レミオロメン「茜空」
2007年リリース
「茜空」は、2007年3月14日にリリースされたレミオロメンの9枚目のシングルです。
メロウな楽曲に、温かくそばに寄り添うような歌詞が印象的で、ヴォーカル・ギターを務める藤巻亮太の独特な力強い声が絶妙にマッチしています。
またオリコン週間チャートでは3位を記録し、2007年度の年間チャートでは97位にランクインするなど、レミオロメンの人気の高さが表れた1枚になりました。
そして、CDのタイプは通常盤と初回生産限定盤の2タイプでリリースされました。
この初回生産限定盤には、特典DVDが付属しており、「茜空」のPVが収録されています。
さらに儚げな女性が写し出された印象的なジャケット写真も話題になりました。
この女性は、寺口実里という大阪出身のモデルであり、楽曲の季節感や淡い世界感を絶妙に表現しています。
アルバム「風のクロマ」収録
また「茜空」は2008年10月29日にリリースされた4枚目のアルバムである「風のクロマ」の12曲目に収録されました。
収録されたシングル曲としては「茜空」の他にも、「蛍/RUN」や「Wonderful & Beautiful」、「もっと遠くへ/オーケストラ」が収録され、多くのタイアップ曲が詰まったアルバムになっています。
「クロマ」には
英語で「彩度」「鮮やかさの度合い」「色の濃度」「色度」の意味
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A2%A8%E3%81%AE%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%9E
「風の」には
空気圧のグラデーションを表す
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A2%A8%E3%81%AE%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%9E
意味合いを持たせた造語になっています。
前アルバムの「HORIZON」から「風のクロマ」のリリースの間に過ごしてきた約2年半のレミオロメンの変化をこの言葉で表現し、アルバムにも散りばめた内容になっています。
またジャケットの印象的な油絵は秋山幸が手がけており、ここでも色彩を感じることができます。
CDのタイプは通常盤と初回生産限定盤との2タイプでのリリースとなりました。
初回生産限定盤には特典DVDが付属し、「翼」のPVとそのメイキング映像が収録されています。
さらに、オリコン週間チャートでは3位を記録し、変化を続けてきたレミオロメンとしてのバンドの意義がセールス面でも表れた1枚になりました。
PV
また「茜空」はPVも制作されています。
夜の都会が色んな角度から表現され、途中で度々、部屋に寝そべって歌う藤巻亮太が登場してきます。
そして、さらにモデルの理衣が出演しており、切なさや寂しさが、悲しげに儚く描かれた映像に仕上がっています。
「茜空」の歌詞を解説
それでは、そんな「茜空」の歌詞を見ていきましょう。
夕べの月の 一昨日の残りの 春の匂いで目が覚める
私の好きなスニーカーで通う道に咲いた桜並木
耳の先では四月の虫の唄が 心を奮わすように奏でるから
茜空に舞う花びらの中 夢だけを信じて駆け抜けろ
瞳には未来が輝いている そう春だから
出典: https://twitter.com/hkbr9/status/649559734601707520
まずは導入部分です。
文学的な表現からスタートしていく歌詞になっています。
夕べの月に残った一昨日の春の匂いからは、季節がすでに一昨日から春に変わっていたことが分かります。
それで目が覚めるということは、季節を意識せずにここまで駆け抜けてきたのではないでしょうか。
それほど夢中になる何かがあったのだと考えられます。
季節が変わったことに気付かされ、何気なく普段歩いている道も様相を変えていきます。
「春」は新学期に入ったり、入学や就職があったり、節目の時期であり、スタートの季節です。
その季節独特の匂いや音に背中を押され、ここから未来に向かって新しいスタートを切っていこうという決意が感じ取れる歌詞になっています。
寒さの残る 窓際のベッドの 胸の辺りがざわついた
私が想う自分が虚ろって別の誰か見ているようで
心の声を必死で探していたら うっすら窓の外は白んでいった
茜空 痩せた月夜さえも
朝へと染め上げるから
今日の日を迷わず生きていたい
もう来ないから
出典: https://twitter.com/yuuuuuriiin/status/876932908069433344