"化石"が思い出を思い起こさせる

あんなに体が叫んでた
心臓がなんか訴えてた
拾った紙吹雪一枚触れたら
化石みたいにしゃべる

出典: You were here/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央

ライブでは特に盛り上がるシーンになると上空から紙吹雪が、ばっと降ってくることがありますよね。

その紙吹雪を思い出として、持ち帰る方も多いと思います。

そして後日、その紙吹雪にふと触れるとその日の記憶がぶわっと頭によみがえってくることも。

藤原基央はそうした思い出が詰まった物を"化石"として表現しています。

確かにライブの紙吹雪などは、それから先の時間にその時間のことを思い返させる物となります。化石という表現はこれ以上ないくらいにハマりますね!

伝えたかった事伝わったのかな
伝えたかった事ってなんなのかな
君の昨日と君の明日を
とても眩しく思う

出典: You were here/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央

君の昨日と、君の明日。つまりは夢の時間を共に過ごした相手の日常ですね。

そうした相手の日常とは、自分にとっての非日常ということにもなります。

非日常というのは良くも悪くもとにかく眩しく、輝いて見えるものですよね。

この"君の昨日と君の明日"は後の歌詞にも繋がります。

出会いがあれば必ず別れもある

出逢えば必ずさよなら
そこから伸びた時間の上

出典: You were here/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央

なんでもそうですが、出会いには必ず別れもセットとなってついてきます。

究極的に言ってしまうと、永遠を誓った間柄であったとしてもいつかは死という別れがあるわけですね。

「そこから伸びた時間の上」というのは解釈が難しいのですが、筆者はこれを「別れの後に続く寂しい時間」なんじゃないかと解釈します。

その理由についてはラスサビの歌詞のところで解説しますね!

また会いたい 会いたいよ
もう会いたい 会いたいよ
君がいるのに いないよ

出典: You were here/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央

君がいるのにいない、というのは先ほどの歌詞にもあった"光の記憶"をイメージさせる歌詞ですね。

「目を閉じれば君がいた記憶が鮮明によみがえるのに、目を開けるとそこには君がいない」ということ。

BUMPファンの方は共感できると思いますが、この部分はこれ以上ないほど藤原基央らしい歌詞ですよね…。

なんとなくですが「orbital period」に収録された「飴玉の唄」を彷彿とさせます。

聴き手によって受け取り方が変わる、センスが光るフレーズへ

君の昨日と明日に
僕もいたい

出典: You were here/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央

筆者的にこの楽曲の一番グッとくるポイントがこの歌詞の部分。

戻ってきた自分の日常から抜け出し、君の昨日と明日つまり「非日常」へと向かいたいという意志を感じ取れます。

自分の日常を乗り越えて、また次の夢の時間を夢見て生きるといった人間的な強さと、自分の日常から逃げてあの楽しい時間へと戻りたいといった人間的な弱さ

そのどちらも、このフレーズから感じ取ることができます。そのためこの部分の感じ方は人それぞれだったのでは。

藤原基央は本当に、こうした人間の強さと弱さの表裏一体を表した歌詞を紡ぐセンスが抜群ですね!

振り絞るような歌声とクライマックスへと向かう曲調も合わさり、聴き手の感情を強く揺さぶります。

"自分の昨日と明日"を強く生きていくことを決意するラスサビ

【You were here/BUMP OF CHICKEN】君への想いが溢れる歌詞の意味!コードもの画像

ここからはいよいよラスサビへと曲が進んでいきます。

どこか脆くも、強い決意を感じさせる!

もう消えない 消えないよ
そこから伸びた時間の上を歩くよ
全て超えて会いにいくよ

出典: You were here/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央