『虹』について
2005年6月発売のシングル
2000年に結成されたロックバンド「フジファブリック」。バンドの中心人物であった志村正彦は、2009年に急逝してしまいます。
志村正彦の歌声や歌詞の世界観は独特で、そのような特別な存在を失ったことにファンは大きなショックを受けました。
その悲しみを乗り越えて、フジファブリックは現在も3ピースバンドとして活動を続けています。
『虹』は2005年6月に発売されたシングルですので、志村正彦が歌っていた時代の曲です。
疾走感のあるロックチューンで、晴れ渡る空に背中を押されて新たな一歩を踏み出すような軽快な歌詞がたまりません。
『虹』は初期の名曲です。この曲を耳にすると、もっと彼の作った歌が聴きたかったと思うでしょう。
アルバム『FAB FOX』収録
『虹』は2005年9月に発売されたアルバム『FAB FOX』にも収録されています。ボックスセットの『FAB BOX』とは異なるので注意してください。
初のセルフ・プロデュース作品となったこのアルバムには、『虹』の他にも素晴らしい曲が多く収めらています。
シングルとしてリリースされた『銀河』『茜色の夕日』や、志村正彦がこのアルバムで一番好きな曲だと語っている『Birthday』も必聴です。
PVをチェック
『虹』のPVはフジファブリックがクールに演奏する姿と、まばゆい光が印象的な映像です。
PVで志村正彦が弾いているギターは、いわゆるビザールギター。父親の所有するギターで、志村正彦がはじめてアンプで音を出したギターなのだとか。
ビザールギターとは、「珍奇なギター」というニュアンスで使われる言葉です。作りや音が悪いものが多いのですが、それが「味」と好む方もいるから面白いですよね。
軽快な歌詞を紹介
次に、『虹』の軽快でロックな歌詞について紹介します。
雨が上がり虹が空で曲がってる
週末 雨上がって 虹が空で曲がってる
グライダー乗って 飛んでみたいと考えている
調子に乗ってなんか 口笛を吹いたりしている
出典: 虹/作詞:志村正彦 作曲:志村正彦
雨が上がって晴れて、「虹が空で曲がっている」風景はとてもユニークです。太陽が輝いていて、虹がさまざまな方向に伸びているような状況でしょうか。
そんな空を「グライダー乗って飛んでみたい」と考えています。とても気持ちの良い空だと感じていることがよくわかりますよね。
週末 雨上がって 街が生まれ変わってく
紫外線 波になって 街に降り注いでいる
不安になった僕は君の事を考えている
出典: 虹/作詞:志村正彦 作曲:志村正彦
雨が上がって、見慣れた街がいつもと違って見える時はないでしょうか?
そのような気持ちを雨に洗い流されて「街が生まれ変わってく」ようだと表現しています。
雲がない空から太陽の光がさんさんと輝いているのでしょう。
その様子を見て「紫外線」が街に降り注いでいると感じたため、「君」のことを考えて不安になっています。
女性は日焼けを気にする方が多いですよね。「君」もそのような女性なのだと思います。