いきものがかりの本で知る3人の素顔
水野氏の音楽製作に対する想いはこちらの本の中でも掲載されているようです。
これはいきものがかりの3人がどんな風に音楽と向き合い、どんなことを考え、音楽を作り届けてきたのか。
これまであまり語られることのなかった内容が盛りだくさんのドキュメント本です。
これを読むと、さらに3人の魅力に触れることができますよ。
楽曲製作後にタイトルが変わっていた!
実はこの「NEW WORLD MUSIC」には秘密エピソードがあるのをご存知ですか?
2011年7月13日放送のめざましテレビのインタビュー水野氏本人が答えています。
この楽曲のタイトル、初めは「アイジャナイト ユウジャナイト」だったそうなのです!
歌詞そのままのタイトルだったのです。
しかし、この楽曲を作った後に「東日本大震災」が起こったため急遽タイトルを変更したといいます。
「NEW WORLD」という言葉には口から発する以上の深い意味があると思ったそうですよ。
「NEW WORLD」新しい世界。
東日本大震災直後の喪失感や悲しみ、それを越えて立ち上がろうとする人々の強い想い。
そして、全世界が震災した地域・人々の新しい世界のために何ができるかと考えさせられた2011年。
実はもう一つこの震災にまつわるストーリーがあります。
それは「NEW WORLD MUSIC」のもう一つのA面シングルである「笑っていたんだ」について。
「笑っていたんだい」は「NEW WORLD MUSIC」の製作が終わった後に作られたのですが、開始直後に震災が発生しました。
そのため、作った曲に迷いが生まれたそうです。
曲を作るうえでの葛藤があった
水野氏は、極力いつも通りに制作を進めていたといいます。
しかしはやり連日目にする被災地の状況に、目を背けることはできませんよね。
心が動揺するのだって当然です。
私たちでさえ、あの当時はいろいろな感情が渦巻いていました。
そんな中、いろいろな葛藤があったと思います。
水野氏も当時を振り返りこのように語っています。
2曲目「NEW WORLD MUSIC」完成後に制作が始まったが、直後に東日本大震災が発生したことで曲の方向性に迷いが生じることになり、水野も「なるべく普通に書くことに徹しようと思いながらも(心境が)かなり揺れ動きながら書いた」と述べている。その後何度も話し合いを重ねた結果「普通に真っ直ぐなポップソングを作ることに向き合う」という結論に至り曲を完成させた。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/笑ってたいんだ/NEW_WORLD_MUSIC
作り手の葛藤や想いがあるからこそ、私たちに届く楽曲になるのかもしれませんね。
言葉選びや曲のテンポなど、魅せ方や伝え方を変えるだけで曲の表情は変わっていきます。
しかし一番はやはり“想い”なのかもしれません♪
歌詞を心に響かせるためのコツとは
そうはいっても、プロは当然「戦略」も使います。
それが、既述している「漫画のようなセリフ」なのです!
水野氏のいう「漫画のようなセリフ」を使う理由を考察してみます。
まず考えられるのは、「誰にでも伝わりやすい」ということ。
小難しい回りくどい言い方の歌詞も世の中には沢山あってそれが果たして心に響くかといったら疑問です。
ストレートに、時にはこっぱずかしくて絶対言わないようなセリフ。
そんなセリフを敢えて使うことで、男性には「なるほど、女心はそういうものか」と納得させる。
そして女性には「そうそう!そうなんだよね!」と共感させることができるのでしょう。
そして、“表現としてはそういうことなんだよね”でも“言葉にしては絶対言えない”
そんな相反する心理が男女ともに心に響くものとして捉えられているような気がします。
編曲は初コラボとなる蔦谷好位置
そんな意思や想いが伝わるこの「NEW WORLD MUSIC」ですが、編曲は初コラボレーションとなる蔦谷好位置(つたや こういち)が手掛けています。
そのため、これまでのいきものがかりの楽曲とは、少し雰囲気の違った新鮮な仕上がりになっていると思います。
例えばヴォーカル吉岡の声が機械っぽくアレンジしてあったり。
こういったアレンジはこれまでのいきものがかりの曲ではありませんでした。
違和感なく聴き入ってしまいますが、注意して聞いてみるとわかります。
他にも”いきものがかりっぽさ”がいい意味でなくなっているような気がしますね。