模様、そして恋の行方が多くのファンをときめかせた一作です。

あたたかくて柔らかい、心の奥に触れるようなバラード。

素直になれない登場人物たちの心をそっと汲み取ったような、優しい一曲です。

2020年にリリースされた本作。

当時の情勢を受け、多くの人が自宅での毎日を余儀なくされた時期でした。

「裸の心」のMVもその影響を受け、自宅で自撮りしたような映像となっています。

ひとり家の中で、心の中の想いと向かい合う。

まるでデリケートでプライベートな心の中を覗き見るような映像。

奇しくもそれは楽曲のイメージと合わせ、ファンの心に残るものとなりました。

サウンド面でもイントロから、水音のような音がベースに流れているのが印象的。

お風呂場で響く声を聴いているようなドキドキする印象を与えています。

ひとりきり、ひたむきに不器用に自分の中の恋心と向かい合う。

切なくて胸がきゅんとする、ドキドキするナンバーです。

爽快で明るい印象を受ける、ポップなロックチューン。

あいみょんが敬愛するスピッツのサウンドを思わせる一曲です。

「マシマロ」や「チョコレート」というかわいい単語が次々と飛び出す歌詞。

ですがそこに隠されているのは甘くて強い毒です。

ふわふわと綺麗なものを汚して、新たな地平へ旅立つ。

かわいさも毒も強さも全部を内包していくたくましさが心を引き付けるナンバーです。