「新世界」は愛の贈りもの

BUMP OF CHICKEN【新世界】歌詞の意味を徹底解釈!貰った「意味」って何?君の存在を紐解くの画像

2019年7月10日発表、BUMP OF CHICKENの通算9作目のアルバムaurora arc」。

このアルバムにも収録されている「新世界」をご紹介しましょう。

アルバム「aurora arc」は近年のBUMP OF CHICKENの集大成のような側面があります。

「新世界」はロッテの創業記念アニメベイビーアイラブユーだぜ」の主題歌です。

このような既発表曲も豊富なアルバムになっています。

アニメのタイトル「ベイビーアイラブユーだぜ」は「新世界」の歌詞の一節から採用しました。

キャッチーで素晴らしい言葉でしょう。

この言葉に集約されるような幸福感や万能感でいっぱいのラブソングが「新世界」です。

難しい内容ではありません。

藤原基央は明るく気持ちよくいい歌を届けてくれました。

それでは実際の歌詞を解釈してゆきましょう。

メインテーマはここに

BUMP OF CHICKEN【新世界】歌詞の意味を徹底解釈!貰った「意味」って何?君の存在を紐解くの画像

君と会った時 僕の今日までが意味を貰ったよ

出典: 新世界/作詞:Motoo Fujiwara 作曲:Motoo Fujiwara

歌い出しの歌詞になります。

登場人物は語り手の僕と恋人である君です。

もう多く語る必要はないくらいに僕の幸せが表現されています。

この歌い出しに「新世界」のメインテーマがすべて詰まっているのです。

藤原基央は最初に結論を述べて、細かいドラマを見てゆくように歌詞を仕上げました。

ひねくれた見方かもしれませんが、君と会うまでは僕の人生に手応えがなかったということになります。

僕の人生は君と出会うことでようやく始まったのです。

初恋の衝撃というものを明るく歌ってくれます。

恋がとまらない

僕の特別な才能とは何か

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頭良くないけれど 天才なのかもしれないよ
世界がなんでこんなにも 美しいのか分かったから

出典: 新世界/作詞:Motoo Fujiwara 作曲:Motoo Fujiwara

僕は特に成績優秀な訳ではありません

自分の頭の出来というものについて限界を見極めているのです。

そんな僕なのにすごい才能があると歌います

矛盾した表現をして私たちを面食らわせるのです。

僕の才能というものは素晴らしい恋の相手を発見するということに特化したものであります。

初恋との出会いによって男子の目の前はまばゆく光るのです。

女子にしても初恋については変わらないでしょう。

僕は君を見つけ出した歓びをこのような言葉で表現しました。

コーナーを曲がれば幸せに

BUMP OF CHICKEN【新世界】歌詞の意味を徹底解釈!貰った「意味」って何?君の存在を紐解くの画像

例えば 曲がり角 その先に君がいたら
そう思うだけでもう プレゼント開ける前の気分

出典: 新世界/作詞:Motoo Fujiwara 作曲:Motoo Fujiwara

初恋というものは不思議です。

とにかく好きになった相手の動向に全神経を注ぐものですから角の向こうにいる気配に気付けます。

さらに角を曲がれば君に会えると思うと気持ちが高揚しまくるのです。

まるでサプライズで贈り物をいただいたときの気分に似ていると僕はいいます。

実際に初恋の相手は天からの贈りもののようなものです。

「Gift」というか恩寵というか、とにかくそれほど神聖で素晴らしいものですから大切にしてください。

ただ、もう初恋は終わったという人の方が多いでしょう。

おそらく長くは続かなくて破綻した人ばかりのはずです。

しかしそうなっても初恋のチャンスは人生で一度きりでしょう。

相手とめぐりあえたのはやはり天の采配だと信じようではありませんか。

君の過去は気にしない

BUMP OF CHICKEN【新世界】歌詞の意味を徹底解釈!貰った「意味」って何?君の存在を紐解くの画像

泣いていても怒っていても 一番近くにいたいよ
なんだよそんな汚れくらい 丸ごと抱きしめるよ
ベイビーアイラブユーだぜ ベイビーアイラブユーだ
ちゃんと今日も目が覚めたのは 君と笑うためなんだよ

出典: 新世界/作詞:Motoo Fujiwara 作曲:Motoo Fujiwara

アニメのタイトルはこのラインから採用されました。

ここに見られる軽妙洒脱の言葉を軽すぎると思わないでください。

藤原基央は初めての愛の大切さについてきちんと歌います。

また初恋はかように天にも昇る心地にさせられるものでしょう。

ならば実際に身体が軽くなって有頂天な心境になることこそ正しいのです。

さらにこの箇所に踏み込むと中々際どいラインがあります。

僕にとっては君こそが初恋かもしれません。

しかし君にはすでに恋の経験があることを過去の傷のようなものに喩えています。

君はそうした過去について少し恥じたりもするのでしょう。

ただ男女というものは同じようなスピードで成長する訳ではありません。

どういう因果なのか女子の方が男子よりも早く初恋に覚醒めるのです。

さらにいえば大人っぽい考え方は女子の方が早くに身に着けます。

ようやく君に遅れて初恋の相手を発見した僕はそうした事情を踏まえているのが立派です。

「新世界」が愉しい楽曲であるのは、ひとえに僕の性格のよさというものに由来します。

有り体にいえばいいやつの初恋しか私たちは興味を持てないでしょう。

僕は君のおかげで笑顔になれます。

その一方でその歓びを素直に相手に伝えて君までも笑顔にさせるのです。

僕はいいやつですからこの恋がいつまでも続くことを願わずにはいられないでしょう。