「結ンデ開イテ羅刹ト骸」とは
まずは「結ンデ開イテ羅刹ト骸」が世間に発表された時期など、この楽曲に関する基本情報をお伝えしていきます。
ボカロP“ハチ”としての米津玄師さん
今回取り上げている「結ンデ開イテ羅刹ト骸」の作詞作曲は“ハチ”となっています。
これは米津玄師さんのボカロPとしての名前で、現在はあまり使われていません。
ボカロPとしての米津さんは2009年頃から活動を開始していて、最初はニコニコ動画へ自分の作品を投稿していました。
そこで人気に火がつき、音楽業界からも注目され、2013年に“米津玄師”としてメジャーデビューすることになりました。
ボカロPであるハチとしての作品には、今回取り上げている「結ンデ開イテ羅刹ト骸」以外にも「パンダヒーロー」や「マトリョシカ」、「ドーナツホール」などの人気作があります。
世間に発表されたのはいつ?
「結ンデ開イテ羅刹ト骸」がニコニコ動画に初めて投稿されたのは2009年7月6日です。
たった3日で殿堂入りしたこの楽曲は、現在も視聴数を伸ばしている作品です。
ニコニコ動画やYouTubeで公開されているこの楽曲は、2010年11月に自主制作アルバムとして制作されたアルバム『OFFICIAL ORANGE』に収録されています。
ただこの『OFFICIAL ORANGE』に収録されている「結ンデ開イテ羅刹ト骸」はリテイクバージョンとなっています。
映像にはどんな意味が?PVが気になる!

楽曲のテーマは“無邪気”?
装われた“無邪気”には恣意的な悪意が込められている場合がありますが、恣意的な悪意は相手にも“わざとだな”と気づかれやすいので、返し刀で自分が傷を負うこともあります。
しかし本当の“無邪気”には恣意的な悪意がないため、無邪気が一番、人を傷つける場合があるんですよね。
この作品のテーマは“無邪気”と“違和感”だそうで、それは確かに楽曲を聴いたり映像を観ていると伝わりますよね。
マウスによって描かれたハチ自作のPVは、暗い画面に浮かび上がる少女が何とも不気味な感じがします。
それがただ不気味というよりも、何だか感覚がザワザワするような違和感……。
狙って作られているのかもしれませんが、これこそハチ自身が“無邪気に作っている”ようで、その感情の純粋さに中る感じがしませんか。
意味深な歌詞を読み解く!
ここからはパッと聴いただけではちょっとわからないような、「結ンデ開イテ羅刹ト骸」について徹底解説していきます!
無邪気な魍魎たちによる宴の始まり……
さあさあ 今宵も無礼講
獄卒衆すら巻き込んで
宴の瀬にて成り下がるは
純真無垢故質の悪い
悪虐非道に御座います
出典: 結ンデ開イテ羅刹ト骸/作詞:ハチ 作曲:ハチ
上にご紹介している5行の歌詞はボカロによって歌われる部分ではなく、MVなどで画面に表示されるだけの歌詞です。
これから始まる“宴”について述べられます。
ただ“獄卒衆”だとか“悪道非道”なんてちょっと穏やかでない言葉も並ぶので、のっけからちょっとドキドキしてしますよね。
またここには、この楽曲のテーマにある“純真無垢故質の悪い”という言葉がとってもはっきりと表現されていますね。
片足無くした猫が笑う
「ソコ行ク御嬢サン遊ビマショ」
首輪に繋がる赤い紐は
片足の代わりになっちゃいない
や や や や 嫌嫌嫌
列成す卒塔婆の群れが歌う
「ソコ行ク御嬢サン踊リマショ」
足元密かに咲いた花は
しかめっ面しては愚痴ってる
腹を見せた鯉幟
孕んだのは髑髏
出典: 結ンデ開イテ羅刹ト骸/作詞:ハチ 作曲:ハチ
猫は片足を無くしており、列を成しているのは卒塔婆……。
どうやら舞台は墓地の近く、もしくは墓地そのものなのかもしれません。
こうした言葉から、この楽曲がやはりあまり穏やかでないというのがよくわかります。
上でご紹介している歌詞ブロックの最後には“腹をみせた”とか“髑髏”なんて言葉も入っています、
始まった宴は墓場で繰り広げられる化け物たちの宴のように思えます。