デビュー20周年を迎えたくるり
自由に音楽と遊ぶバンド
1998年にシングル「東京」でメジャーデビューを果たします。
今年でデビュー20周年を迎えるベテランバンドです。
ベテランながら、その音楽性は一貫して自由そのもの。
オーソドックスなロックンロールやポップスでヒット曲もたくさんあります。
かと思えば、オーケストラと一緒にクラシックに傾倒した曲を作ったりもしています。
関西のバンドらしくブルースを基調にした曲も多いです。
最近では日本をはじめ世界中の民謡などを引用した無国籍感あふれる作品も作っています。
つまり、くるりの音楽というのは一言で語ることのできない、多様な面を持っているのですね。
くるりのレコーディングやライブには様々なサポートミュージシャンが参加します。
そのミュージシャンたちと一緒に自由に音楽と戯れているバンド、それがくるりなのです。
現在のメンバーは?
岸田繁(ボーカル・ギター)
佐藤征史(ベース・コーラス・ボーカル)
ファンファン(トランペット・コーラス・ボーカル・キーボード)
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%8F%E3%82%8B%E3%82%8A
岸田繁は結成以来のオリジナルメンバーで、ほぼすべての曲の作詞作曲に関わっている中心人物。
大の鉄道ファンとして知られており、「タモリ倶楽部」等のテレビ番組でも鉄道企画に出演しています。
くるりの曲にも鉄道をテーマにした曲がいくつかあります。
広島カープファンとしても知られていますね。
佐藤征史も結成以来のメンバーで、くるり主宰のレーベル、「NOISE McCARTNEY RECORDS」の社長も務めています。
ファンファンは2011年にくるりに加入しました。
2015年春から2017年夏まで産休のためにライブ活動を休止していましたが、現在は復帰しています。
「Liberty&Garavity」
「変」な曲?どんな曲?
「Liberty&Gravity」はライブで初めて演奏する際に、岸田繁が「変な曲やります」と言ったことで、ファンの間でも「変な新曲」として話題になりました。
2014年12月にシングル「There is (always light)/Liberty&Gravity」としてシングルカットされています。
「Liberty&Gravity」は一体何が変なのでしょうか?
イントロでは、不思議な音が聞こえていきます。
これはインドの楽器でシタールというものです。MVでも岸田が弾いているものです。
ギターに似ていますが、非常にエスニックで、インド音楽の音がします。
そしてファンファンのトランペットが鳴り響き、どこかあか抜けないリズムが駆け抜けて行きます。
途中では「アソーレ!ヨイショ!」なんて掛け声も入ってきたりして、どこの国の音楽なのか全くわかりません。
くるりの無国籍感を詰め込んだような一曲になっているのです。
曲の展開もいわゆるAメロ・Bメロ・サビ(コーラス)のようなわかりやすいものではありません。
一言でいえば「変態」。くるりの変態性を代表する曲と言っていいかもしれません。
不思議な歌詞をご紹介!
博士のやること成すこと全てが失態
任せなさい この僕のこと皆は待ってる
とりあえず 僕らはここで失礼します
やること成すこと全てを水に流しても
誰かのために働く 土曜日の風が吹いてる
力を出して働く はみ出しそうでも働く
出典: Liberty&Gravity/作詞:岸田繁 作曲:岸田繁
ここだけ読んでも何のことを歌っているのか正直よくわからないと思います。
ただ、「働く」という言葉が何度も出てきます。
土曜日にも働くということは、結構ブラックな仕事のような気もします。働く人間がテーマの曲ということかもしれません。
ヨイショッ! アソーレ!
ガッテンダ!
どうしたんだよ なんだこれは
カネのなる木だ
エイサッ ホイサッ
諦めかけてた この道の途中で
Feel Like POM POM POM POM...
最初のリバティ
POM POM POM POM...
覚えたグラビティ
出典: Liberty&Gravity/作詞:岸田繁 作曲:岸田繁
ここで「ヨイショ!」「ガッテンダ!」などの掛け声が出てきます。
働く人、掛け声、とくるとこれはいわゆる労働歌のように見えます。
日本の民謡には特定の仕事について歌った労働歌が多く残っています。農業や漁業、炭鉱で働く仕事など、様々なものがあります。
休みもままならない仕事で働く人が掛け声で自分を鼓舞しているのでしょうか。
そしてPOM POM POMという調子のいいリズムの中で曲のタイトルが出てきます。
「リバティ」と「グラビティ」です。これはどういう意味なのでしょうね。
「リバティ」とは「自由」という意味です。そして「グラビティ」は「重力」という意味です。
自由に対して重力というのは、そこから逃れられない足かせや制約という意味に取れないでしょうか。
つまりこの曲は、理想を持ち自由を求めて社会に出た主人公が、仕事に追われて働いていくうちに身動きが取れなくなってしまったという内容とも考えられます。
最初に出てきた「博士」というのは、世の中を知らずに頭でっかちな理想を追い求めていたかつての主人公なのかも知れません。
最初のリバティ
それは あなたと過ごした
その暮らしで 覚えたグラビティ
泣かないで
どうかどこかで 元気でいてね
出典: Liberty&Gravity/作詞:岸田繁 作曲:岸田繁