大切な部分が欠けているぎざぎざな心も二つ合わせれば...
月が雲に隠れて
貴方は道を失くして
泣き出しそうな
目をしてた
ぎざぎざなこころだって
ふたつ合わせてみれば
優しいものがきっと
生まれてくるわ
出典: https://twitter.com/mzc___x/status/922370739319144448
「月」とは主人公の衛宮士郎の正義の味方になるという、命の恩人であり義理の親から引き継いだ理想を象徴するものでしょう。
「月が雲に隠れて貴方は道を失くして泣き出しそうな目をしてた」という歌詞は、最初に紹介した予告編でも「一体さ、何をすれば正義の味方になれるんだ」と思いつめたように言う士郎のセリフが流れましたが、理想を見失い、迷う士郎の姿を描いています。
そんな士郎に対し、大火災によって全てを失った士郎と、同じく家族から引き離され全てを失った桜、お互いどこか欠けたような心をしていても「ふたつ合わせてみれば優しいものがきっと生まれてくるわ」と語りかけるような歌詞。
そして、その理由が次の歌詞で示されます。
あなたと出会い、諦めていた世界に温かな灯がともる
私を傷つけるものを
貴方は許さないでくれた
それだけでいいの
戯れに伸ばされた
貴方の手にしがみ付いた
諦めていた世界に
やがて温かな灯がともる
出典: https://twitter.com/Silver_mnmn/status/918111306946772992
正義の味方という理想を追い求め、迷う士郎に対し「私を傷つけるものを貴方は許さないでくれた」と、桜にとっては士郎は常に正義の味方だったということ、そして、常に私の味方でいてくれれば「それだけでいいの」という歌詞は、桜の本心だと言えるでしょう。
そして、火災の中一人生き残ったという罪悪感から自尊感情を失ってしまった士郎の代わりに、存在価値を認める言葉でもありますね。 士郎にとってはすべての人を救うという観念の元、何も考えずに伸ばした手だったとしても、桜にとってはその手こそ救いの手であり、愛しさも優しさもすべて「諦めていた世界に」、「温かな灯」が灯ったのは士郎のおかげだったのです。
そしてついに冷たい花びらは夜を切り裂く
冷たい花びら
夜を切り裂く
私が摘んだ光をみんな束ねて
貴方の上に全部
よろこびのように
撒き散らしてあげたいだけ
わるいことをしたらきっと貴方が
怒ってくれると約束したよね
だからきっともう一度
私を見つけてくれるよね
寂しいところに
もういなくていいね
一人で
見上げた
花びらが散った
出典: https://twitter.com/Silver_mnmn/status/918111424307650560
ただ「夜に散り咲く」だけだった「冷たい花びら」は、ついに「夜を切り裂く」のでした。
本当は「私が摘んだ光をみんな束ねて貴方の上に全部よろこびのように撒き散らしてあげたいだけ」なのに、別人格が具現化していく桜。 「わるいことをしたらきっと貴方が怒ってくれると約束したよね」という歌詞は、最初に紹介した予告動画でも流れていましたが、桜の「もし、私が悪い人になったら許せませんか?」という言葉と、それに対する士郎の「ああ、桜が悪いことをしたら怒る、誰よりも叱る」という返答から来ている歌詞です。
「だからきっともう一度」私が悪いことをしても、どんなに姿が変わっても「私を見つけてくれるよね」、そして叱ってくれるよねと言っているのです。
そして、士郎がいるから「寂しいところにもういなくていいね」と続けた桜は「一人で」いるのでした。
一人になった桜がどんな「悪い人」になり、そして、どんな罪を犯すこととなるのか、そして、士郎はその時どの道を選ぶのか...。
物語の続きに含みを持たせる歌詞ですね。
おわりに
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