ONE OK ROCKの楽曲「Pierce」について

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ではまず初めに、今回紹介するONE OK ROCK楽曲である「Pierce」についてお話しします。

「Pierce」は、2011年10月5日にリリースされたONE OK ROCK史上5枚目のアルバムとなる「残響リファレンス」に収録された曲の1つです。

この曲は、いつものONE OK ROCKの激しい雰囲気とは打って変わって切ないバラード曲となっています。

では一体どのような曲なのかというと、「Pierce」は恋愛バラードと言われています。

ONE OK ROCKのイメージとしては激しいドラムギター、そして力強い歌声が特徴的ですが、この曲では主にピアノとヴァイオリンで演奏され、また違ったONE OK ROCKの良さがわかる1曲となっています。

「Pierce」の歌詞を読み解く

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それではここで、「Pierce」の歌詞を読み解いていきましょう。

実際にこの曲の歌詞では英語の部分があるので、そちらの和訳についても見ていきますね。

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まだ君に恋している

ではまず、こちらの歌詞から見ていきましょう。

Here with you now I am good
Still miss you
I don't know what I can do
We can't be true

出典: Pierce/作詞:Taka 作曲:Taka

こちらの歌詞は「Pierce」の中でも一番初めの歌詞なのですが、見ての通り英語となっています。

この歌詞は、“君といれることが僕の幸せさ。まだ君に恋をしているけれど、何をすれば良いのかわからない…”といった意味になります。

つまりこの部分の歌詞から、“まだ君に恋をしているんだよ”という気持ちが歌詞として表現されていることがわかりますね。

また最後の一文は訳すると「僕たちは本物の恋人にはなれない」という強烈な否定を意味しています。

これは英語が持つ「強さ」であり、曖昧さを伴う日本語に対し英語は強い言葉で2人の関係性を否定するのです。

同じラブソングでも、英語のラブソングと日本語のラブソングの違いが分かるのではないでしょうか。

英語が相手に直接好意を送っているのに対して、日本語は間接的にその好意を表現しています。

そう、開始時点で既に2人が運命の関係になれないことをはっきり現実の事実として突きつけるのです。

恋人への断ちがたい気持ちを最後の1文でバッサリ否定するという凄まじいインパクトでしょう。

素直に想いを言葉にできないんだ

では次にこちらの歌詞も見ていきましょう。

溢れ出した想いつのるだけで

Uh It's hard for me to say

出典: Pierce/作詞:Taka 作曲:Taka

この部分の歌詞では、素直に言えない想いを悔やんでいるような印象を受けます。

そしてこの歌詞の訳としては、“言いたい想いはどんどん溢れてくる。でも僕にはそう簡単に言えないんだ”といった訳になります。

また、英語の部分は気持ちの問題だけではなく、気持ちを適切に言語化出来ないことへの辛さもあるでしょう。

正に「言葉にならない想い」であり、奥底からあふれ出てくる熱く、そして苦しい気持ちを表現出来ない辛さです。

絶妙なのはどういう理由でそのような想いを抱えるに至ったのかがぼかされているということ。

伝えたくても伝えられない理由をぼかしていることで、どういう想いなのか聞き手の想像力を刺激します。

英語の持つ「強さ」と日本語の持つ「曖昧さ」を上手く組み合わせて、独特の恋心を表現しているのです。

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永遠なんてないとわかっていた。けれど…

'Cuz we can see how it's going to end
But I got my love for you
もしもこのまま君を忘れる事ができたら
なんて思えば思うほどに
君を忘れることなんて
僕にはできるはずもなくて

出典: Pierce/作詞:Taka 作曲:Taka

それでは、次にこちらの歌詞に注目していきましょう。

こちらの歌詞では、忘れることのできない感情に対する嘆きが歌詞として表現されています。

英語の部分の訳としては、“君と永遠なんてないのはわかっていた。だけど僕は君に恋をしてしまった”といった訳になります。

つまりこの訳とつなげてみると、この部分の歌詞の意味としては“僕は君に恋をしたことを忘れたい。だけど、もしこのまま君を忘れることができたとしたらなんてことを考えてしまうと、僕には君を忘れることができないよ”といった意味になります。

歌詞に”end”とありますが、実はこの歌詞は全体で見ると矛盾を孕んだ単語です。

どういうことかというと、end(終わる)に対応するstart, begin(始まる)という単語がありません。

恋とは出会いがあって交際の始まりがあり、その後別れがやって来て終わりを告げる形です。

しかし、これまでの歌詞を見ても実はその「出会い」に相当する単語や文章がどこにもありません。

これはすなわち、2人の関係性が終わるどころか始まってすらもいないことを意味しているのです。

Weなどと複数形で表現しても、全ては歌い手である男性の一方的な主観・思い込みになります。

そのような妄想の領域で全てが止まってしまっている恋の未練がましさをやや皮肉って表現しているのです

君のそばに居られるようにずっと願ってるからね