過ぎゆく時代に変わらないこととは?

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「years」の最後に登場した「君」と繰り返された「変わらないこと」

この2つの謎を紐解くにはアルバム『DocumentaLy』のラスト3曲を続けて聴く必要があります。

  • 『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』
  • years
  • ドキュメント

暗喩を多用しがちな山口一郎さんの歌詞に登場する「君」はこれまで思い人のことではなかったという大前提も。

ロックなのにラブソングじゃない。それがサカナクションでした。

そんなサカナクション初のラブソングが「『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』」だったのです。

初のラブソング

バッハの旋律を
ひとり聴いたせいです こんな心
バッハの旋律を
ひとり聴いたせいです こんな心

忘れかけてたのになぜ
忘れられないのはなぜ
歩き始めた二人
笑ってる君の顔を思い出したよ

出典: 『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』/作詞:山口一郎 作曲:山口一郎

ラブソングですので「忘れかけてた君」「笑ってる君」は素直に思い人のことを意味します。

さらに「『バッハ~』」と「years」は2曲で1曲。つまり「years」に登場する「君」も思い人のことになります。

あるいは「愛」そのものというダブルミーニングもあるでしょう。

誰もが不安に打ちひしがれたあの時代に圧倒的なエンタメ性を兼ね備えた芸術を届けるという「愛」も。

これが「山口一郎さんがやってくれた」と私が感じたことの答えです。

ラブソングなんて歌わない。「愛」なんて忘れた。というスタンスだったのに時代のせいで思い出してしまった

そして「years」の「許してくれるかい?」につながるわけですね。

時代のせいで思い出してしまった「君」すなわち「愛」を歌っても許してくれるかい?

つまり「years」の「変わらないこと」とは「愛」

時代が変わっても続く災害。

救援物資にはなりませんが、「years」があなたの心に届きますように。

照れ隠し

今までの僕の話は全部嘘さ
この先も全部ウソさ
何か言って何か聴いて
僕は生きてる
このままでいいのかな?

出典: ドキュメント/作詞:山口一郎 作曲:山口一郎

いやはや小っ恥ずかしいな。という照れ隠しが「ドキュメント」です。

出だしがこれ。「だから冗談だって」とうそぶく声が聞こえてきそう。照れまくっておられます。

ずっと前の君の思い出は
どこか昔の自分を見るようで

この世界は僕のもの
どこからか話してる声がするよ
すぐに何かに負けて涙流す
君と僕は似てるな

愛の歌
歌ってもいいかなって
思い始めてる
愛の歌
歌ってもいいかなって
思い始めてる

出典: ドキュメント/作詞:山口一郎 作曲:山口一郎

「この先もウソ」という牽制球は投げられていますが、ラストには「愛」という言葉が初登場します。

サカナクション山口一郎さんの歌詞史上初の出来事です。

このことからもわかるように「years」は「愛の歌」3部作を成立させる重要な楽曲だったわけですね。

最後に

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という私の解釈は嘘です。も嘘です。そんな話はまた別の機会に。

二番煎じも小っ恥ずかしいので「『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』」の記事でお口直しを。

2011年にリリースされた5枚目のシングルである「『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』」はクラシカルでありながらも、4つ打ちのリズムが押し出されたダンスチューンに仕上がっているサカナクションの楽曲です。ボーカル山口一郎と人形が織りなす不思議で衝撃的なダンスが披露されているビデオクリップが印象的なこの楽曲に迫ります。

サカナクションってアルバムで聴いたほうが良さそう……と思った人はこちらのランキング記事をご覧ください。

ボーカル・ギターを担当する山口一郎を中心に2005年に活動を開始し、2007年にメジャーデビューしたサカナクション。文学的な歌詞やフォーキーなメロディー、ロックからクラブミュージックまで独自のサウンドを追求していく彼らのアルバムランキングを動画と共に紹介します。

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