Mr.Childrenの25枚目シングル『掌』
Mr.Childrenのナンバーとして特徴的なのは、社会背景や思想などを歌ったものが多いこと。
時には攻めの姿勢で攻撃的なものを歌ったり、まるで哲学的な要素を持った楽曲も存在します。
そんなさまざまなテイストが特徴のMr.Childrenのナンバーでも、『掌』は日常にあふれる価値の違いを表現した哲学的な面持ちの一曲。
「戦争」のメタファーもあり、重いテーマを匂わせます。
『掌』は2003年11月リリースのナンバーで、前作『HERO』から約一年ぶりのシングルとなりました。
というのも2002年にボーカル桜井和寿の小脳梗塞の疑いがあり検査のため活動を自粛、その分シングルリリースも延期されています。
シングル『掌』はファンも待ち望んだリリースということもあり、2週連続オリコンチャートで1位をマークしたほどのヒット作となりました。
ポップで切ないサウンド
シングル『掌』のサウンドは、イントロから軽やかなテンポでスタート。
エレキギターと共に、ヒップホップテイストの弾けるサウンドが特徴です。
そこにマイナーコードを中心とした、メロディラインでどこか切ないナンバーに仕上げています。
シングル『掌』ジャケットデザインの意味
シングル『掌』で最初に目に留まるのが、ジャケットデザインです。
モノクロで統一したデザインには、どんな意味が含まれているのか。
そして『掌』の、シンプルなタイトルの意味も気になるところですよね。
そこでまずはタイトルのネーミングから何を表現しているのか考え、そこからジャケットデザインに隠れた謎を解いてみましょう。
まずはタイトルのネーミングの意味を考える
『掌』というタイトルは、読んで字のごとく人間の「手のひら」を指します。
あえて漢字一文字で表現しシンプルにしているのは、カップリングでありシングルナンバーとして同時収録された『くるみ』と似ている点です。
「掌」と言うと、皆さんは何を連想しますか?
単純に物を持ったり運んだり字を書いたりなど、「自分を構成する」体の一部でもありますよね。
反面人を探ったり銃を持ったりできる、いわゆる「対象を破壊できる」部位でもあります。
作詞と作曲を担当したボーカルの桜井和寿自身、「力の入れ具合で、いかようにも使い道が変わる掌」といった意味を込めて楽曲を制作。
つまりMr.Childrenがタイトルとして選んだ『掌』は、一つの物事は人によっていろんな使い方(捉え方)ができると表現しているのではないかと推測できます。
タイトルから考えるジャケットデザインの意味
では「掌」の意味から考えてジャケットデザインには、どんな本質が潜んでいるのでしょうか。
シングルのジャケットを一見すると手のひらがアップされており、その中にはたくさんの花があふれています。
この手は老人のようで、たくさんのコスモスを持っています。
老人の手と言うのは「年を重ね、しわくちゃ」と言ったイメージですが、「経験を積んだ証」という見方もできます。
その手に持つコスモスの花言葉は、「愛情」や「調和」「変わらぬ想い」と言った意味。
しかし全体をモノクロにすることで、「全く違う見方ができる」と言うメッセージが込められているのではないでしょうか。
この見解からも、タイトルを一目で表現しているのがわかります。
矛盾な言葉がたくさん!?『掌』の歌詞をチェック
1番フレーズ
掌に刻まれた歪な曲線
何らかの意味を持って生まれてきた証
僕らなら 求め合う寂しい動物
肩を寄せるようにして 愛を歌っている
出典: http://lyrics.wikia.com/wiki/Mr.Children:%E6%8E%8C