拭った風頬を殴り涙を誘う
癖になって今夜も逃げられないわ
出典: Love Addict/作詞:中島美嘉 作曲:大沢伸一
愛とはときに非情なものです。
いくら信じて求めても裏切られることもあるでしょう。
思いが叶わなくて涙を流すことも少なくありません。
それでも抜け出せないのは愛に依存しているから?
愛情に飢えていると一時の甘い優しさだと知っていても、追い求めずにはいられなくなるのです。
恋愛とは溺れれば溺れるほど、深みにはまってしまうもの。
刺激的な感覚は中毒性を帯び、どんどん理性を麻痺させていきます。
そこに愛がある限り
毛を舐める猫のように擦り寄って
塞がった心を後押ししてる
飛び散った月追越しきめるのさ!
偉大な愛の力がここに与えられた
出典: Love Addict/作詞:中島美嘉 作曲:大沢伸一
愛で傷ついた心を癒すのは、新たな愛です。
一度打ちのめされて塞がってしまった心も、別の優しさに触れることで徐々に回復していきます。
その愛が猫のように気まぐれで一時のものだったとしても彼女にとっては問題ではありません。
また新しい愛を手にできれば、いままでよりも強大な力を感じられるのです。
彼女はそうしていろんな男性との恋愛を繰り返していきながら、一層深みにはまっていきます。
過去の出来事は新しい愛の力で乗り越えていく。
満ち足りない思いを埋める快感は錯覚すら引き起こしているようにも感じます。
無限にも思えるループの中で彼女の愛への追及は熱を帯びていくのです。
私だけの愛の型(かたち)
切りの亡いこんな 愛などに 振り回されているわ 残酷に…
愛の型(かたち)ならば否定出来ない 私の証だわ!
出典: Love Addict/作詞:中島美嘉 作曲:大沢伸一
彼女は今日も愛を探し求めます。
いくら愛にすがり続けても終わりがないことは自分でも理解しているはずです。
「愛なんて...」と吐き捨てても愛を信じる限り、そうせずにはいられません。
愛に振り回されることは彼女を構成する重要な要素のひとつになっているのです。
ときには残酷な結果を招いたとしても、もはや愛なくして彼女は存在できないのでしょう。
愛の型(かたち)は定まっていないもの。
相手が変われば当然のように姿を変え、自分の心の在り方によっても自在に変化していきます。
いくつもの恋愛を経験したところで、答えなど見つからないのでしょう。
恋愛においての正解など、どこにも存在していないからです。
どんなに振り回されて傷ついたとしても、自分が必要としているうちは追い求めることしかできません。
それが自分にとっての愛の型(かたち)であるのならなおさらです。
誰にも止めることなどできません。
同じことを繰り返して愚かな女に見えるかもしれない。
それでも彼女は自分の信じる愛の型(かたち)を貫いていくことを決めたのです。
自分が自分らしくあるためにも。
もっと研ぎ澄まして
切り落とせ踊れない願望!
踏み躙れ必要ないプライド!
信じて宿る愛は美しい
巻き起こせ限りない快感!
取り上げろ迷わない抵抗!
愛に狂う女は美しい
出典: Love Addict/作詞:中島美嘉 作曲:大沢伸一
彼女は自分だけの愛の型(かたち)を求めて、愛に翻弄される道を選びました。
それ以外選択肢はないのでしょう。
まるで強い口調で自分を律して叱咤しているようにも感じます。
自分の愛を全うするためにはもっと研ぎ澄まさなければならない。
そう彼女は感じたのではないでしょうか。
それがいままで自分が必要としてきた要素であっても、愛を邪魔する原因になるものはすべて排除してしまう。
偏った行動に思えても、愛を心から欲する彼女には必要なことなのかもしれません。
狂おしいほどの感情に支配されながらも信じる愛を求めるために突き動かされているようです。
そもそも愛とは清らかで綺麗なだけの存在ではないでしょう。
そこにはいくつもの欲望が渦巻き、ときには嫉妬に支配されることもあります。
人と人が愛し合うのは本能でもあります。
傷つけあってお互いを求めあう。
一度愛を知ってしまえば、再びそれを手に入れようと必死になるものです。
翻弄されながらも彼女は見つけたのでしょう。
愛することの喜びと愛されることの快感。
そして自分がそこで美しくいられることを。
最後に
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【CRESCENT MOON】は中島美嘉の2ndシングル。三日月をテーマに描かれた歌詞の意味を解釈していきます。物語の主人公の気持ちも月明かりが照らし出してくれるようです。