1番と同じ言葉を繰り返しますが、ここでは問題への観点が変わりますね。
様々などうしようもない問題。
もちろんどれも当事者にとっては大変な問題でしょう。
でもこれら全てが人生の「終点」では等しく無に返ります。
まふまふの髪形の背景となった気持ち?
前髪を伸ばしている
だって何ひとつ見たくないから
溶けるまで色を抜く
だってボクは染まりたくないから
出典: 終点/作詞:まふまふ 作曲:まふまふ
たくさんの人間味ある経験
恨み合って 叩き合って
妬み合って 乏し合って
探し合って 慰め合って
悔やみ合って 解り合った
出典: 終点/作詞:まふまふ 作曲:まふまふ
ここで一気に過去の回想が進みます。
たくさんの人間らしい経験が列挙されていますね。
その中にはネガティブなものもポジティブなものも含まれています。
全て最後には残らない
感動ですら最後には残らない
こんな詩も音も
肯定も否定も未練も
四季折々の光彩も
何処にも残らない
暗闇が
出典: 終点/作詞:まふまふ 作曲:まふまふ
OTOKAKE読者の皆様は音楽に感動を覚える瞬間があるのではないでしょうか?
そういった感動も全て無に返って何も残らない。
ここではそう言っていますね。
無になるのを分かってでも求めるものというのは、本当に自分が好きな物なのだと思います。
救われなくたってもういい
答えだった 答えだった
吸い尽くすような暗闇が
ボクらの未来だった
願っている もういいんだって
救われやしないんだ
微睡の奥深く
堕ちていく
出典: 終点/作詞:まふまふ 作曲:まふまふ
回想してきたいくつもの「どうすることもできない問題」。
それらが解決することを願ってはいますが、全てが無に返る今、救われない事実を受け入れています。
そして眠りにつくように死へと堕ちていく。
こうして楽曲「終点」はゆるやかに終わりを迎えます。
最後に残るピアノが哀愁を漂わせていますね。
この楽曲から考えさせられること
今までのまふまふの楽曲は、希望に満ち溢れていたり絶望に満ちていたり…強い思いがこもった歌詞が多い印象です。
てっきりまふまふは激情派のアーティストかと思っている部分もありました。
しかし今回の「終点」はそんなイメージを払拭してくれる内容です。
数々の曲に描かれた主人公も全て最後は死へと向かうのですね。
そう思うと、日常で感じる苛立ちや悲しみにどれだけの価値があるのだろうと考えさせられます。
限りある人生をどのように使うかは人それぞれだと思います。
ところが最後には全て無になると思えば、多少の事は気楽に考えられそうですね。
できればネガティブなことに捕らわれるよりも、残らなくても大切だと思えることに時間を使いたいものです。
オススメの楽曲を紹介
「明日色ワールドエンド」の最後の楽曲「終点」に至るまでの楽曲では深い絶望を歌ったものがあります。
今回ご紹介する2曲はいずれのMVも電車の車内の様子が描かれており、「終点」との連続性を感じられるでしょう。
絶望の淵に堕ちた彼ら彼女らも、最後には死という「終点」に行きつくのだな…という発想で聞くと深みが増すと思います。