BOØWY以前 Part2
もちろん、日本のロックシーンにも、名の通ったギタリストが存在したのは事実。
速弾きなどのテクニックに秀でたギタリストも、少なくありませんでした。
ただ、バンドという枠の中で、ボーカリストと同等の華やかさを持つギタリストは皆無に近かったのです。
ボーカリストが歌っている間、ギターがメロディーを奏でる手段は2通り。
1つは、歌メロに沿ったコードを弾くこと。
もう1つは、歌メロと重複しないメロディーを弾くことです。
同じ曲の中で、歌メロとは異次元のメロディーを聴かせる手段が、リフなのです。
当然ながら、歌メロに負けないインパクトのリフを生み出すのは容易ではありません。
イントロとサビに共通するリフとなれば、なおさらです。
優れたコンポーザーでもある布袋寅泰には、その力量がありました。
ギターヒーローの時代
BOØWYのブレイク以降、日本のロックバンドからはギターヒーローが次々と誕生します。
それぞれの音楽性は異なれど、光っていたのは演奏パフォーマンスとリフ。
ロック=バンドのイメージが一般化した中で、ギタリストの自意識が高まったのも一因でしょう。
しかし、改めて当時を振り返ってみると、思い出すことがあります。
レコード、CDのみならず、ライブやPVの映像も音楽ソフトとして広まった1980年代後半。
誰もがマイクや楽器を身近なものにする、まさにバンドブーム前夜のことです。
リスナーもまた、独創的なサウンドとビジュアルを備えたギターヒーローを求めるようになったのです。
洋楽では珍しくなかった、バンドのフロントマンとして輝くギタリスト。
時代が求めたギタリストのトップランナーが布袋寅泰だったことは、間違いありません。
リフとアクションがそろった「Bombastic」
久々のブラスロック
「Bombastic」は、布袋寅泰の生命線である高度なリフをまとった曲。
トレイラー映像で見せるアクションも、ステージそのままのダイナミックさです。
ここでもう1つ、注目するべき点が。
耳を澄ませば、ブラスロックを取り入れた曲であることが分かります、
2005年の10thアルバム「MONSTER DRIVE」を彷彿とさせる曲調。
ネオロカビリーのギタリスト、盟友のブライアン・セッツァーと共同制作するはずのアルバムでした。
2018年1月、布袋寅泰はブライアンのバンドの東京公演で、11年ぶりの共演を果たします。
「Bombastic」のサウンドには、そんな印象深い経験が反映されたのかもしれません。
良質なインストゥルメンタル
歌詞がなくても、楽器の調べで情景や心情を表現するインストゥルメンタル。
優れたギタリストである布袋寅泰はキャリアを通して、優れたインストゥルメンタルを発表してきました。
ソロ最初の作品「GUITARHYTHM」のオープニング曲も、オーケストラのインストゥルメンタル。
誰もが知るのは、映画「KILL BILL」のメインテーマ曲「BATTLE WITHOUT HONER OR HUMANITY」でしょうか。
ちなみにCOMPLEX時代にも、傑作と呼ぶにふさわしいインストゥルメンタルを制作しています。
最後のオリジナルアルバム「ROMANTIC 1990」に収録された「HALF MOON」。
当時まだ20代の若きギタリストが生み出したとは思えない名曲です。
興味を持たれた方は、ぜひ聴いてみてくださいね。
まとめ
BAD FEELING
布袋寅泰が作った最強のリフ。
多くのギタリストが挙げるのが、BOØWY時代の「BAD FEELING」でしょう。
それらしくは弾けても、独特のリズム感まで含めた完全コピーは至難。
ファンクミュージックのノリが取り入れられた、奥の深いリフです。
OTOKAKEライターが丁寧に解説した記事を読んで、ぜひ挑戦してみてください。
【BAD FEELING/BOOWY】布袋寅泰のギターが難易度高すぎ!?弾き方教えます!TAB譜掲載 - 音楽メディアOTOKAKE(オトカケ)
「BAD FEELING」をコピーしたい!けれども、布袋寅泰のギターが難易度高すぎる!そんなギター初心者のために、布袋さんのサウンドと奏法を解説しています。コツコツやれば誰でも弾けるようになります!