初めて手が触れたこの部屋で 何でもないいつもの朝食を
喉を通らなかったこの部屋で パジャマのままでお味噌汁を

寝癖ひどいね 行ってらっしゃい 小さくさようならと手を振る
明日も君の笑顔を見られますようにと手を振る

出典: ストロー/作詞:AIKO 作曲:AIKO

「君」と一緒にいるこの部屋にはいくつもの思い出があるようです。「初めて手が触れた」ときも、2人でいることに緊張していたのか、食事が「喉を通らなかった」ときも、この部屋にいました。

その部屋で、いまは「何でもないいつもの朝食」のお味噌汁を、朝起きたままのパジャマ姿で食べています。

朝起きて食事をしたら仕事なり学校なりの「お勤め先」へ行かなければなりません。寝癖に気を遣ったりしながら主人公は「この部屋」から「君」を送り出します。

送り出しながら「明日も君の笑顔を見られますように」と考えています。ということは、「君」はこの日は「この部屋」に戻らないのでしょうか。それとも主人公が眠ってから戻るのでしょうか。

明日も会えるのか、会えるかどうか定かでないのか、明日の笑顔を願いながら主人公は手を振るのです。

歌詞はここで冒頭の「赤いストロー」の件りをもう一度繰り返して、2コーラスへと続きます。

朝には無くなってしまっても 匂いが消えてなくなっても
指先だけに残る花火 雪の降るベランダでは子供に

瞳閉じて書いた日記 薄くて強い覚え書き
ずいぶん色が変わったなって 見えない心が愛おしい

お皿に残る白い夢を 君の口にいれてごちそうさま
大きな小さい半分に慣れた頃思うこと

出典: ストロー/作詞:AIKO 作曲:AIKO

夏には花火、冬には雪。「君」と過ごした日々は季節とともに積み重なって、主人公はそれを紙ではなく記憶というノートに日記として記録しています。

「瞳を閉じて書く」日記とはそういうことでしょう。細かいディテールは揮発していきますが、「君」と過ごした時間は強く記録されていくのです。

2人の生活は何でも半分こです。「半分」は小さなものですが、「君」と分かち合う「半分」には大きな意味があります。また「君」は、半分このときにはいつも「大きい方」の半分をくれていたのかも。

そんな半分こに慣れた頃、「君」との暮らしが確かになってきた頃と言ってもいいでしょう。「お皿に残る白い夢」は主人公が食べた残りの半分です。それを「君」の口へ入れます。

それは「同じ夢を見よう」ということなのでしょう。「白い夢」とは、白い衣装を着けること? もしかすると、ウェディング……?

延長戦を繰り返してやっと見えた本当の痛みは
出会った頃より悲しくて寂しくて大切で
君にいいことがあるように 今日は赤いストローさしてあげる
君にいいことがあるように あるように あるように

出典: ストロー/作詞:AIKO 作曲:AIKO

「延長戦」とは1試合分を終えても決着がつかないときに行うもの。何度も終局を迎えたけれど続けてきたということでしょう。「君」との関係はそんな風で、そこで「本当の痛み」を得たのです。

痛みは時を経て悲しさも寂しさも募り、けれどもより大切なものとなっています。よろこびも悲しみも大切なものとして胸に抱ける。「君」との関係はそんな風に確かなものになっているのですね。

だからこそ、「君」の幸運を願います。赤いストローをさしてあげます。自宅でわざわざストローを使って飲みものを飲むことなんてあまりないことですが、ストローをさしてあげるのです。

それは少し特別なことで、赤という活力に満ちた色を日常に添えるおまじないです。主人公は願います。「君」にいいことがあるように。

「君」にいいことがあるということは「君」の笑顔を生み、それはきっと、主人公にとってのいいことでもあるのでしょう。

まとめ

【ストロー】aikoとの○○が疑似体験できるMVとは!?「王様のブランチ」テーマ曲の歌詞を紹介☆の画像

aiko新曲日常にあるもので小さな願いをかけるという親しみが持てる内容の曲です。それをaikoが元気にかつ穏やかに歌います。

この曲によって日常にある何気ないしあわせに気づく人がたくさんいるといいですね。

無料で音楽聴き放題サービスに入会しよう!

今なら話題の音楽聴き放題サービスが無料で体験可能、ぜひ入会してみてね