恋は終わりがあるから美しいのでしょうか
恋に落ちてゆく二人 愛を重ねる二人
別れてゆく その日を 知っていたように
あんなに急いで 二人
出典: https://twitter.com/__030793/status/739530294596751360
人生で振り返ると誰しも1度くらいは忘れられない恋をするのかもしれません。
その恋が成就するにしろ、しないにしろ。
ただ、その恋が実るのか結婚という新しいステージにいくのか、悲しくも終わってしまうのかは、本当に人生の最期の時が来なければわからないかもしれませんね。
しかし年老いて、自分の日々を振り返ることが多くなると、通り過ぎる楽しそうな恋人に在りし日の自分の恋を重ねることも増えるのでしょうか。
“今”楽しそうな2人は、将来自分たちがどうなるかは知りません。
けれども、それを眺める年配者には恋人たちの楽しそうな姿さえ“瞬間を楽しんで生き急いで”いるように見えているのかも。
たそがれに吹く 風がほゝをなでれば
Uh 君を想う
想えばあれが 二人言葉かわした
Uh 最後の時
夏が過ぎても 同じ時の中を
二人 まだ 歩いてる
恋に落ちてゆく二人 愛を重ねる二人
別れてゆく その日を 知っていたように
あんなに急いで 二人
出典: https://twitter.com/miyabippd/status/902462287990071300
2人で重ねる日々はきっと美しく、2人で過ごす季節はいつもより美しく見えたはずです。
しかし、今はとなりに“あの日の君”はもういないのでしょう。
この楽曲の主人公は、過ぎゆく風に君の存在を感じることしかできないでいます。
あの日あの時を一緒に過ごした君はここにはおらず、閉じたまぶたに浮かぶのはすでに過去に生きる君でしかないのです。
こゝで君を見つけて こゝであの日に
Uh 別れてゆく
いつかどこかで もう一度会えるはず
Uh その時まで
生まれて来てから いちばん大切なひと
今なら 素直に言える
出典: https://twitter.com/b0f697087b214ba/status/611165880710332416
自分の人生において“生まれて来てから いちばん大切なひと”と心からいえる人に出逢えることは、そう多くはないでしょう。
残念ながらすでに別々の道を行っていたとしても、お互い本当に大切に想い合っているなら、いつかどこかでまた縁ができるかもしれません。
今は恋人でなくても、人生の中でそこまで想える人に出逢えたら、それだけでも実はとってもありがたいことといえるでしょうね。
小田和正の描く恋は純愛が多い?
離れゝば また切なくて 夜の海で求めて
もう こんなに 誰れのことも 愛せはしない
夏はゆく 時はゆく 見えなくなる
出典: https://twitter.com/ho_gakukashi/status/932359475087818752
どれも美しい言葉や旋律の楽曲ですが、中には“冷静に読み解くとかなり冷たい男性だな”なんて思える歌詞もあったりします。
それでも、曲に描かれる男性や女性がどの人も凛としていて“ダメ人間”ではないんですよね。
これはきっと、小田和正の描く人々には根底に温かさと賢明さが流れているからだと思います。
そしてきっと、彼はきっと大変誠実でロマンチストなんだろうな…と歌詞を追っていると筆者はよく感じます。
だからこそ、彼の描く恋愛は別れの曲でも恋愛中のハッピーな曲でも“気持ちにまっすぐ”なんでしょうね。
恋愛に対して誠実であるというのは、その気持ちが“純愛”ということではないでしょうか。
上記でご紹介している歌詞も、純愛・誠実という言葉が見え隠れしているように思います。
恋に落ちてゆく二人 愛を重ねる二人
別れてゆく その日を 知っていたように
あんなに急いで 二人
出典: https://twitter.com/Kazahashi_O/status/817726868392554498
きっと いつかどこかで もう一度会えるはず
このまゝ二人 離れてゆくはずないから
あの時の二人 忘れない
あの時の二人 忘れない
出典: https://twitter.com/Ebs1209/status/221957797468839937
想い合う2人は、きっとまたどこかで巡り会うはず…別れを選んだ2人が1度は考えてしまうことかもしれません。
それが本当にそうなるかどうかは、それこそ“縁”によるものでしょう。
きっとこの曲の主人公も、2人がこのまま離れるとは思えないといいつつ、もしかしたらもう2度と逢えないかも、とも思っているのです。
だから敢えて思うのではないでしょうか。“あの時の2人を忘れない”と。
恋に落ちてゆく二人 愛を重ねる二人
出典: https://twitter.com/yumeningen/status/747037704211169280
最後にこの歌詞をつけていることに、あなたはどんな感覚を得ますか?
私は、この歌詞に“今日もどこかで恋に落ちる2人がいる”という永続的に続く人の営みを感じます。
出逢いがあって別れがあって……そしていつかどこかで再び出逢う2人がいて。
小田和正の楽曲には、そんな“巡る世界観・繋がりあう世界観”があるように思います。
おわりに
70歳を越えても音楽業界の第一線で活躍し、新しいファンを獲得している小田和正。
どこまでも作品にストイックな彼の心意気は全ての作品の完成度を上げ、そしてその作品は世代を問わず多くの人を魅了しています。
どうか体を大切にしつつ、これからも素晴らしい楽曲を創作し続けていってほしいですね!