さユり「フラレガイガール」
野田洋次郎プロデュース
2016年12月にさユりさんの4thシングル「フラレガイガール」がリリースされました。
この楽曲をプロデュースしたのはRADWIMPSの野田洋次郎さんです。さユりさんが初めて楽曲提供を受けた曲になります。
RADWIMPSは2015年に海外ツアーを行い、2016年にはそのドキュメンタリー映画を発売、更に映画「君の名は。」の劇中音楽を担当し、紅白歌合戦にも出場。
地上波に登場することを避けていたRADWIMPSが音楽番組に出演する機会が増え、Aimerさんへの提供楽曲「蝶々結び」でも多くの話題を集めました。
そんな中、更にもう一仕事、さユりさんへの楽曲提供が行われました。
初めてこの情報が入ってきた時、「野田さん、お願いだから倒れないで。」と心から思いましたね。
音楽の仕事を沢山出来るのは嬉しいことだと思いますが、身体は資本ですからね。
歌い手がいなかった「フラレガイガール」
すぐにこの曲について調べたところ、曲はかなり前から出来ていましたが、歌い手がいないため長い間寝かされていたようです。
たまたまレコーディングスタジオが隣になったさユりさんのCDを聴いた時に、「この人だ」と感じたそうです。
公式サイトに野田洋次郎さんのこの曲に対するコメントが寄せられていました。これもオシャレなんですよねぇ〜。
「フラレガイガール」ってどんな子?
「フラレガイガール」を一言で表すと、”こっぴどくフラれた女の子の歌”でしょう。
フラレガイガールという女の子は、頑固で強がりで自分勝手でイタくて子供な、そんな女の子です。
さユりさんはそんな女の子なの?と聞かれたなら、答えはNOでしょう。ライブMCやインタビューから、全く違う女性であることが想像できます。
ですが、彼女が持っている唯一無二の声は、フラレガイガールのようなまっすぐさ、弱さ、幼さを兼ね備えています。
野田洋次郎さんが頭の中で描いていたフラレガイガールの像を、さユりさんが完璧に再現したのです。
歌詞解説
強がってみせる女の子
愛を拾い上げた手の温もりが 今もまだ残るのです
これさえあればとお互い口にして 全てを分かり合った
それだけで
もう生きていけると
思ったのです
出典: フラレガイガール/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎
2人が育んできた愛。「これさえあれば」とお互い口にするような関係なので、1人で生きていけない2人が支えあって、頼りながら生きてきたのでしょう。
”〜これだけでもう生きていける”までだと、ただの惚気たラブソングです。
ですが、過去形になっています。それらは全て思い出に変わってしまいました。
瞳を飛び出し頬を伝う彼ら 顎の先で大渋滞
まぁこの先涙を使うことなど もうないし まぁいっか
全部ここで
流れきって
しまえ
出典: フラレガイガール/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎
”瞳を飛び出し頬を伝う彼ら”とは、涙のことです。
遠回しな言い方で、妙に客観視した歌詞なのがこの曲の面白いポイントでもあります。
涙は感極まった時に流れるものです。まぁいっか、なんて思いながら流すものではありません。
フラレガイガールが強がっているのを感じます。ちょっと変わった子ですよね。
まずいまずいまずい強烈にまずい あなたが買った歯磨き粉も
9割5分も残して一体どこへいったの? ねぇどこにいったの
出典: フラレガイガール/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎
彼に頼んで買ってきたもらった歯磨き粉。2人にしか分からない話です。
最近まで仲良くしていたのでしょう。歯磨き粉が強烈にまずいと笑っていたはずです。
ここで出てくる”まずい”は、良くないという心情を表した”まずい”と、歯磨き粉の味に対する”まずい”の2つの意味があります。
さユりさんはレコーディングが終わってから、”不味い歯磨き粉が印象的”と書かれたSNSを見て、ダブルミーニングだったことに気付いたそうです。
何とも可愛らしいエピソードですね。
あたしをフってんじゃなよバカ フっていいわけがないでしょ
たまに倦怠期予防のサプライズも忘れないでと
たしかに言ってはいたけれど フっていいわけがないでしょう
あなたの分際でなにをバカなこと 言いだしてさ
もういいから そろそろ種明かししにきてよ
出典: フラレガイガール/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎