音楽は世界共通の快楽
あたしが愛を語るのなら その眼には如何、映像る?
詞は有り余るばかり 無垢の音が流れてく あなたが愛に塗れるまで その色は幻だ
ひとりぼっち、音に呑まれれば 全世界共通の快楽さ
出典: アンノウン・マザーグース/作詞:wowaka 作曲:wowaka
愛は受け取る側によって、さまざまな見え方をします。好意としてだけでなく、憎しみや欲望のように映ることもあるでしょう。
ここでは、「あたし」が「愛」を語ることが他の人にはどのように受け取られるのかと問いかけています。
インターネットをはじめ、世の中には言葉が溢れています。しかし、受け取る側が愛を理解できなければ、その「色は幻」のままで気づかれることはないでしょう。
幻を抱えながら行き場をなくしたとしても、「ひとりぼっち」で音楽に没頭することは限りなく自由が感じられる「全世界共通」の楽しみですよね。
手放すことができない哀しみ
世界があたしを拒んでも 今、愛の唄 歌わせてくれないかな
もう一回 誰も知らないその想い この声に預けてみてもいいかな
あなたには僕が見えるか? あなたには僕が見えるか? ガラクタばかり 投げつけられてきたその背中
それでも好きと言えたなら それでも好きを願えたら ああ、あたしの全部に その意味はあると――
出典: アンノウン・マザーグース/作詞:wowaka 作曲:wowaka
VOCALOIDの曲として作られたことを考えると、この部分の歌詞は曲を作るアーティストと歌い手のやりとりに感じます。
世界から必要とされなくても「愛の唄」を歌いたいと願う歌い手。ガラクタを投げつけられて誰からも見向きもされなかったアーティスト。
たとえどんなに拒まれたとしても、それを「好き」と感じられたら存在する意味はありますよね。
痛みなどあまりにも慣れてしまった 何千回と巡らせ続けた
喜怒と哀楽 失えない喜びが この世界にあるならば
手放すことすら出来ない哀しみさえ あたしは この心の中つまはじきにしてしまうのか?
それは、いやだ!
出典: アンノウン・マザーグース/作詞:wowaka 作曲:wowaka
何かを創作する行為は、誰も頼ることのできない不安や孤独を感じるものです。そのような痛みは常にあり、活動を続けていくことで少しずつそれに慣れていきます。
喜怒哀楽を「失えない喜び」とは、感情の先にあるもっと透明な想いの否定のことでしょう。
その想いはこの曲の中では「愛」としていて、その「愛」のない世界があるのかと疑問を投げかけています。
「手放すことすら出来ない哀しみ」は、どれだけ嫌われたり無意味だと言われたりしても唄を歌い続けていくことではないでしょうか。
それは、純粋な音楽への愛と言えるでしょう。つまり、愛を心から弾き出すことを拒んでいるのです。
誰も知らないマザーグース
ねえ、あいをさけぶのなら あたしはここにいるよ
ことばがありあまれどなお、 このゆめはつづいてく
あたしがあいをかたるのなら そのすべてはこのうただ
だれもしらないこのものがたり またくちずさんでしまったみたいだ
出典: アンノウン・マザーグース/作詞:wowaka 作曲:wowaka
ここは歌い手の言葉だと思います。愛を叫ぶことを望むなら、「あたし」が歌うという意味でしょう。
どれだけの音楽や言葉が溢れていても、手放せない愛がある限り夢は続いていきます。
マザーグースはアメリカやイギリスを中心に親しまれている伝承童謡の総称です。
その数は1000とも2000とも言われています。内容は物語・なぞなぞ・子守唄などさまざまです。中には、誰も知らないマザーグースもあるでしょう。
『アンノウン・マザーグース』とは、純粋な愛が込められた誰も知らない物語なのだと思います。
まとめ
今回は、wowakaのボカロ曲『アンノウン・マザーグース』について紹介しました。ボカロ曲ならではの深い世界観を持った歌詞がとても興味深い作品です。
ヒトリエの楽曲としてのセルフカバーバージョンは、初音ミクとはまた違った生の声の魅力が感じられますよね。
この記事を読んでヒトリエに興味を持った方は、公式サイトで最新情報をチェックしましょう。
ヒトリエ OFFICIAL WEBSITE
無料で音楽聴き放題サービスに入会しよう!
今なら話題の音楽聴き放題サービスが無料で体験可能、ぜひ入会してみてね