エンドレスに疑うより 最後まで
あの嘘みたいなI love you
聴いていたいよ ずっとずっと
出典: 嘘みたいなI Love You/作詞:Utada Hikaru 作曲:Utada Hikaru
主人公が君の言葉を信じるのは、「I love you」と言われたときの感動が忘れられないから。
一度疑い始めれば、すべてが嘘のように思えてしまう。
それならいっそ、信じたい言葉だけ信じることにしよう。
主人公も本当は、君が言った「I love you」は嘘なのではないかと心のどこかで疑っているはずです。
けれど、君に「I love you」と言ってもらえたこと。そのことに価値がある。
あんなにも真実にこだわっていたはずの主人公が、君の言葉だけは盲目的に信じます。
これからもずっと君の「I love you」を聴いていたい。
それは主人公にとって言葉の真偽を明らかにするよりも大切なことでした。
君の側にいたいだけ
誰かを信じるというのは存外難しいことです。
信じたい。だけど疑うことを止められない。
そうして大切なものを失ったとき、人は「あのとき信じていれば」と後悔するのでしょう。
信じるとは嘘を受け入れることなのかもしれませんね。
君に伝えたいことがある
言葉に全部は託せなくても
声に出せば少しは必ず伝わるはず
出典: 嘘みたいなI Love You/作詞:Utada Hikaru 作曲:Utada Hikaru
主人公が君に伝えたい想い。それをすべて言葉にするのは難しいようです。
だけど声に出せば伝わることもある。
「少しは必ず」この歌詞からは、主人公の必死さが伝わってきます。
想いが全部伝わらなくてもいい。
少しでいいから必ず君に届けたい。
主人公がそこまでして届けたい想いとはいったい何だったのか?
それについては後ほど解説します。
真実を恐れないで
間もなく解き明かされる真実
一緒に確かめよう
目が覚めても悲しくない世界が
二人を待ってる
出典: 嘘みたいなI Love You/作詞:Utada Hikaru 作曲:Utada Hikaru
真実とは時に残酷なもの。
主人公は嘘のない世界を夢見ながら、本当のことを知るのが怖いという気持ちも持っていたようです。
しかし、目を背けていても真実はいつか必ず明かされます。
明らかになる真実。それを「一緒に確かめよう」と主人公は君に言います。
2人でなら「悲しくない世界」を信じることができる。
君と生きていくのは夢の中じゃない。
だから恐れずに目を開けて。
夢の中で君を待っていた主人公がようやく現実の世界を生き始めました。
君に追いつけないままラストスパート
線路沿い走り出す影に振り返る
あの日言えなかったI love you
追いつけないよ ラストスパート
出典: 嘘みたいなI Love You/作詞:Utada Hikaru 作曲:Utada Hikaru
まず注目したいのが最初の「線路沿い~」からの歌詞。
夕暮れ時、電車の影が道の上を走り去っていく様子をとても美しく表現しています。
歌詞にある風景が目に見えるように浮かんできますね。
足元を走り抜けていく影。それを追いかけるように主人公が振り返ります。
しかし、振り返ったときにはもう電車の影は消えていました。
物凄いスピードで行ってしまった電車の影に主人公は君の姿を重ねます。
あの日自分も「I love you」と君に返していれば、何かが変わったのだろうか?
後悔してももう遅い。
結局主人公は、君に追いつくことができないままラストスパートを迎えます。
「I love you」と伝えたかった
ほんの少し疑う時 どうするの
もう嘘つきでもI love you
側にいたいよ ずっとずっと
出典: 嘘みたいなI Love You/作詞:Utada Hikaru 作曲:Utada Hikaru
君が去ったいま、相変わらず「I love you」の真偽は分からないままです。
主人公は君の言葉を盲目的に信じていましたが、心のどこかでは常に不信感を抱えていたのでしょう。
だから君に「I love you」と言うことができなかったのかもしれません。
そうして君は主人公の前から姿を消しました。
君の嘘さえも信じることができていたら、いまでも君の側にいられただろうか。
本当は君が嘘つきでも構わなかった。
君と一緒に生きていきたい。
主人公がずっと君に伝えたかったこと。
それは「I love you」のたった一言でした。