ポケモンではおなじみの、ポケモンを探して捕まえるシステム。
トレーナー、つまりプレイヤーから見ればポケモンを見つけた時。
ポケモンからもトレーナーを見つけたのだと視線が交差する瞬間が描かれています。
そしてパートナーとなった今、目を合わせて笑う。
言葉を交わさなくても、そこには思いが通じていることがわかります。
「GOTCHA!」の言葉に隠された意味
MVのタイトルともなっている「GOTCHA」。
英語のスラングで「捕まえた」「見つけた」そして「わかった」という意味の言葉です。
「アカシア」では全体を通して、3つの「見つけた」が描かれています。
ポケモンという物語の中で、トレーナーがパートナーとなるポケモンを。
ポケモンのファンが、ポケモンというコンテンツを。
そして、BUMPのファンが彼らの音楽を見つけることができた。
GOTCHA!のMVの中で、ポケモンと出会い、共に育ってきた男の子と女の子。
その物語に、ポケモンファンの、そしてBUMPというバンドの物語が重ねられています。
「GOTCHA!」というMVを通して、それぞれが大切な存在を「見つけた」。
そして大切であることを「わかった」というメッセージが、このタイトルには込められているのです。
かけがえのない魂の居場所
終わりまで君の側で
ゴールはきっとまだだけど もう死ぬまでいたい場所にいる
隣で (隣で) 君の側で 魂がここだよって叫ぶ
出典: アカシア/作詞:Motoo Fujiwara 作曲:Motoo Fujiwara
世界が開けるようなサビ、ハンドクラップの音はどこか大観衆を思わせます。
ポケモンの世界では一番華々しい「バトルでのチャンピオン」というゴール。
それに限らず、人の数だけポケモンの世界で目指したいものがあります。
そして時に、そのゴールの先に何を目指すのか。
そんな問いも投げかけられることを思い起こした人もいるでしょう。
孤独にさらなる高みを目指す者もいれば、後進を育てて道を譲る者もいる。
それぞれにとってのゴールはどこまでも先にあります。
ただひとつ、変わらないことは「君の側にいる」ということ。
一度見つけた魂の居場所は、どんなに旅を続けても変わることはないのです。
君と僕との関係は?
泣いたり笑ったりする時 君の命が揺れる時
誰より (近くで) 特等席で 僕も同じように 息をしていたい
出典: アカシア/作詞:Motoo Fujiwara 作曲:Motoo Fujiwara
旅の中で泣き、笑い、時には自分の存在意義や魂さえが揺らぐ。
そんな物語もポケモンという世界の中で語られてきたことを、ファンは知っています。
決して子供だましのような、幸せで都合のいいことだけが語られる世界ではない。
それを共に戦い抜き、手を差し伸べてきた隣には、いつも大切なポケモンの存在がありました。
幸せな時だけではなく、苦しい時も共に息をして生きていたい。
そうして共に戦い抜いてきた存在。
そんな存在だからこそ、ポケモンたちはゲームを離れてもなお励ましてくれるように感じられます。
タイトルとなっている花「アカシア」。
花言葉はいくつかありますが、「秘密の恋」そして「友情」といわれています。
誰より近くにいたい君と僕。
それは友情にも、恋に似た想いにも似た固い絆でつながれた存在。
かけがえのないパートナーとしていつもそばにいる、そんな存在なのです。
君と歩く世界は幸せ
互いの一歩が違うからこそ楽しい
君の一歩は僕より遠い 間違いなく君の凄いところ
足跡は僕の方が多い 間違いなく僕の凄いところ
出典: アカシア/作詞:Motoo Fujiwara 作曲:Motoo Fujiwara
大きな体で歩く者と、小さな体で歩く者。
違うけれど、違うから素敵なんだと語るのはBUMPらしいメッセージです。
トレーナーと並んで歩く小さなポケモンの姿を思い起こした人も多いのではないでしょうか。
MVで描かれている男の子はピカチュウを。
女の子はイーブイをそれぞれパートナーにしています。
そんな2人と2匹の歩みを思わせる。
そしてファンそれぞれと、思い出の大切なポケモンを思わせる一節です。