「終点」に込められた思いとは

この楽曲は「人は死んだらどうなる?」という疑問のもと制作されたそうです。

タイトルである「終点」は、だれもが死という「終点」に向かうという意味。

どんな経験をしたとしても最後は同じ「終点」へ行きつきます。

「終点」について考えたとき、目の前の出来事への関心の向け方も変わるのではないか。

そんな考えのもと作曲されたそうですよ。

まふまふは幼い時から人が死んだあとのことに疑問を持っており、「終点」はずっと書きたかった曲とのこと。

まふまふの深い考えが伝わる洗練された楽曲となっています。

【終点/まふまふ】人生の"終点"でキミは何を想う?歌詞の意味を解釈!MVはYouTubeで視聴可能の画像

さらに「終点」はアルバム「明日色ワールドエンド」の最後に収録されています。

16曲にも及ぶ楽曲の中のラスト。

数々の楽曲の最後に「終点」を持ってくるなんて素敵な曲の配置ですね。

アルバムの途中では電車をテーマにしたMVもいくつかあり、「終点」との一貫性が見られます。

まるでいくつもの駅で停車したのち「終点」に行きついたみたいな感覚。

また、「終点」の歌詞に綴られた内容にも考えさせられるものがあります。

車内をテーマにしたMVをチェック

「終点」のMVは夕暮れの電車の車内で考え事をする場面から始まり、次第に日が暮れ闇へと吸い込まれていきます。

美しい色彩が曲の哀愁漂うイメージにピッタリですよ♪

それでは、YouTubeにアップされているMVをチェックしてみましょう!

車内には少年や少女が乗っており、各々人生を振り返っているようですね。

ヒラヒラと舞う切符には「終焉」と書かれた文字。

人生の「終焉」…すなわち「死」を意味するのでしょう。

おそらくアルバム内の楽曲で登場した人物たちが「終点」へ向けて乗り合わせている状況なのだと思います。

他のまふまふのMVも見てきた人にとっては特に印象的な展開ですね。

それでは彼らの向かう「終点」とはどんな場所なのか。

そしてそこにはどんな景色が広がるのか。

歌詞から読み解いていきましょう!

電車に揺られながら過去を回想する

頭の中で渦巻くどうしようもない現実

何も知らないほうがいいなら
何も教えてくれなくていい
虚言の真相 夢遊病
無邪気なあの子の長袖の裏側

出典: 終点/作詞:まふまふ 作曲:まふまふ

静かに語るような歌声から曲はスタートします。

頭の中でいくつかの問題がグルグル回っているようですね。

どんな問題なのか確認してみましょう。

まずは、誰かのついた嘘の真実。

次に、「夢遊病(むゆうびょう)」は睡眠中に歩き回ったりする異常行動の事。

本人は動いているときの記憶がない場合が多いです。

最後は、明るく振る舞っているけどリストカットの傷跡を隠している少女。

歌詞でも言っているとおり、どれも無理に知らない方が幸せなのかもしれませんね。

知ったところで現状を変える力もなく、ただ心にわだかまりが残っている印象です。

辛いのに飛び降りる勇気すらない

12階のビルから
今日も片足だけ差し出している
蒼然 悄然 どうせ
死ぬ勇気のひとつもないくせして

出典: 終点/作詞:まふまふ 作曲:まふまふ

「蒼然(そうぜん)」は青々としていること。

「悄然(しょうぜん)」は元気のない様子のこと。

高層階から飛び降りようとして、その表情が青ざめて元気がない様子なのでしょう。

でも、実際に飛び降りるには至っていないようですね…。

「明日色ワールドエンド」に収録された「罰ゲーム」の飛び降りようとしている場面みたいです。

人の形でいるのに 同じ人の言いなりになるなら
まだ夢は見れるのに こんな夢も見れない世界なら
夏草が枯れるまで いっそしゃがんで隠れていようかな
なんてことを言って笑う間に
次で終点だ

出典: 終点/作詞:まふまふ 作曲:まふまふ

気持ちはどんどんと沈んでいっている様子。

悩んでも変えようがない人生を振り返ってますね。

様々な問題から目を背け、現実逃避をしようと思ったとき「終点」が近づいてきました。

治療の難しい心の傷や疾患