螺旋階段を一周しただけ

BUMP OF CHICKEN【ディアマン】歌詞を徹底解説!怖がりな少年はどんどん強くなっていき…?の画像

懐かしむ事はない 少年はずっと育ってない
昔話でもない 他人事でもない でもしょうがない
何にだってなれない 何を着ようと中身自分自身
読み馴れたシナリオの その作者と同じ人

出典: ディアマン/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央

少年は強くなろうとしました。

懸命に自分だけの世界に没入してきたのです。

しかし螺旋階段を一周回って登ってみたけれど、距離は大して動いていないことに気付きます。

ああ、自分は未熟なままでいるのか

そんなことに目を見張ります。

しかしこれが少年の人生のありのままなのです。

彼が強くしてきたものはアイデンティティ

それは幼さの固着状態であったのかもしれません。

とはいえ馬鹿にはできないものです。

少年の生涯は少年自身が懸命に背負ってゆくしかないのですから。

「ディアマン」という楽曲は実は残酷であり過酷な側面を持っています

しかし人生というものの主人公とは、その人自身なのだよという単純なことを再確認させるのです。

自分というものは自分以外のものにはなれない不器用な存在でした。

クライマックスに向けて藤原基央のヒートは高まります。

「ディアマン」という寓話

BUMP OF CHICKENとリスナーが共有した歴史

BUMP OF CHICKEN【ディアマン】歌詞を徹底解説!怖がりな少年はどんどん強くなっていき…?の画像

アンプは絶叫した 懸命に少年に応えた
シンガーは歌った イヤホンから少年へと
どこにだって行ける 僕らはここにいたままで
心は消えないから あの雲のように何度でも

何も知らないんだ 多分 全然足りないんだ まだ
その声とこの耳だけ この声とその耳だけ

出典: ディアマン/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央

これが「ディアマン」のクライマックスです。

出力5Wのギター・アンプの音は相変わらず歪んでいます。

少年が弾き殴るエレキ・ギターの躍動を部屋いっぱいに振動させるのです。

まだ発見されていないギター・ヒーローが、この世界のどこかでアンプを響かせています。

ボーカリストはイヤホン越しに少年に語りかけるのです。

ありのままの僕らのことを忘れないでと伝えます。

壮絶な孤独は一方で自由であることの証にもなるのだよと歌うのです。

人間存在の成長物語

BUMP OF CHICKENの「ディアマン」は等身大の私たちへ大事な言葉を紡ぎます

私たちはひとりひとりでは到らない存在です。

それでも音楽に覚醒めた頃に私たちをシェイクした声を思い出したい

その声はこんな感じの声ではなかったかなと藤原基央の歌声が問います。

「ディアマン」という楽曲BUMP OF CHICKENとリスナーを結ぶ一筋の寓話なのです

藤原基央の声がリスナーの耳に届けられます。

その最初の地点に立ち返るように音楽を届ける側の声と、受け取る側の耳そのものの肉感に問いかける。

イヤホンを振動させて私たちはかつて結ばれていた。

主人公の正体は私たちひとりひとりのリスナーの寓話的な表現だったのです。

BUMP OF CHICKEN、藤原基央が描いた少年の成長物語

かつて出逢った日から僕たちはこうやってきたよ。

そのやり方をいまさら崩す必要はないだろう。

まだまだこれからともに成長していこう。

藤原基央が万感の想いをこの曲で表現しきっています。

アーティストとともに成長できることは私たちにとってもとても幸福なことです。

「ディアマン」の歌詞をご紹介できて嬉しい限りであります。

ここまで読んでいただいてありがとうございました。

OTOKAKEとBUMP OF CHICKEN

東日本大震災の直後に

BUMP OF CHICKEN【ディアマン】歌詞を徹底解説!怖がりな少年はどんどん強くなっていき…?の画像

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中でも「ディアマン」と同様に弾き語りの楽曲をご紹介。

東日本大震災の直後に届けられた「Smile」の歌詞を徹底解説しました

渾身の想いで書いた記事です。

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