Fling Posse
まるでチープなクレープ(Ay)
キャメル色のレザーはフェイク(ニセモノ)
てんでイケてないその
Hypeなシューズを舐める奴隷(Slave)
諸々網羅 醜聞嘲罵
悪趣味たる 文学商売
運が勝負決めるDeal
切って捨てるカードSteal
出典: Rhyme Anima/作詞:invisible manners 作曲:invisible manners
「Fling Posse」は、ラッパーらしからぬキュートな雰囲気さえ漂わせるチームです。
シブヤ・ディビジョンの代表チームで、リーダーは飴村乱数です。
シブヤという場所柄というよりも、飴村のキャラクターがこのチームのライトさを演出しているように思えます。
跳ねるようなポップさが売り
リーダーの飴村乱数は、中性的な魅力に溢れるキャラクターです。
その彼に引っ張られるようにして、チームのラップにもポップさが垣間見えはしないでしょうか。
引用歌詞最初のパートは、言うまでもなく飴村のものです。
「クレープ」という言葉やファッションに関するフレーズもあり、シブヤらしさも窺えます。
2つ目のパートは、作家である夢野幻太郎のもの。
作家らしいというのか、やたらと文語的な表現が目立っています。
最後のパートを飾るのが、ギャンブラーという肩書を持った有栖川帝統です。
「運」や「ゲーム」といった単語が、彼を特徴づけるラップになっています。
飴村の過去とは?
明るくチームを率いるムードメイカーの飴村には、実は秘密の過去があります。
彼の過去については、以下を参照してください。
正体は中王区から派遣されたスパイの一人で、TDD解散工作の実行犯。同時に失敗作と呼ばれるクローンであり、同じ姿形をした別個体が各地で暗躍している。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/ヒプノシスマイク
中王区とは、ヒプノシスマイクの世界で女性が政治を牛耳る区画のことです。
TDDとはこの楽曲に登場する各ディビジョンのリーダーたちが組んでいた伝説のチームを指します。
いずれにしても飴村は上が忍び込ませたスパイで、明るい顔の裏には苦悩を隠していました。
彼のそういった影の部分は、後に続く歌詞の中で感じ取ることができるでしょう。
チーム④麻天狼
麻天狼
因果応報のワームホール
放り込んでも湧いてくる
韻が合法の暴力装置と化してく背徳
星月夜(The starry night)
事足りない物足りない 泥までBite
月曜日は血尿に
火曜は胃潰瘍
覚悟しとけよ バトルロイヤル
出典: Rhyme Anima/作詞:invisible manners 作曲:invisible manners
この【Rhyme Anima】に登場する4つ目のチームが、シンジュク・ディビジョン代表の「麻天狼」です。
医師、ホスト、会社員と、こちらも個性豊かな面々が揃っています。
個性の大渋滞
どのチームにも多かれ少なかれいえることですが、この麻天狼もまた、個性が渋滞するチームでしょう。
チームを率いるのは、リーダーで医師の神宮寺寂雷です。
ミステリアスな雰囲気を醸し出す天才医師ですが、座禅や釣りが趣味という、風変わりな一面も持っています。
彼のパートで注目したいのは、最初の部分のフレーズと最後の部分のフレーズで韻を踏んでいるところでしょう。
「因果応報」と「韻が~」の部分がそれに当たります。
韻を踏んでいるのと同時にちゃんと意味の通った内容にもなっているので、ラップの奥深さも感じられます。
引用歌詞2つ目のパートは、ホストである伊弉冉一二三のものです。
トップになるためには辛酸を舐めることもあるというホストの理が、彼の歌う歌詞から滲むようです。
特徴のない男が意外にイケてる
引用部分最後のパートは、会社員である観音坂独歩が担います。
物事を常に悲観的に捉えるタイプの彼は、典型的な病み系サラリーマンです。
キレイに韻を踏む「血尿」や「胃潰瘍」といったワードからも、彼の抱えるストレスの大きさが窺えます。
サラリーマン。医療系機材会社の営業で、特徴がないことが特徴。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/ヒプノシスマイク
このようなプロフィールを抱える彼ですが、「特徴がない」ことがむしろ、彼に面白みを与えています。
決してカッコいいラップではないけど、妙に親近感を覚えはしないでしょうか。
彼のようなタイプがいることで、他のメンバーが引き立つこともあるでしょう。
ラップの歌詞も笑えますし、観音坂のようなタイプが意外とイケてるのかもしれません。