単なる言い換えではなく、それを詩的なものへと昇華していくことが才能ですね。
"文章"を芸術的な作品にするためにはこの一歩が必要なのではないでしょうか。
また、ここでは松明は闇を照らす明かりとしてだけではなく"印"、"道しるべ"の意味を持っています。
それが松明のことを"灯台"や"旗"に表現し直した真意なのでしょう。
灯台も旗も、私たちの日常生活で目印や目標として利用されています。
詩的に言い換えた上で、さらにそれらに意味を持たせてあるのです。
2番Bメロ
2番のBメロ部分です。
A floating moon
You still croon?
揺れる波間に目を凝らし
舵を止める時
出典: Torches/作詞:Aimerrhythm 作曲:飛内将大
1行目の和訳は「浮かぶ月」です.
2行目は「あなたはまだ感傷に浸っているの?」とでもしましょうか。
"croon"は難しい単語で、"小声で歌う"や"感傷的になっている"などの意味を持っています。
1番のBメロでも夜に落ち込んでいた人物が描かれていましたね。
おそらく同じ人物について歌ったものなのでしょう。
2番サビ
1サビよりさらに壮大になる2サビ
2回目のサビ部分です。
Listen to me
Sail way again
未開の海に 海路を照らす願い
繋いだ声は 答えのない世界へと 帆を揺らす
You're not alone
ただ 荒波を行け その闇を抜け
輝きを増せ
出典: Torches/作詞:Aimerrhythm 作曲:飛内将大
1・2行目の訳は「私の声を聴いて」、そして「もう一度航海をして」です。
主人公のトルフィンは実に多くの人々と出会い、関わりながら旅をしていきます。
そんな多くの人々の声や思いが、トルフィンの今日、そして明日の航路を左右していくのです。
そしてそれは、決して"答えのないこと"だと、原作でも丹念に描かれています。
誰が正しいとか、どの方法が絶対的に正しいといった描写はありません。
簡単に"正義"を定義することはできない
むしろ、悪だと思っていた人間が実は優しさや愛情を持っていたりします。
敵対している相手がひょうきんで面白かったりもします。
"これが正しい"というものが定まっていないからこそ、人は迷うのでしょう。
ヴィンランド・サガの世界では、人を殺すことも絶対的な悪ではありません。
現代日本では当然犯罪で、いかなる理由があっても法律によって必ず裁かれます。
しかし1000年前のこの大海賊時代ではまったく違うのです。
そもそも北欧神話が精神的ベースにある彼らは、戦いの中で死ぬことを徹底して願っています。
そんな混沌とした世の中だから、世界は闇となり堅く立ちはだかっているのです。
Cメロ~エンディング
さて、いよいよ歌詞も大詰めです。
Cメロの歌詞考察
吹き荒れる風が織りなす雨音は
遥か遠く見えた大地を照らす唄になる
黄金色に輝く瞼の景色と
やがて来る祝福の日々のため
出典: Torches/作詞:Aimerrhythm 作曲:飛内将大