邪魔をされたくない理由

It's coming. It's definitely coming.
Don't you interrupt me, who are you?

出典: 歌舞伎/作詞:椎名林檎 作曲:椎名林檎

ソロ演奏が終わるとリズムが変わり押し寄せるような雰囲気になります。 

それにあわせて椎名林檎の歌い方もより一層挑発的になっていくのです。 

歌詞の直訳はこうなります。

それは来る。必ず来る。私の邪魔はしないで、あなたは誰?

出典: 歌舞伎/作詞:椎名林檎 作曲:椎名林檎

 このままでは意味が分かるような分からないような表現になっています。

最初のポイントはcoming。

これは当然comeの現在分子なので来るという状態が続いていることを指します。

通常“来る”と訳されますが、近づいてきているニュアンスが近いです。

さらにdefinitelyは必ずという意味ですが、疑義がないなど強い肯定の際に使用されます。

次のinterruptは邪魔という意味ですが、本来的には流れを中断することです。

そして最後のWho are youにはあなたは誰?という意味で使われます。

基本的にはyouは目の前にいる人にしか使われません。

そして文脈から察するに邪魔をしている人に向けて発言しているのでしょう。

誰か?ということよりも何様?というような意味でも使われる場合があります。

日本語でも、雰囲気を読まずにえらそうにしていると“おまえ誰だよ!”なんて突っ込まれるでしょう。

そうした意味を総合的に考えると下記のようになります。

必ず訪れるのに邪魔をしているあなたは何者?

出典: 歌舞伎/作詞:椎名林檎 作曲:椎名林檎

 このように流れに逆らっている人物が浮かび上がってきます。

怒らせても関係ない

I am so tired. You are pissins me off.
But doesn't matter, we are lenient,you see.

出典: 歌舞伎/作詞:椎名林檎 作曲:椎名林檎

曲の盛り上がりに伴い椎名林檎の歌声は抑えた音量ながら力強く語りかけます。

 歌詞の内容も一層深みを増していくのです。

 1文目のpiss me off は怒りを覚えている時に使われます。

 最後のyou see はわかる?など相手に念を押す際の言葉です。

 似たような言葉で you knowという言葉があるのをご存じでしょうか。

 You seeの場合は、相手が共有する事実を全く知らない時に使います。

 逆にyou knowにはもちろん知っているよね?という同意のニュアンスが含まれているのです。

 和訳の内容はこのようになります。

すごく疲れているの、あまり怒らせないで
だけど関係ないわ、私たちは心が広いの。わかる?

出典: 歌舞伎/作詞:椎名林檎 作曲:椎名林檎

強くなる欲望

嫌いな人は誰なのか

Would you like some more or not?
Have you got someone to hate?

出典: 歌舞伎/作詞:椎名林檎 作曲:椎名林檎

歌い出しは冒頭と同じWould you likeから始まりますが内容が変わっています。

1番ではfun or not だった部分が more or notに変化しているのです。

この場合moreは1番のfunにかかっていると考えるのが自然な流れです。

2行目のhave you gotは~がある、いるなどの意味です。

普通に考えると誰か嫌いな人はいるか?

というような意味にとれると思います。

しかし、someoneには誰か分からない時だけではなく特定の人物を想定して使うことがあるのです。

そう考えると、下記のような形になります。

(あなたが)嫌いなあの人がいるの?

出典: 歌舞伎/作詞:椎名林檎 作曲:椎名林檎

知りたかった秘密の正体

Do you want to know our secrets?
Oops,sorry we don't have any.

出典: 歌舞伎/作詞:椎名林檎 作曲:椎名林檎

ここでまた私たちの秘密を知りたいの?という意味の文章に戻ります。

しかし曲の前半でDo you wantに対する返答はdon’t remember つまり、覚えていないとの表現でした。

今回はwe don’t have anyとなっており、何も持っていないという事になります。

秘密を知りたいの?という問いに対してのアンサーの変化は何を表しているのでしょうか。

Oopsはご存じの通り驚きを表すときに使用されますが、簡単な謝罪の気持ちが込められています。

Oops sorryは一般的な表現で“おっと、ごめん”や“あら失礼”という意味合いです。

そうすると下記のような訳になります。