ちょっぴり後ろ向きな心模様

前を向くための魔法

もうきっと多分大丈夫 どこが痛いか分かったからね
自分で涙拾えたら いつか魔法に変えられる

出典: Aurora/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央

辛いこと、苦しいこと、困ったこと…生きている限り誰にでも起こりうることです。

自分1人で解決できることもあれば、誰かの力を借りなければ難しいこともあるでしょう。

そんなとき、すぐ周囲に助けを求められれば楽なのに、なかなか素直になれない…。

このような経験をしたことのある人は多いでしょう。

1行目の前半部分の歌詞からもわかる通り、この曲の主人公も自分1人で抱え込んでいます。

不確定すぎる言葉を重ねていることからも、彼の心が不安に支配されているのだとわかりますね。

そんな状況ながら主人公は、2行目にあるように前向きな気持ちも持っています。

涙は一般的に流すものですが、それを「拾う」と表現していることがとても特徴的ですね。

これは、辛いことを乗り越えていく様子を表しています。

そして乗り越えた経験こそがこの先の人生の糧になると、そう信じているのです。

クレヨンが描く光

ほんの少し忘れていたね とても長かった ほんの少し
お日様がない時は クレヨンで世界に創り出したでしょう

出典: Aurora/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央

1行目では、対照的な言葉が交互に登場します。

時間というものは、過ぎ去ってしまえばその長さなんて案外気にならないものです。

本当に長い時間が過ぎたのか、実はそうではなかったのか。

よくわからないままここまで過ごしてきた、主人公の感覚を表現しているのでしょう。

そして2行目ですが、こちらももちろん比喩表現です。

お日様といえば一般的に、人々をあたたかく照らしてくれる存在という印象が強いものです。

そんなあたたかさ、明るさに触れると、人の心は前向きに明るく、ポジティブになれます。

しかしそれがない状態におかれると、人の気持ちは暗く沈みがちになるのです。

つまり、主人公の心はなかなか前向きになれていないということ。

そんな状況の時には、2行目後半にあるようにクレヨンの出番がやってきます。

もちろんこのクレヨンも実物を指すのではなく、比喩表現です。

お日様が見えない世界なら、自分がお日様を描いて世界を照らそう

そんな風に問題を解決しようとする、自分自身の考え、思い、努力などを指しているのです。

言葉にならない想いたち

溜め息にもなれなかった 名前さえ持たない思いが
心の一番奥の方 爪を立てて 堪えていたんだ
触れて確かめられたら 形と音が分かるよ
伝えたい言葉はいつだって そうやって見つけてきた

出典: Aurora/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央

人は物事があまりうまくいっていないとき、ついつい溜め息をつきがちです。

しかし時に、吐き出すための溜め息にさえなれない、そんなちっぽけな想いもあるでしょう。

不安、緊張、恐怖、後悔、怒り…そんな感情に当てはめられないたくさんの想いたち。

その瞬間には気にならなかったはずなのに、そういう感情はいつまでも残り続けるものです。

そうして主人公の心の奥底には知らぬ間に、吐き出せないままの小さすぎる想いが溜め込まれていきました。

ここでは3行目にもあるように、心の奥底に溜まった小さな感情の揺れ動きに目を向けようとしています。

ささやかな想いにきちんと触れよう。つまり、きちんと目を向けて向き合おう。

そうすることで名前もなかった想いは、きちんと相手に伝えられる言葉に昇華される

プラスもマイナスも、自分自身が感じたこと全てに向き合ってあげようよ。

そんな、あたたかく包み込むような励ましのフレーズが並んでいます。

描き続ける人生の軌跡

これまでの人生の記録

振り返れば途切れずに 歪な線を描く足跡
悲しいくらい分かりやすく いつもここに向けて伸びる

出典: Aurora/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央

これまで生きてきた人生の軌跡は、時に曲がり、時にまっすぐ、確実に残されています。

しかしその中には、思い出したくないような暗い過去もあることでしょう。

そんな出来事も含めて、人生の軌跡はしっかり現在までまっすぐ伸びている

わかりやすいはずなのに悲しいのは、その軌跡に込められたそんな思い出故なのでしょう。

ここから刻む人生の記録

考え過ぎじゃないよ そういう闇の中にいて
勇気の眼差しで 次の足場を探しているだけ

出典: Aurora/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央