夢うたう⽇々があるよ
とまどう⽇々もあるよ
君の匂い
滲む空にこころ流れつけば
出典: スイミー/作詞:持田香織 作曲:早川大地
食べ物の好みが変わる時期ってありませんか?
食べ物以外にも趣味や音楽でも当てはまるかもしれません。
「自分が好きだと思っていたもの」と価値観は何かがきっかけで変わってしまいます。
他の価値観に目移りしてしまうことに罪悪感を持つ人もいるかもしれません。
でもたまたま「今の自分にしっくりきた」だけだといえるでしょう。
自分の気持ちは「新しいもの」を求めています。
一方で「古い価値観」を捨てきれない自分もいるはずです。
「戻ろうと思えばさっきまでの陸地に戻れるけれど、このままでも悪くない」
この2つの気持ちが揺れ動いている場面といえます。
少しずつ陸から離れてみる
奥にかさばった
遠い⽇の想い
今なら晒せるだろう
出典: スイミー/作詞:持田香織 作曲:早川大地
「新しいもの」を好きだと言うのは何だか恥ずかしいという感情があるのかもしれません。
余計なプライドが邪魔をしているといえます。
でもこのくらい心地良ければしばらくここにいてもいいと思うでしょう。
少しずつ「新しい自分」を受け入れていく準備ができてきたと歌っています。
少しずつ浮き輪を外す勇気
かなわずも
失くすことのない
あの⽇おぼえた⼩さなざわめきも
ゆらめいて輝き増すように
⽇々を泳いだ
出典: スイミー/作詞:持田香織 作曲:早川大地
「何だか心地がいいから浮き輪を外してみよう」
そんな感覚かもしれません。
今まで泳げなかった人が浮き輪を外すことは勇気のいることです。
でも足がつくところなら浮き輪を外しても溺れることはないでしょう。
恐怖で焦ってしまうから溺れてしまうといえます。
泳げなかったらまずやるべきこと。
それは「足の着く場所で顔を水につける」ことです。
水に慣れてきたら顔を長い時間水につけても大丈夫なように練習します。
それができて初めて体を水に浮かせる練習をするのが安全だといえるのではないでしょうか?
いきなり泳ごうとするから焦って溺れて、溺れるから泳ぎたくないという悪循環が待っています。
でも主人公は少しずつ顔をつけてみて「水の心地良さを感じた」から泳げました。
最初は不安だったけれど、海の向こう側には楽しそうなことが待っているでしょう。
そんな期待を胸に泳いでいく心境が伝わってきます。
「君」が意味するもの
もうすぐ君に逢いにゆくから
出典: スイミー/作詞:持田香織 作曲:早川大地
ここで出てくる「君」とは誰を指しているのでしょうか?
いつも忘れられない人のことかもしれません。
「向こうまで泳いでいけばあの人に会える!」
そう願いながら前に進んでいく姿が思い浮かびます。
例えば好きな人に想いを伝えられない自分がいるとしましょう。
告白しないのは「昔の自分」から抜け出せないだけかもしれません。
告白できたのは「新しい自分」に生まれ変わったからといえます。
顔をつけられないのに勇気だけ振り絞って泳ごうとするから溺れてしまうのではないでしょうか?
まずは少しハードルを下げてチャレンジすることが重要です。
「恋愛であれば相手が喜びそうなことを少しずつやってみる」
少しずつ「君」のことを知ろうと興味を持って行動しているから「君」に近づけるはずです。
そうやって君に会えるように変わろうとしているんだという意味だといえるでしょう。
「君」を通じて出会えた自分
紡いだ⽇々があるよ
やさしい⼈がいたよ
⽔の匂い
まどろむ君がぼくを透かしてみる
出典: スイミー/作詞:持田香織 作曲:早川大地
近づきたい「君」に会えるということは「新しい自分」に会えるという意味でもあります。
今までは「自分」しか見えていなかったのが、「君」がはっきりと見えるようになりました。
自分だけの世界では味わえなかった奇麗な景色も見えてきました。
ここまで来るのに時間がかかったけれど意外と楽しかったと感じます。
泳ぎだすまでは不安だけが心の中を覆っていました。
でも泳いでみたら「こんなに気持ちがいいんだ!」と感動できたといえるでしょう。
「もし誰かが浮き輪を投げ込んでくれなかったら?」
今までと変わらない毎日を過ごしていたでしょう。
細い糸のようではあるけれど何がきっかけで変わるかなんてわかりません。
「これが現実とは思えないような地に足がついていない感覚」
今までの自分を振り返って思い出しているシーンのようです。