VOCALOID楽曲の中でも定番のハロウィンソング!

VOCALOID最盛期を支えた人気プロデューサー、ハチ

今や国民的アーティストとなった米津玄師の昔の名義ということは、今や多くの人が知ることでしょう。

今回ご紹介するのは、そんな米津玄師がまだハチであった頃の楽曲【Mrs.Pumpkinの滑稽な夢】

VOCALOID曲の中でもいまだに根強い人気を誇るハロウィンソングとなっています。

全て彼自身の手描きのイラストでデザインされた映像も非常に話題となりました。

この頃からすでにソングメイク、リリックライティング共に飛びぬけた才能の片鱗を見せていたハチ

そんな楽曲歌詞の内容を解説していきたいと思います。

今宵はハロウィン!楽しむのは人間だけじゃない?

年に一度の饗宴のはじまり

ハチ【Mrs.Pumpkinの滑稽な夢】歌詞の意味を解説!棺は何を例えている?電車を待つ意味に迫るの画像

ジャカランダ咲いた 無礼を酌み交う演説会
何処へ行こうか? 愉快に泣いた歌

ジャックは笑った 「異端な感情置いといて」
チョコレート頂戴 下賤に泣いた歌

出典: Mrs.Pumpkinの滑稽な夢/作詞:ハチ 作曲:ハチ

ジャカランダとは南国の地に咲く花のこと。

鮮やかな紫色の花が桜のように咲き乱れ、それはそれは美しい光景になるのだそうです。

楽しいハロウィンの夜を艶やかに彩るように、狂い咲く紫色のジャカランダの花。

元々ハロウィンの日の夜には、実はこんなことが起こると言い伝えられています。

1年のこの時期には、この世と霊界との間に目に見えない「門」が開き、この両方の世界の間で自由に行き来が可能となると信じられていたからである。

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/ハロウィン

霊界から来た訪問者に魂を奪われたり連れていかれたりされないように、人々は仮装するのですね。

そんな年に一度の貴重な機会。

浮かれているのは、もしかしたら霊界の住人も同じなのかもしれません。

今回の主人公はそんなハロウィンの夜に迷い込んだ女性、Mrs.Pumpkin

彼女もハロウィンの夜を心待ちにしていた1人です。

また、ハロウィン時期によく見かける顔の描かれたカボチャ。

あれも元々は『ジャック・オー・ランタン』と呼ばれる霊界の住人なのです。

「ランタン持ちの男」が由来である。
生前に堕落した人生を送ったまま死んだ者の魂が死後の世界への立ち入りを拒否され、悪魔からもらった石炭を火種にし、萎びて転がっていたカブをくりぬき、それを入れたランタンを片手に持って彷徨っている姿だとされている。

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/ジャック・オー・ランタン

たくさんの人ならざる者が浮かれ騒ぐ饗宴。

ある者は生前親しかった人々の姿を思い出し哀しみに暮れ、またある者は人間に交じりお菓子を強請る

そして、中にはきっとこちらへ幼い子供を引き摺り込もうと企む者もいることでしょう。

片手には血のような葡萄酒の入った杯を掲げ、片手には甘い甘いチョコレート。

浮かれた雰囲気に、思わず楽しくなってしまうMrs.Pumpkin。

愉快な饗宴は、まだまだ始まったばかりです。

カカシがふらり 咽せんで揺れた
食わず嫌いは カボチャのパイ

出典: Mrs.Pumpkinの滑稽な夢/作詞:ハチ 作曲:ハチ

普段は穏やかに畑を見守るカカシも、この日だけは霊界の住人にとっては非常に都合の良い存在。

どこの誰かも知れぬ魂の入れ物として、この人型のオブジェは実に都合がよいのです。

愉快な饗宴の声に合わせるかのように、ゆらゆらと風も無いのに揺れ始めるかもしれません。

実はMrs.Pumpkin、ハロウィンの夜が大好きなのにも関わらずカボチャのパイが食べられません。

そんな彼女に無理やりカボチャのパイを食べさせようとする仲間たち。

嫌がる彼女を笑うかのように、カカシも揺れています。

饗宴はますます盛大に…

ハチ【Mrs.Pumpkinの滑稽な夢】歌詞の意味を解説!棺は何を例えている?電車を待つ意味に迫るの画像

ねぇ ラルラルラ 私と踊ろうか
まだ眠る お月様
"「呼んだ?呼んだ?」と蕪頭"

ほら 棺は何処にも無くなった
つまらないや
(ラッタルラッタ happy day)

出典: Mrs.Pumpkinの滑稽な夢/作詞:ハチ 作曲:ハチ

どこからか聞こえてきた愉快な音楽に合わせて歌い踊る霊界の人々。

その様子はさながら絢爛豪華な舞踏会のようです。

夜空に浮かぶお月様が目を覚ます気配は全くありません、楽しい宴はまだまだ続きます。

顔の描かれた蕪頭(かぶあたま)のカカシと共に踊るMrs.Pumpkin。

彼の中身は一体誰の魂なのでしょうか。

自分の元居た世界のことなんてすっかり忘れて、ハロウィンの宴を楽しむ彼女。

歌詞の「棺」とは、彼女が元々いた世界のことを表しているのかもしれません。

華やかな饗宴に潜む影

喧嘩ですらも宴の華