2017年で結成30周年を迎えたスピッツ

【スピッツ/桃】この曲ができた背景とは…?ファンが勧める隠れた名曲の切なすぎる歌詞の意味を徹底解釈!の画像

あの藤井六段もスピッツのファン!

1987年に結成され、2017年に結成30周年を迎えたスピッツ

デビュー以来メンバーは一度も変わらず、安定した活動を続け、世代を問わず絶大な人気を誇っています。

先日、羽生竜王に勝利し、最年少で六段に昇格したと話題の棋士、藤井聡太六段もスピッツを好きだと語っています。

藤井六段は15歳。スピッツの歴史の半分という若さですが、そんな若い世代にも愛されるスピッツの音楽は、現在でも全く古さを感じさせないといってもいいでしょう。

高い評価を受けているヴォーカルの草野マサムネによる歌詞も、今時の若者の心にも響く、そんな瑞々しさを持っています。

親子2代、もしかしたら3代で愛される、そんなアーティストの代表といえるのではないでしょうか。

2004年リリースの曲「スターゲイザー」がドラマの主題歌に!

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そんなスピッツですが、新年あけてからまたニュースが。

2004年にリリースされ、当時オリコン週間チャート1位を記録したヒット曲「スターゲイザー」が、ドラマ『しろときいろ~ハワイと私のパンケーキ物語』の主題歌に起用されました。

このドラマは、2018年2月28日(水)から、Amazonプライム・ビデオで配信される連続ドラマ

主演は川口春奈、その他にも横浜流星や織田梨沙、中村アン、時任三郎など、豪華俳優が出演しています。

今回起用される「スターゲイザー」は、2003年から2004年にかけて、かつて放送されていたフジテレビ系の恋愛バラエティ番組『あいのり』の主題歌としても使用されていました。

草野マサムネは、『あいのり』から依頼されてこの曲を制作。番組を改めて視聴してから歌詞を描いたということです。

その時のテーマは”告白の返事を待つ間の一晩”だったとか。

当時草野マサムネは37歳。いつまでも青春の頃を忘れない、そういう心を持っているからこそ今の10代にも響く歌詞が書けるのでしょう。

リリースから15年近く経って、今なおドラマの主題歌に起用される。いつまでたってスピッツの曲は新鮮さを失わず、多くの人に愛されていることを改めて実感してしまいますね。

ちなみにこの「スターゲイザー」は、2017年にスバルの”フォレスター”のCMソングとしても起用されています。

アルバム曲でありながら高い人気を誇る「桃」

アルバム『さざなみCD』に収録

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今回ご紹介する「桃」は、スピッツ結成20周年にあたる2007年に発売された、スピッツの12枚目のアルバム『さざなみCD』に収録されています。

前作のアルバム『スーベニア』から、2年9ヶ月振りとなりました。オリコン週間アルバムチャートは1位を記録。

2曲目に収録された「桃」は、シングルカットされていないアルバム曲にもかかわらず、ファンに高い人気を誇ります。

イントロのアルペジオから、ファンにはたまらない、ズギュンとくるスピッツサウンド全開。

アルペジオ一つで、こんなにそのバンドらしさを感じさせる曲もそうないのでは、と思ってしまいます。

サウンドはもちろんそうですが、歌詞からもキラキラして、瑞々しいスピッツの魅力を思いっきり味わうことができる曲です。

「桃」が作られた背景には……?

まさにスピッツの魅力全開のこの「桃」。

この曲は、サウンド的に収録アルバム『さざなみCD』の”柱”となる曲とスピッツは語っています。

といっても最初からそうだったわけではなく、全体像がなかなか見えない中、草野マサムネ曰く”わりとパキッとした音”で、出来上がった時に結果としてそうなっていた、という状態だったようです。

特に作る側としては”柱”とか意識せずに作っていった結果、サウンドとしては「桃」がそういう位置に来た、という背景があるようです。

ファンからは、このアルバムのキラーチューン、重要曲だという声が多いようです。

「桃」の歌詞の世界

切ない歌詞に注目!

ではここからは、「桃」の歌詞を見ていきましょう。

切れた電球を今 取り替えれば明るく
桃の唇 初めて色になる
つかまえたその手を 離すことはない
永遠という戯言に溺れて

何も無かったよ 巡り合えた理由など
やっと始まる 窓辺から飛び立つ
ありがちなドラマを なぞっていただけ
あの日々にはもう二度と戻れない
他人が見ればきっと 笑いとばすような
よれよれの幸せを追いかけて

出典: 桃/作詞:草野正宗 作曲:草野正宗

恋というものは、ある瞬間、突然訪れるもの。

まるで電球を取り換えた時にパッと明るくなるように、そんな風に心にやって来ます。

それまでそこに確かにあったはずのものが、急に見違えるように鮮やかに見える。

それまでそばにいた、彼女に対する想いが、そんな風に恋だと、そして彼女が大切な存在だということが実感できたのでしょう。

今まで、テレビドラマみたいな恋や出会いを求めて、まるで真似事のような恋愛をしてきたのかもしれません。

でもそれは、所詮うわべのことだったのです。

なんとなく流されて、そんな風にしていただけ。

本当に大切なものはもう持っていた。それに気が付かずに、今まで見過ごしてきたのでしょうか。

奇跡とか、偶然とか、そんなドラマティックな言葉は不似合いなくらい、自然に巡り合って、そばにいた。

やっと気付いたからには、もうその手を離すことはありません。

二人でいれば、それだけで幸せだということ。

何も華やかなことはなくても、二人で、毎日の暮らしを守っていく。つないだ手を離さないで永遠に生きてゆく。

他の誰かから見たら、くだらないくらいのささやかな幸せかもしれないけれど、それを大切に守っていくのです。

その手は離さない