サビの来ないまま2番に入りました。
うつむいて泣いている姿、しかも、そうなっているのは男性の方という情景が描かれています。
ということは、喧嘩の後、女性の方から別れを切り出して離れていくことになったのでしょうか。
そして、どんなにつらいことがあっても、いつでもそばにいてくれたあなたは特別な存在だったと別れの瞬間に過去を振り返っている内容になっています。
些細に掛け違えた赤色 あの日の廊下の白色
出典: 恋をしたのは/作詞:AIKO 作曲:AIKO
印象的な色が描写されています。ここに描かれた「赤」と「白」のそれぞれは何を意味しているのでしょうか。
まずは「赤」ですが、赤といえば「情熱」や「炎」を象徴する色です。さらに「些細に掛け違えた」という言葉から考えられるのは2人のすれ違いです。
つまりお互い燃え上がった恋の炎や相手への情熱がいつまでも続くわけではなく、時間が経つにつれて、その炎は小さくなってしまったり、情熱の向かう方向がすれ違ってしまったのではないかと想像できます。
そして、「白」です。白は「純粋」や「清潔」を象徴しているのではないでしょうか。そして、そこに繋がる「あの日の廊下」という過去を振り返る言葉から、付き合い始めた場所、もしくは出会いの場所が廊下だったのではないかと想像できます。
別れに際して、まだ色のないピュアだったお互いにとってのスタート地点を振り返っているのではないかと考えられます。
初めても最後も今も舞う花びらに刻み送るよ
Darling
落ちる雨に映る二人 世界は誰も知らない
出典: 恋をしたのは/作詞:AIKO 作曲:AIKO
出会って別れて、2人には思い出もたくさんありますが、それは2人の中の世界の出来事で他の人はそこにどんなドラマがあったのかは分かりません。もちろん2人も自分たち以外の世界を知る由もありません。
それだけ2人だけの世界がカップルにとって特別で大切なものであることを表現しているのではないでしょうか。
そして、舞う花びらに刻んで送るのは果たして何でしょうか。
それは付き合うことで感じたたくさんの感情だったり、相手への想いや気持ちだと考えられます。そのたくさんの感情や気持ちの中でも、特に心に刻まれてしまうもの、それを次の歌詞で歌い上げます。
恋をしたのはいつからか泣いたのは何度目か
数えると夜が明けるわ 困るな...
出典: 恋をしたのは/作詞:AIKO 作曲:AIKO
いよいよ「恋をしたのは」に続く言葉の答え合わせの歌詞が出てきました。
好きな人が出来て、恋をして、付き合うというのは、人と人同士のことなので、時にはぶつかってしまったり、楽しいことだけでなく悲しいこともつらいことももちろんあります。
それは恋をしてしまったからで、恋をしなければ泣くことも傷つくこともなかったかもしれません。
いつからそんな恋の渦にはまってしまったのか、何回傷ついたのだろうか、それを数えてしまうところがとてもエグい歌詞になっています。
しかも、数えてたら夜が明けてしまうほど多いのです。そんなに多ければ困るのも当たり前です。
こんな風に夜が明けるほどではないにしても、思い出して困ってしまうようなつらい思い出は誰にでもあるのではないでしょうか。
伝えたかった事は今も昔もずっと同じままだよ
Darling
迷わぬよう歩いていけるたったひとつの道標
出典: 恋をしたのは/作詞:AIKO 作曲:AIKO
「恋をした」というスタートの感情は忘れることなく心の中に残しておきたいものです。その始まりの感情がなければ、2人の関係はスタートすることがないのです。
最初から最後まで“恋をした”っていう気持ちがあるからこそ、思い続けることができるんです。恋をした時の“あっ!”っていう気持ちを抱き続けているから、愛も育ち続けるというか……。
出典: http://www.oricon.co.jp/special/49395/
あたしにとってその感情はとても大切なもので、そばにいても、たとえ離れてしまったとしても、また次へ進んでいく足掛かりとして持ち続けたいという願いで締めくくられています。
ミュージックビデオ
まとめ
aikoの世界観
いかがでしたか?
実はこの曲、歌詞として表記されていない歌詞があります。それは冒頭の「恋をしたのは」です。
投げ掛けるように歌い始めるその歌詞にまず心を掴まれます。
その掴まれた心は続いていく歌詞によってaikoの世界観にどんどん引き込まれていくのです。そして、終盤で万を辞して再び出てくる「恋をしたのは」。これに続く言葉は「いつからか泣いたのは何度目か」でした。