夢に見たのは「人間」になること

僕もいつの日にかホントの 人間になれるんじゃないかなんて
そんな夢を見ていました 夢を見てました

ほどよくテキトーに生きながら ほどよくまじめに働きながら
全然大丈夫なフリしながら たまに涙流しながら

出典: 棒人間/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎

いくら「自分は人間ではない」と思い、実際に人間と違う部分も多く抱える身であっても、彼は人間になることを諦めきれずにいます。

彼が望んだのはきっと、体の仕組みから人間になるような変化ではありません。

人に囲まれ、人と関わって愛し合って生きていく、そんな「人間らしい生き方」なのでしょう。

取り繕って、表面ではそれなりにうまくやりながら、心の中ではそれでも不安や苦しみを抱え続けていました。

RADWIMPS「棒人間」が綾野剛主演ドラマの主題歌に!歌詞の感想は?の画像

諦めがつかない苦しみ

手に入れた幸せは忘れるわ 自分のことばかり棚にあげるわ
怒らせ、苛つかせ、悲しませ 僕は一体誰ですか?

どうせこんなことになるのなら はじめから僕の姿形を
人間とは遙かほど遠いものに してくれりゃよかったのに

出典: 棒人間/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎

人間らしくなれない自分に悩む主人公。「どうせ人間になれないのなら…」と、やけくそに運命を罵るような様子さえ見せます。

誰かのために生きてみたいな 生まれた意味を遺してみたいな
この期に及んでまだ人間みたいなことをぬかしているのです

人間として初歩中の初歩を 何一つとしてできないままに
よくもまぁそんな気になれたもんだ 怒るのもごもっともです

出典: 棒人間/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎

それでもまだ人間になりたい気持ちを諦めきれない。その根底にあるのは「自分が生きた意味がほしい」というとても人間らしい望みでした。

そんな夢を持ちながらも、まだ基本的なことですらうまくできない自分に悩んでいます。

RADWIMPS「棒人間」が綾野剛主演ドラマの主題歌に!歌詞の感想は?の画像

それでも許しを求めて生きていく

僕も人間でいいんですか? ねぇ誰か答えてよ
見よう見まねで生きてる 僕を許してくれますか

僕は人間じゃないんです ほんとにごめんなさい
そっくりにできてるもんで バッタもんのわりにですが
何度も諦めたつもりでも 人間でありたいのです

出典: 棒人間/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎

歌詞の最後に歌われるのは、諦めではなく希望です。

表面的には人間をそれらしくなぞっているだけ。いくら人間に似ていても、自分に人間とは違う部分があることは事実として避けられない。

それでも人間でありたい。人間として生きた意味がほしい。そんな希望が切なく綴られています。

そこには、模索と失敗をくり返しながらも人間の一員として生きる道を探し続けたドラマの主人公が重なって映ります。

まとめ

RADWIMPS「棒人間」が綾野剛主演ドラマの主題歌に!歌詞の感想は?の画像

「棒人間」は、人ではないものを主人公に据えて、生きるための居場所を欲するこれ以上なく人間らしい心情を歌う曲です。

その切実な声が、曲の全編を通して聴く人の心に響き続けます。

是非この曲をかみ締めながら、切ないドラマの物語にも思いを馳せてみてください。

無料で音楽聴き放題サービスに入会しよう!

今なら話題の音楽聴き放題サービスが無料で体験可能、ぜひ入会してみてね