他人の時間を生きることの怖さ

QUEEN【Hammer To Fall】歌詞を和訳&意味解釈!ハンマーは何を伝える?叫ぶ理由とはの画像

It comes to you as to us all
We're just waiting for the hammer to fall

出典: Hammer To Fall/作詞:Brian May 作曲:Brian May

”俺らと全く同じように、君にとっても危険なんだぜ

僕らはただハンマーが振り下ろされるのを待っているだけだ”

ここで他人の時間を生きることの怖さが伝わります。

ハンマーとはここでは制裁という意味でしょうか。

すなわち核の脅威を受けるということです。

他人の時間を生きている人は、そのハンマーが振り下ろされるのを待っているのです。

口では核の脅威を語りながらも、どこか他人事なわけです。

それは違う、僕らも君も、みんなおんなじくらい危険なんだと。

自分だけ助かるだろうという楽観を「恒常性バイアス」といいますね。

洪水警報が鳴ったりしていても、「自分の周りは大丈夫」と思ってしまう傾向のことです。

しかし、現実に目を向けて動き出せといているわけです。

君は核爆弾を待っているくらい愚かなのかい?と皮肉を込めて。

死という脅威

西側諸国とは?

Oh, every night and every day
A little piece of you is falling away
But lift your face the Western Way
Build your muscles as your body decays.

出典: Hammer To Fall/作詞:Brian May 作曲:Brian May

”毎日、毎晩重ねるたびに

お前のかけらが剥がれ落ちていっている

顔を上げて西側諸国のやり方ってもんを見てみろよ

壊れていく体を鎧にして戦うってやり方さ”

とても秀逸な表現ですね。

「お前のかけらが剥がれ落ちる」という比喩。

とても「死」を感じさせる言葉になっています。

戦士として戦っているのか、それとも国内に残っているのか。

いづれにせよ冷たい戦争により疲弊しています。

ここで、少し政治用語が入ってきます。

西側諸国とはすなわち冷戦下における資本主義陣営ですね。

南北アメリカ・西欧側などで、社会主義諸国と対立していた側の陣営です。

平等を取るべきか、競争を取るべきか。

世界の動きを決める大きな戦いだったのです。

そんな西側のやり方、すなわち資本主義のやり方はどうか。

傷ついた体に鞭打って、筋肉で武装して戦いに挑むというやり方。

これは冷戦下だけでなく、その後の資本主義にもいえることだと思います。

 もし、ここであなたが「それはおかしい」と思ったならば、動かなければいけないのです。

今を楽しもう?

Tow the line and play their game
Let the anaesthetic cover it all
'Til one day they call your name
You know it's time for the hammer to fall.

出典: Hammer To Fall/作詞:Brian May 作曲:Brian May

”綱引きゲームに参加しろよ

麻酔で全部隠しちまえばいい

自分の名前が呼ばれる、その日まで

ハンマーが振り下ろされる時だ”

これは、一見すると楽しく今を生きようという楽観した見方もできるかも知れません。

しかし、本当に伝えたかったことはこれと反対のことだと思われます。

現実から目を背けて、遊び呆ける。

死が訪れるとき、核爆弾の制裁を受けるときまで。

その時まで、目を背けていよう。

こういう風になってしまっていないか?といっているのではないでしょうか。

戦いに意味はあるのか?

人は無力だ

Rich or poor or famous for
Your truth it's all the same
(Oh, no! Oh, no!)
Lock your door but rain is pouring
Through your window pane
(Oh, no!)
Baby, now your struggle's all in vain.

出典: Hammer To Fall/作詞:Brian May 作曲:Brian May

”金持ちになろうが貧乏になろうが、有名になろうが

どの道みんな同じなのさ

(違う!違う!)

ドアを閉めても窓枠から雨は降り注いでくる

(いやだ!)

ベイビー、何をしたって無駄に終わるのさ”

とても厭世主義的な歌詞ですね。

ここではありきたりな「真実」という言葉を使わずに訳してみました。

真実、本質はみんな同じ。

金持ちか貧乏か、有名か無名かなんて取るに足らない違いだと。

みんな同じように死んでいきます。

僕ら一人一人にできることなんて、本当に微々たるもの。

何をしたって無駄だ、というフレーズも印象的ですね。

それでも叫びたい!

For he who grew up tall and proud
In the shadow of the Mushroom Cloud
Convinced our voices can't be heard
We just wanna scream it
louder and louder and louder

出典: Hammer To Fall/作詞:Brian May 作曲:Brian May