外国人の友達が祈ってくれました
「もう二度とあんな戦いを共にしないように」と

TVじゃ深刻そうに 右だの左だのって
だけど 君と見た靖国の桜はキレイでした

この国に生まれ 育ち 愛し 生きる
なのに どうして胸を張っちゃいけないのか?
この国で泣いて 笑い 怒り 喜ぶ
なのに 国旗はタンスの底にしまいましょう
平和な日本 チャチャチャ
美しい日本 チャチャチャ

出典: ガイコクジンノトモダチ/作詞:北川悠仁 作曲:北川悠仁

「二度とあんな戦いを共にしないように」と祈る友達が生まれた国は、おそらく過去に日本と戦ったことがある国なのでしょう。その戦いが無益なものであったと考えているのでしょう。

その外国人の友達と「僕」は靖国の桜――日本の英霊を祀る靖国神社の境内に咲く桜を見たのです。

桜はきれいです。

靖国神社の桜は、見る者の思想に関係なくきれいなのです

桜にウヨクもサヨクもありません。桜はただ桜としてそこに咲き、それを見る者も生まれた国や信条や思想に関わらず、桜をきれいだと思います。

靖国神社の存在・在り方について、人ごとに思うことや考えや思想はあるでしょう。その思うことや考えや思想は自由なもので、誰にも咎めたり別のものを強要する権利はありません。

同様に、自身の思うことや考えや思想をほかの誰かに強要する権利は、やはり誰にもありません。だけど、思うことや考えや思想に胸を張れない日本です。

真っ白い布の真ん中に赤い丸を染めただけのシンプルな、だからこそきれいな国旗も、掲げたり振ったりしただけでミギとかウヨクとかキケンシソウとか言われてしまう日本です。

70年以上も戦争をしていないとても平和な日本では、思うことや考えや思想の違いで争いや諍いが毎日のように起きています。

みなさんは、生まれた国のことを、どれだけ知っていますか?

みなさんは、生まれて育った国が、好きですか?

外国人の友達を通して「僕」が感じた戸惑い。それを介して日本の現在を歌い、聴き手にそれらを問いかけるのがこの歌詞です。

思想的なものを歌詞に織り込むことに否定的な人たちもいます。しかし、作詞家も歌手も表現者です。表現者が表現するものに思想が反映するのは当たり前のことです。

ゆずらしいポップなメロディに乗せて問いかけられたこれらを、この曲を聴いたときだけでも、考えてみませんか?

まとめ

【ガイコクジンノトモダチ】ゆず最新アルバム「BIG YELL」収録♪○○を歌った歌詞の意味を紐解く!の画像

フォーク界を復興させ、新しいジャンルを確立したゆずが問題提起した「ガイコクジンノトモダチ」は、耳馴染みのいいフォークソングです。

この歌詞が思想的・政治的な内容であると捉えるのならば、ゆずはほんとうにフォークソングを現代に蘇らせたのだと言えるでしょう。

しかし、頑なさやはげしさを感じさせず、やわらかく問うのがゆず流です。ゆずからの問いについて考えてみましょう。なんとなくでいいから、生まれ育った国のことをちょっと思ってみましょう。

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