それでは、サビの最後の部分に注目していきましょう。
We always wish tonight could last forever
I can be your side
出典: Pierce/作詞:Taka 作曲:Taka
この部分の歌詞の訳としては、“君と一緒にいれるこの夜がずっと続けばなぁ。僕は君のそばでずっと居られるよう願っているからね”といった意味になります。
つまりここでは、“君とずっとそばに居たいんだ”といった気持ちが素直に歌詞として表現されていることがわかりますね。
この歌詞の絶妙な所は「仮定法過去」と「直説法」が同時並行で用いられている所にあります。
最初の1文で2人の関係が永遠には続かないことを儚い願望として歌うことで未練を表現しています。
次に助動詞canを持ってくることで、「傍に居られる」という理論上の可能性を示唆しているのです。
すなわち、長続きしないし本物になれない関係でも傍に居ることは出来るという届かない思いが込められています。
あくまでもcanという助動詞で可能性のみを示すことにより、現実にそう恋人になれるわけではないという反語です。
このように、文法の観点から見ても絶妙な形で2人の関係性を適切に表現しています。
タイトル「Pierce」の意味は?
刺し貫かれる苦しみ
さて、全体を見た上で改めて「Pierce」の意味について歌詞の意味を踏まえて解釈していきましょう。
簡単にいえば、歌の意味は「刺し貫かれる苦しみ」、すなわち叶わない恋の現実を突きつけられる苦しみです。
叶わないと分かっていながらも諦めるしかない辛さ、しかし諦めるには惜しいという未練がましさとの葛藤。
それだけ主人公の男性が女性に対して痛々しいまでに純粋な好意を抱き続けているからではないでしょうか。
それを英語と日本語の双方を用いて絶妙なパワーとテクニックの合わせ技で表現しています。
それがまたロックバラードという、激しさと静けさの融合とも非常に密接に絡み合っているのです。
だからこそ、本作は未練がましさが残る男性の切ない恋心を苦しく切なくも格好良く表現出来るのでしょう。
ONE OK ROCK人気楽曲ランキング
ではここで、数あるONE OK ROCKの曲の中でも特に人気の曲をランキングにして紹介していきます。
第3位:Nobody's Home
まず第3位にランクインしたのは、「Nobody's Home」です。
この曲は、ONE OK ROCKのヴォーカルであるTakaの家族に向けて作られた曲となっています。
Takaの複雑な家庭に対して“迷惑ばかりかけてごめんね”といった気持ちと“これから頑張っていくよ”という気持ちが込められた1曲ですね。
「たとえ離れていても心は一つ」という仲間に近い家族の関係性を優しく熱く歌い上げています。
家族と離れ、振り切ってでも前に進んでいき、しかし同時に感謝していくという決意表明でもあるのです。
いかにTakaがこのONE OK ROCKに人生を賭け、本気で臨んでいたかが分かるのではないでしょうか。
第2位:Wherever you are
そして第2位にランクインしたのが、「Wherever you are」です。
もしかすると、この曲をご存知という人も多いのではないでしょうか。
この曲は、いつものONE OK ROCKの激しい演奏はなく、優しい恋愛ソングとなっています。
また、「Wherever you are」は結婚式でも歌われるほど人気の曲なのですよ。
特にNTTドコモのCMに起用されることで知名度が上がり、今ではONE OK ROCKの代表曲の1つとなりました。
とても優しく温かい言葉とメロディーが聞き手を温かく包み込んで幸せな気持ちにしてくれるのです。
「Pierce」と関連させてみると、片思いの恋が終わって両思いになり、幸せを手にした人の物語とも解釈出来ます。
ラブソング1つをとっても、ONE OK ROCKの楽曲には物語性・ドラマ性が存在しているのです。
だからこそこれだけ人気のアーティストなのではないでしょうか。
第1位:完全感覚Dreamer
そして第1位に輝いたのが、「完全感覚Dreamer」です。
この曲はONE OK ROCKが大ブレイクするきっかけともなった曲であり、激しくパワフルな演奏が印象的です。
「完全感覚Dreamer」は、数あるONE OK ROCKのPVの中でも群を抜いて再生回数が1位となっています。
その再生回数はなんと2017年8月29日時点で6100万回再生!
人気の理由がわかりますね。
歌詞もまたパワフルで、行動出来ずに足が竦んでいる若者に対する力強い励ましのメッセージです。
悩む暇があるなら、とにかく自分の信念に従ってがむしゃらに行動し突き進めと強く訴えてきます。
ONE OK ROCKの代名詞といえる最高の名曲であり、同時に「ロックとは何か?」を体現した一曲でしょう。
音楽を問わず何のジャンルにおいても、己の信念こそが1番大事であると歌い込んでいるのです。
時代や環境に関係なく、どんな時でも前向きに頑張る人だけが成功者になれるのではないでしょうか。
動画の再生回数は2020年9月17日時点で9900万再生と1億(ワンオク)突破も時間の問題です。
是非ともこのままの勢いで1億突破を実現して頂きたいと同時に、今後も絶えず伸び続けていくことでしょう。