これまでは一人でただ相手の事を考えている時や実際会った時の事が書かれていましたが、次はそのどちらでもない、パソコン(computer)の画面を見て相手を想っている時という場面が出てきます。

おそらくメールかブログか何かで相手が書いた画面の文字を見てるという場面が想像出来ますが、それに手を当ててみると I feer so warmという表現はそれまでの音楽にはなかった新しい時代のものだと言えるでしょう。

普通、パソコンの画面を手でさわって心が温かくなるなんてあまり思い付かないことではないでしょうか。

そういう表現で、相手に対する想いを表すところが彼女の凄いところであり、この曲が日本の音楽シーンに衝撃を与えたというのが分かる部分でもあります。

そして井上陽水さんがテレビのインタビューでこの部分に関して、「無機質なものに対して温かさを感じるという当時15歳の宇多田ヒカルの感性に驚いた」と語っています。

宇多田ヒカル「Automatic」の歌詞を紐解くの画像

I'ts automatic
側にいるだけで 愛しいなんて思わない
ただ必要なだけ 淋しいからじゃない
I just need you

I'ts automatic
抱きしめられると
君とparadiseにいるみたい
キラキラまぶしくて 
I feel so good
I'ts Autmatic

出典: Automatic/作詞:宇多田ヒカル 作曲:宇多田ヒカル

次は相手の事を想う自分を自己分析している内容だと考えられます。

なぜこんなに好きなのか?、自分にとって相手はどういう存在なのか、自分の気持ちを確認しているような表現がされていると想像出来ます。

相手に問い詰めるのではなく、自分の気持ちを自問自答した結果、「ただ必要なだけ」という答えが出たというところが、彼女の頭の良さが表れている部分だと思います。

そして、最後はまとめのように1番サビの親しみ易い歌詞の部分をもう一度繰り返して伴奏もフェイドアウトして終わります。

最後がそういう終わり方になっている事によって、無意識に、自動的に、もう一度聞きたいと思うような曲になっていると考えられます。

大御所ミュージシャンがこの曲を聞いて「勝てない」と言った

いかがでしたでしょうか。

この曲も含め彼女の曲は分析するととてもよく作られている事が分かり、聞けば聞くほどその魅力が分かると思います。

そして、洋楽でもなく、それまでの邦楽にはなかった洗練された曲は、彼女のアメリカと日本で育ったそのどちらでもないという独特なアイデンティティが曲に表れているように感じられます。

洗練されているけど日本人好みの哀愁漂うメロディーと、それにマッチした新しい感性で感情表現される歌詞をわずか15歳でやっていた彼女は凄い才能の持ち主で、大ヒットし日本の音楽シーンに衝撃を与えた理由も分かります。

また先程も紹介したように、井上陽水さんは「もう一回聞くとどんな発見があるんだろうと思わせるような数少ないアーティストの一人」と語っていたり、小室哲也さんも宇多田ヒカルのAutomaticがヒットした時、時代が変わった、勝てないと思った」と語っており、それからも彼女の才能や魅力の素晴らしさがよく分かります。

このような視点で宇多田ヒカルの曲を分析してみると音楽の深さが分かり面白いでしょう。

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