はじまりの歌詞から感じ取れるのは、どこか冷めたムードです。
抽象的な文章を並べてから「生まれてくる意味とかもそんなに大したもんじゃない」と締めくくることで、そこまでの歌詞に重たい意味を持たせることに成功しています。
生きることを過小評価しているようにも感じられるので、歌詞を読むとこの歌の視点がわかりやすくなるでしょう。
何百回繰り返した後でもう一回始まっていく
泣いてるの? 笑ってるの?ってもうたくさんだよ
ほっといて悪い芽が生えてもそんな目で見ないで
嘘ついちゃってごめんなさい、なんて言うつもりもないんだから
出典: https://twitter.com/USGandTBCl_Bot/status/930792658993168384
この辺りから少しずつ、歌詞から攻撃性が見て取れるようになります。
そして注目なのが、「泣いてるの?笑ってるの?」と問いかける自分以外の存在です。
歌っている視点の人物が、コミュニケーションの場に置かれていることが想像できます。
いったい何から問いかけられているのか。それをイメージさせてからサビに進んでいくところに、テクニックを感じますね。
僕らは声が枯れるまで
存在し続けるんだよ太陽に背を向けながら
あなたの声が痛いほど突き刺さるから
どうにも思い通りに進まない
少し黙ってよ
出典: https://twitter.com/USGandTBCl_Bot/status/673483982978203648
サビになると、より自分以外の存在が強くなっていきます。
「カウンターアイデンティティ」は、「僕ら」と「あなた」の会話で成立していることが分かるでしょう。
「少し黙ってよ」といえることから、こちら側が上のように思えます。しかし「あなたの声が痛いほど突き刺さる」あたり、向こうの方が強い印象を持つでしょう。
そういった不確かな関係性がこの楽曲の主題であり、音源化する前のタイトルである「神に背く」につながっていくように思えます。
すべてを語らないよさ
「カウンターアイデンティティ」の歌詞は、書き出すべき内容をすべて書いてはいないと思われます。
それは手抜きや怠慢ではなく、書かないことでその裏にあるものを書き出すというワザなのでしょう。
そのため「カウンターアイデンティティ」を聴いて想像する情景やイメージは、おそらく人によって異なります。
それがこの歌のいいところであり、UNISON SQUARE GARDENの実力だといえるでしょう。
「カウンターアイデンティティ」のコード情報
「カウンターアイデンティティ」のコード譜は、こちらのスコアブックで確認できます。
他にも「センチメンタルピリオド」や「マスターボリューム」といった初期の名曲が多いので、自分で演奏するのならぜひ押さえておきたいアイテムですね。
ダークなUNISON SQUARE GARDENもいい!
「カウンターアイデンティティ」は、UNISON SQUARE GARDENの中でも少々ダークな楽曲です。
しかしただ暗いのではなく、どこか気持ちのいいダークさがあります。
それこそこの楽曲が持つ、1番の特徴であるといえるでしょう。
UNISON SQUARE GARDENを聴く際には、ぜひ「カウンターアイデンティティ」のような暗めの視点にも注目してみてくださいね。
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