涙の理由を知ってるか
俺には分からないが
濡れた頬の 温かさは
恐らく お前がくれたんだ
出典: ダンデライオン/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央
自分を見ても逃げずにいてくれた「ヤツ」の存在。
その出会いは、恐ろしい猛獣としての印象が強いライオンに涙を流させるほどの衝撃的な出来事でした。
流れた涙の温かさを感じるライオンですが、その心の中には一緒にいてくれる存在を見つけたことから来る温かさもあったのでしょう。
強がりの優しさ
雨の日もライオン吊り橋を揺らす
金色の琥珀を銜えて
今日の土産はいつも無口な
お前によく似た色の小石
響く雷鳴落ちる吊り橋
痛みに目を覚ませば
空は遠く狭くなった
お前を泣かすものか
この元気な声が 聴こえるか
この通り 全然平気だぞ
濡れた頬の 冷たさなど
生涯 お前は 知らなくていい
出典: ダンデライオン/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央
それからライオンは、初めての友だちである「ヤツ」のもとへと通うようになります。
たとえ雨の日でも吊り橋を渡っていきます。その日は、「ヤツ」によく似ている琥珀を見つけて、それをお土産として届けてやろうと吊り橋を揺らしていました。
そこで起こる衝撃的な出来事。吊り橋が落ちて空が遠く狭くなったということは、橋がかけられていた谷の底にライオンが落ちてしまったことを意味していますね。
谷底で怪我を負って、また一人ぼっちになってしまったライオン。その頬には痛みや寂しさからくる冷たい涙が流れ落ちます。
しかし、その孤独を打ち消すように、谷の向こうにいる「ヤツ」にも届くようにとライオンは大声で吠えます。その強さは、大切な存在ができたことで得られたものでしょう。
最期は寂しくない
止まない雨に 血は流れていく
もし生まれ変わるなら
お前の様な 姿になれれば
愛して貰えるかなぁ
もう元気な声は 出ないけど
不思議と寂しくない
濡れた頬の 冷たさなど
恐らく お前が 奪ったんだ
出典: ダンデライオン/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央
流れる血の描写や「もう元気な声は 出ないけど」といった表現から、ライオンはもう助からないと分かります。
谷底でたった一人で死を待つ。そんな状況でも、もうライオンには寂しさはありませんでした。
それも全て、心の支えとなって一緒にいてくれた「ヤツ」の存在があってこそでしょう。
華やかで綺麗な「ヤツ」のような姿になりたいとライオンは願います。
「ヤツ」の正体は
涙の理由を知ってるか
俺には分からないが
この心の温かさが
そのまま 答えで良さそうだ
季節は巡り 春が訪れ
谷底まで 金色の化粧
一面に咲く タンポポの花
ライオンによく似た姿だった
出典: ダンデライオン/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央
最後には温かさに包まれて眠ったライオン。
それからしばらくして、ライオンがいた谷底には一面にタンポポの花が咲きます。
そのタンポポこそが、ライオンが友だちだと思っていた「ヤツ」の正体だとここで初めて明かされます。
タンポポが逃げないのは、ライオンを見ても分からないしそもそも動くことができないから。出会った最初に頷いたように揺れたのも偶然でしょう。
それでも、その存在がライオンの救いになったことは確かです。そして、ライオンの願いは叶い、彼は「ヤツ」のような姿になることができました。
タイトル、歌詞の物語が合わさって、考えさせられる世界観が作り上げられていますね。
まとめ
ファンから根強い人気を誇るBUMP OF CHICKENの楽曲「ダンデライオン」。
その歌詞では、BUMPの特徴のひとつとも言えるストーリー性のある物語が展開されます。
まるで絵本を読んでいるような、風景を想像させられる言葉選びが印象的です。
そんなこの名曲を、是非聴いてみてください。
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