「終点」に込められた思いとは
この楽曲は「人は死んだらどうなる?」という疑問のもと制作されたそうです。
タイトルである「終点」は、だれもが死という「終点」に向かうという意味。
どんな経験をしたとしても最後は同じ「終点」へ行きつきます。
「終点」について考えたとき、目の前の出来事への関心の向け方も変わるのではないか。
そんな考えのもと作曲されたそうですよ。
まふまふは幼い時から人が死んだあとのことに疑問を持っており、「終点」はずっと書きたかった曲とのこと。
さらに「終点」はアルバム「明日色ワールドエンド」の最後に収録されています。
16曲にも及ぶ楽曲の中のラスト。
数々の楽曲の最後に「終点」を持ってくるなんて素敵な曲の配置ですね。
アルバムの途中では電車をテーマにしたMVもいくつかあり、「終点」との一貫性が見られます。
まるでいくつもの駅で停車したのち「終点」に行きついたみたいな感覚。
また、「終点」の歌詞に綴られた内容にも考えさせられるものがあります。
車内をテーマにしたMVをチェック
「終点」のMVは夕暮れの電車の車内で考え事をする場面から始まり、次第に日が暮れ闇へと吸い込まれていきます。
美しい色彩が曲の哀愁漂うイメージにピッタリですよ♪

車内には少年や少女が乗っており、各々人生を振り返っているようですね。
ヒラヒラと舞う切符には「終焉」と書かれた文字。
人生の「終焉」…すなわち「死」を意味するのでしょう。
おそらくアルバム内の楽曲で登場した人物たちが「終点」へ向けて乗り合わせている状況なのだと思います。
他のまふまふのMVも見てきた人にとっては特に印象的な展開ですね。
それでは彼らの向かう「終点」とはどんな場所なのか。
そしてそこにはどんな景色が広がるのか。
歌詞から読み解いていきましょう!
電車に揺られながら過去を回想する
頭の中で渦巻くどうしようもない現実
何も知らないほうがいいなら
何も教えてくれなくていい
虚言の真相 夢遊病
無邪気なあの子の長袖の裏側
出典: 終点/作詞:まふまふ 作曲:まふまふ
静かに語るような歌声から曲はスタートします。
頭の中でいくつかの問題がグルグル回っているようですね。
どんな問題なのか確認してみましょう。
まずは、誰かのついた嘘の真実。
次に、「夢遊病(むゆうびょう)」は睡眠中に歩き回ったりする異常行動の事。
本人は動いているときの記憶がない場合が多いです。
最後は、明るく振る舞っているけどリストカットの傷跡を隠している少女。
歌詞でも言っているとおり、どれも無理に知らない方が幸せなのかもしれませんね。
知ったところで現状を変える力もなく、ただ心にわだかまりが残っている印象です。
辛いのに飛び降りる勇気すらない
12階のビルから
今日も片足だけ差し出している
蒼然 悄然 どうせ
死ぬ勇気のひとつもないくせして
出典: 終点/作詞:まふまふ 作曲:まふまふ
「蒼然(そうぜん)」は青々としていること。
「悄然(しょうぜん)」は元気のない様子のこと。
高層階から飛び降りようとして、その表情が青ざめて元気がない様子なのでしょう。
でも、実際に飛び降りるには至っていないようですね…。
「明日色ワールドエンド」に収録された「罰ゲーム」の飛び降りようとしている場面みたいです。
人の形でいるのに 同じ人の言いなりになるなら
まだ夢は見れるのに こんな夢も見れない世界なら
夏草が枯れるまで いっそしゃがんで隠れていようかな
なんてことを言って笑う間に
次で終点だ
出典: 終点/作詞:まふまふ 作曲:まふまふ
気持ちはどんどんと沈んでいっている様子。
悩んでも変えようがない人生を振り返ってますね。
様々な問題から目を背け、現実逃避をしようと思ったとき「終点」が近づいてきました。